いつも何らかの不安と不満を抱えて些細なことにも心を揺らしてしまう母。
昔からそんなところは変わらなくて今や私にしか話せないのか時々サンドバッグみたいな気持ちになる。
小学生の頃は霞がかかったような曇り空みたいな侘しさに縛られていた。
母と2人で出掛けたことも何だか楽しい思い出は残っていなくて。
母のいつも寂しそうな顔と怒った横顔の残像ばかり。
とても母が好きだったけれどあの頃には戻りたくない。
思い出すには少し力がいるようになり、不意にくる記憶を思い出さないように手をたたく。
「おしまーい!」って自分に言い聞かせる。
丸太が生まれて、2年後にサーコが生まれて、その丸六年の月日は宝物みたいに幸せで。
母との寂しい思い出も明るいものに上塗りが出来た気がする。
これから私は何が出来るのかな、何をしてあげられるのかな。