先日、長男と長女を連れて広島駅前にいました。
広島駅前にはバス・タクシーの乗り場とともに
「路面電車」
の乗り場があります。
長男は一人で路面電車に乗って習い事に行き、長女は広島駅の近くで習い事があるので、
まずは路面電にのる長男の見送りをする、私と長女。
長男は日常的に路面電車を使っているので、何の感慨も無く非常にクール。
定期券を片手に列に並んで扉が開くのを待っています。
「お土産はいいからなぁ!気をつけていくんだぞ~!」
「おにいちぁ~ん!いってらっしゃ~いい!!」
今生の別れとばかりに、うひゃうひゃ言いながら叫んでいる私たちに一瞥だけくれて、
あとは男前なフェイスで相手すらしてくれません。
ちっ、つまんねえなぁ・・・なんだってんだよノリが悪い・・・
全く困ったもんだ・・・そしてこんな親でゴメンな・・・
と思いながら辺りを見回すと、外国人観光客の姿が見えました。
ここ広島、世界的な知名度でいえば日本の中でも5本の指には入るでしょう。
8月を中心に外国人観光客の姿はかなりの数見かけます。
ちなみに、広島市とその周辺、
「原爆ドーム」「厳島神社(宮島)」
と二つも世界遺産がありますしね。
まぁなんつうの?誰しもが憧れる観光地でしょうよ、うん世界的に。
え?住んでる人間としての意見かって?
いや?広島なんて通りかかったときに、よっぽどひまならね。
途中下車してサラっと見ればいいんじゃないの、あんなの。
あとはお好み焼きでも食ったら全面クリアですから。(←超 外道)
さて、その外国人観光客、50代位の白人夫婦とその娘といった感じ。
手には大き目のキャリングケース、背中にはリュックを背負っています。
お父ちゃん、そうだなぁ、ドノバンって名前にしとこうか、そのドノバン
「はて?ありゃ?どの電車に乗ったらいいだろか?」
という顔をしてキョロっキョロしています。
ちなみにこういった人、広島では本当に良く見かけます。
たぶん広島って、英語表記とかがあまり親切じゃないんだろうなぁ。
意を決して、ドノバンは同じく路面電車を待っていた20歳くらいの女性に話しかけました。
うん、そうだね、そのくらいの年齢の人なら英語わかりそうだ。
何言ってっか聞こえねえけど、身振り手振りを交えて一生懸命はなすドノバン。
・・・が
その女性、困惑した表情で手を左右に振り、逃げるように路面電車に乗り込んでしまいました。
ありゃりゃ、人選ミスだったか。
悲しそうなドノバン、ちょっと不機嫌そうな顔でその後ろに仁王立ちのヘレン(お母さん)、
そして「もう疲れちゃったわ感」バリバリでキャリングケースに腰掛けるエミリー(娘)の姿。
ああ、なによりかわいそうなのは、そう間違いなく父であるドノバン。
きっと広島に行きたいなんて寝とぼけたこと言い出したのはドノバンなんだろう。
ヘレンもエミリーもモンティゴベイでのバカンスに向けた準備をしてたはずなんです。
そりゃそうです。わざわざ高い金払って海外に行くんなら、私ならバカンスに行きますもん。
まだまだ残暑がクソ厳しい広島、しかも特別楽しい事なんかないのに・・・
「広島に行って平和の素晴らしさを再認識しようじゃないか」
「オバマの言っていることを理解するには、やはりヒロシマにいかなきゃ」
「そう、モナムールさ!ヒロシマモナムール!」
そんなことをのたまわれたんでしょうよ。
まさに後悔先に立たず。
しかしタダでさえクソ暑く、楽しいというよりは学ぶ要素の強い広島旅行。
こんなしょっぱなででまごついてたら、ドノバンの立場は更に危ういものになります。
そして
「日本旅行なんて最悪だったわ!」
エミリーは国に戻って友達に言いまくるに違いないのです。
こりゃいかん。
常日頃から低そうなドノバンの家庭内における立場だけでなく、
日本の評判そのものを下げかねない緊急事態の様相を呈してきました。
うむ、この異国の地で困ってる海外のダメオヤジ。
ここは同じ日本のダメオヤジとしては放ってはおけん!
きっとセックスレスなんであろうドノバンとヘレンのためにも、この俺様が一肌脱がねば!
そしてエミリーには
「日本って最高よ!私、日本人と結婚して日本人になるわ!」
と言わせ、将来ハーフのタレントが一人誕生するきっかけをこの俺様が作ってやらねば。
なんならそのハーフを作る手助けくらいなら俺にも出来る。
うん、認知はしないが、大スターになったら名乗り出ようと思ってる。
そんな野望を胸に、長女の手を引きドノバンの元へ向かう石井。
石井「やぁ、何処に行きたいんだい!」
ものっ凄い笑顔で話しかける石井。いや、もちろんたどたどしい英語。
おそらく発した英語を日本語で表現したら
「アぁなぁタワ ドコにぃ ゆきタぃ デちゅく?」
とかになってしまうレベル。けどなんとか通じてる感じ。
ドノバン「おお、実は【広島ドーム】に行きたいんだ!」
石井「それってGENBAKU‐DOM…いや違う、ATOMIC‐BOMB-DOMEのことか?」
ドノバン「そうだ、このトラムにのってけばいいのかい?」
へぇ、外人は原爆ドームのことを広島ドームって呼んでんのか。知らなかった。
あ、けどこの路面電車じゃダメだ。
石井「いやこいつはダメだ、2番のやつに乗ってくれ」
ドノバン「どこで乗るんだい?」
石井「あっちで待ってればすぐ来るさ、いいかい、2番だぞ?」
そこに路面電車の車掌が登場し、私に話しかけました。
車掌「あのぉ、そこに案内所ありますんで、そちらにいってもらったらいいかと・・・」
石井「は?いや、はい、まぁ大丈夫だと思いますけど」
おいおい、路面電車の車掌、俺ぁ別に困ってねえぞ。
ていうかさ、ずっと見てたんならあなたが対応しなさいよ。社員教育で英会話くらいやってんだろ?
というか、そもそもさっきのお姉ちゃん、この程度の英会話は中学一年生レベルだぞ?
二人ともさぁ、なんかもうちょっと頑張ろうよ・・・
そんな私に対し、いきなり地の底から湧き上がるような野太い、そして不機嫌な声が浴びせかけられます
ヘレン「ちょっとボーイ!お金はいつ払うのよ!誰に払うのよ!?」
おいヘレン、はっきりいっておくが俺はボーイではない。
れっきとした成人男性だ。
というかお前らの国の基準で言えば
(成人男性の年齢×2)+ α だと言わしてもらって差し支えないナイスミドルだ。
脳裏にハワイのABCマートで「お前が32歳だってぇ?」と鼻で笑われた苦い想い出がよみがえります。
ヘレンの腹部に、軽くショートアッパーをくらわしたくなったのですが、
いかんせん有効なダメージが与えられそうにないのでグッと我慢。
石井「誰でもいいからトレインマンに払えばいいんだ。150円」
ヘレン「乗るとき?降りるとき?どっちよ?」
石井「ああ、降りるときだ」
くそぉヘレンめ。なんで上から目線なんだ?
しかもエミリーなんかは全くこっちに興味を示してくれん。
ドノバン「そうか判ったよ、2番の路面電車だな?」
石井「そうだ、2番だ」
ヘレン「降りるときでいいのね!?」
石井「そうだ、飛び立つときだ」(間違ってテイクオフと言ってしまった)
ヘレン「なんですって?どういうことよ!?」
石井「降りるとき、降りるとき!150円だよ、あ、一人が150円な!」
なんかこれ以上話してると
「何処で降りればいいんだ?」
「飯は何を食ったらいい?」
「その周辺にはなにか他にもあるのか?」
「君はナイスガイだ、よし、エミリーの相手にどうだ?」
とか言い出しそうなので退散することにする。
つうか、そこまで説明できるほどの英語力が無いうえに、エミリーにはその気が無いように見える。
しかも私の横には長女がいるので、今夜のアバンチュールは無理っぽい。
ドノバン「サンキュ~!」
にっこり笑って長女の手を引いて歩きだす石井。
長女「ねぇパパ、何しゃべってたの?」
石井「ああ、原爆ドーム行きたかったみたいだったから2番線に乗れって言ったんだよ」
長女「英語?ねぇ英語?パパ英語しゃべれるの?」
石井「いんや、適当にしゃべっただけ。でも通じるもんだよあんなもん」
長女「ふぅん」
石井「ママが『パパ!あれ!早く!』って言っただけでパパすぐに洗濯物取り込みに走ったりするでしょ?」
長女「そっか、そうだね」
何がわかったのかは判らんが、娘的には納得してくれた様子。
う~ん、「良いご旅行を」とか言ってやればよかったかなぁ。
あ、忘れてた・・・俺様って外人嫌いだったんだった。
広島駅前にはバス・タクシーの乗り場とともに
「路面電車」
の乗り場があります。
長男は一人で路面電車に乗って習い事に行き、長女は広島駅の近くで習い事があるので、
まずは路面電にのる長男の見送りをする、私と長女。
長男は日常的に路面電車を使っているので、何の感慨も無く非常にクール。
定期券を片手に列に並んで扉が開くのを待っています。
「お土産はいいからなぁ!気をつけていくんだぞ~!」
「おにいちぁ~ん!いってらっしゃ~いい!!」
今生の別れとばかりに、うひゃうひゃ言いながら叫んでいる私たちに一瞥だけくれて、
あとは男前なフェイスで相手すらしてくれません。
ちっ、つまんねえなぁ・・・なんだってんだよノリが悪い・・・
全く困ったもんだ・・・そしてこんな親でゴメンな・・・
と思いながら辺りを見回すと、外国人観光客の姿が見えました。
ここ広島、世界的な知名度でいえば日本の中でも5本の指には入るでしょう。
8月を中心に外国人観光客の姿はかなりの数見かけます。
ちなみに、広島市とその周辺、
「原爆ドーム」「厳島神社(宮島)」
と二つも世界遺産がありますしね。
まぁなんつうの?誰しもが憧れる観光地でしょうよ、うん世界的に。
え?住んでる人間としての意見かって?
いや?広島なんて通りかかったときに、よっぽどひまならね。
途中下車してサラっと見ればいいんじゃないの、あんなの。
あとはお好み焼きでも食ったら全面クリアですから。(←超 外道)
さて、その外国人観光客、50代位の白人夫婦とその娘といった感じ。
手には大き目のキャリングケース、背中にはリュックを背負っています。
お父ちゃん、そうだなぁ、ドノバンって名前にしとこうか、そのドノバン
「はて?ありゃ?どの電車に乗ったらいいだろか?」
という顔をしてキョロっキョロしています。
ちなみにこういった人、広島では本当に良く見かけます。
たぶん広島って、英語表記とかがあまり親切じゃないんだろうなぁ。
意を決して、ドノバンは同じく路面電車を待っていた20歳くらいの女性に話しかけました。
うん、そうだね、そのくらいの年齢の人なら英語わかりそうだ。
何言ってっか聞こえねえけど、身振り手振りを交えて一生懸命はなすドノバン。
・・・が
その女性、困惑した表情で手を左右に振り、逃げるように路面電車に乗り込んでしまいました。
ありゃりゃ、人選ミスだったか。
悲しそうなドノバン、ちょっと不機嫌そうな顔でその後ろに仁王立ちのヘレン(お母さん)、
そして「もう疲れちゃったわ感」バリバリでキャリングケースに腰掛けるエミリー(娘)の姿。
ああ、なによりかわいそうなのは、そう間違いなく父であるドノバン。
きっと広島に行きたいなんて寝とぼけたこと言い出したのはドノバンなんだろう。
ヘレンもエミリーもモンティゴベイでのバカンスに向けた準備をしてたはずなんです。
そりゃそうです。わざわざ高い金払って海外に行くんなら、私ならバカンスに行きますもん。
まだまだ残暑がクソ厳しい広島、しかも特別楽しい事なんかないのに・・・
「広島に行って平和の素晴らしさを再認識しようじゃないか」
「オバマの言っていることを理解するには、やはりヒロシマにいかなきゃ」
「そう、モナムールさ!ヒロシマモナムール!」
そんなことをのたまわれたんでしょうよ。
まさに後悔先に立たず。
しかしタダでさえクソ暑く、楽しいというよりは学ぶ要素の強い広島旅行。
こんなしょっぱなででまごついてたら、ドノバンの立場は更に危ういものになります。
そして
「日本旅行なんて最悪だったわ!」
エミリーは国に戻って友達に言いまくるに違いないのです。
こりゃいかん。
常日頃から低そうなドノバンの家庭内における立場だけでなく、
日本の評判そのものを下げかねない緊急事態の様相を呈してきました。
うむ、この異国の地で困ってる海外のダメオヤジ。
ここは同じ日本のダメオヤジとしては放ってはおけん!
きっとセックスレスなんであろうドノバンとヘレンのためにも、この俺様が一肌脱がねば!
そしてエミリーには
「日本って最高よ!私、日本人と結婚して日本人になるわ!」
と言わせ、将来ハーフのタレントが一人誕生するきっかけをこの俺様が作ってやらねば。
なんならそのハーフを作る手助けくらいなら俺にも出来る。
うん、認知はしないが、大スターになったら名乗り出ようと思ってる。
そんな野望を胸に、長女の手を引きドノバンの元へ向かう石井。
石井「やぁ、何処に行きたいんだい!」
ものっ凄い笑顔で話しかける石井。いや、もちろんたどたどしい英語。
おそらく発した英語を日本語で表現したら
「アぁなぁタワ ドコにぃ ゆきタぃ デちゅく?」
とかになってしまうレベル。けどなんとか通じてる感じ。
ドノバン「おお、実は【広島ドーム】に行きたいんだ!」
石井「それってGENBAKU‐DOM…いや違う、ATOMIC‐BOMB-DOMEのことか?」
ドノバン「そうだ、このトラムにのってけばいいのかい?」
へぇ、外人は原爆ドームのことを広島ドームって呼んでんのか。知らなかった。
あ、けどこの路面電車じゃダメだ。
石井「いやこいつはダメだ、2番のやつに乗ってくれ」
ドノバン「どこで乗るんだい?」
石井「あっちで待ってればすぐ来るさ、いいかい、2番だぞ?」
そこに路面電車の車掌が登場し、私に話しかけました。
車掌「あのぉ、そこに案内所ありますんで、そちらにいってもらったらいいかと・・・」
石井「は?いや、はい、まぁ大丈夫だと思いますけど」
おいおい、路面電車の車掌、俺ぁ別に困ってねえぞ。
ていうかさ、ずっと見てたんならあなたが対応しなさいよ。社員教育で英会話くらいやってんだろ?
というか、そもそもさっきのお姉ちゃん、この程度の英会話は中学一年生レベルだぞ?
二人ともさぁ、なんかもうちょっと頑張ろうよ・・・
そんな私に対し、いきなり地の底から湧き上がるような野太い、そして不機嫌な声が浴びせかけられます
ヘレン「ちょっとボーイ!お金はいつ払うのよ!誰に払うのよ!?」
おいヘレン、はっきりいっておくが俺はボーイではない。
れっきとした成人男性だ。
というかお前らの国の基準で言えば
(成人男性の年齢×2)+ α だと言わしてもらって差し支えないナイスミドルだ。
脳裏にハワイのABCマートで「お前が32歳だってぇ?」と鼻で笑われた苦い想い出がよみがえります。
ヘレンの腹部に、軽くショートアッパーをくらわしたくなったのですが、
いかんせん有効なダメージが与えられそうにないのでグッと我慢。
石井「誰でもいいからトレインマンに払えばいいんだ。150円」
ヘレン「乗るとき?降りるとき?どっちよ?」
石井「ああ、降りるときだ」
くそぉヘレンめ。なんで上から目線なんだ?
しかもエミリーなんかは全くこっちに興味を示してくれん。
ドノバン「そうか判ったよ、2番の路面電車だな?」
石井「そうだ、2番だ」
ヘレン「降りるときでいいのね!?」
石井「そうだ、飛び立つときだ」(間違ってテイクオフと言ってしまった)
ヘレン「なんですって?どういうことよ!?」
石井「降りるとき、降りるとき!150円だよ、あ、一人が150円な!」
なんかこれ以上話してると
「何処で降りればいいんだ?」
「飯は何を食ったらいい?」
「その周辺にはなにか他にもあるのか?」
「君はナイスガイだ、よし、エミリーの相手にどうだ?」
とか言い出しそうなので退散することにする。
つうか、そこまで説明できるほどの英語力が無いうえに、エミリーにはその気が無いように見える。
しかも私の横には長女がいるので、今夜のアバンチュールは無理っぽい。
ドノバン「サンキュ~!」
にっこり笑って長女の手を引いて歩きだす石井。
長女「ねぇパパ、何しゃべってたの?」
石井「ああ、原爆ドーム行きたかったみたいだったから2番線に乗れって言ったんだよ」
長女「英語?ねぇ英語?パパ英語しゃべれるの?」
石井「いんや、適当にしゃべっただけ。でも通じるもんだよあんなもん」
長女「ふぅん」
石井「ママが『パパ!あれ!早く!』って言っただけでパパすぐに洗濯物取り込みに走ったりするでしょ?」
長女「そっか、そうだね」
何がわかったのかは判らんが、娘的には納得してくれた様子。
う~ん、「良いご旅行を」とか言ってやればよかったかなぁ。
あ、忘れてた・・・俺様って外人嫌いだったんだった。