EVER BLACK ねお

誰も知らない秘密の毒箱

ちょっとだけ非日常へ(第53回)

2009-09-09 14:02:56 | お笑い
先日、長男と長女を連れて広島駅前にいました。
広島駅前にはバス・タクシーの乗り場とともに
「路面電車」
の乗り場があります。
長男は一人で路面電車に乗って習い事に行き、長女は広島駅の近くで習い事があるので、
まずは路面電にのる長男の見送りをする、私と長女。
長男は日常的に路面電車を使っているので、何の感慨も無く非常にクール。
定期券を片手に列に並んで扉が開くのを待っています。
「お土産はいいからなぁ!気をつけていくんだぞ~!」
「おにいちぁ~ん!いってらっしゃ~いい!!」

今生の別れとばかりに、うひゃうひゃ言いながら叫んでいる私たちに一瞥だけくれて、
あとは男前なフェイスで相手すらしてくれません。

ちっ、つまんねえなぁ・・・なんだってんだよノリが悪い・・・
全く困ったもんだ・・・そしてこんな親でゴメンな・・・

と思いながら辺りを見回すと、外国人観光客の姿が見えました。
ここ広島、世界的な知名度でいえば日本の中でも5本の指には入るでしょう。
8月を中心に外国人観光客の姿はかなりの数見かけます。
ちなみに、広島市とその周辺、
「原爆ドーム」「厳島神社(宮島)」
と二つも世界遺産がありますしね。
まぁなんつうの?誰しもが憧れる観光地でしょうよ、うん世界的に。
え?住んでる人間としての意見かって?
いや?広島なんて通りかかったときに、よっぽどひまならね。
途中下車してサラっと見ればいいんじゃないの、あんなの。
あとはお好み焼きでも食ったら全面クリアですから。(←超 外道)


さて、その外国人観光客、50代位の白人夫婦とその娘といった感じ。
手には大き目のキャリングケース、背中にはリュックを背負っています。
お父ちゃん、そうだなぁ、ドノバンって名前にしとこうか、そのドノバン

「はて?ありゃ?どの電車に乗ったらいいだろか?」

という顔をしてキョロっキョロしています。
ちなみにこういった人、広島では本当に良く見かけます。
たぶん広島って、英語表記とかがあまり親切じゃないんだろうなぁ。

意を決して、ドノバンは同じく路面電車を待っていた20歳くらいの女性に話しかけました。
うん、そうだね、そのくらいの年齢の人なら英語わかりそうだ。
何言ってっか聞こえねえけど、身振り手振りを交えて一生懸命はなすドノバン。
・・・が
その女性、困惑した表情で手を左右に振り、逃げるように路面電車に乗り込んでしまいました。
ありゃりゃ、人選ミスだったか。

悲しそうなドノバン、ちょっと不機嫌そうな顔でその後ろに仁王立ちのヘレン(お母さん)、
そして「もう疲れちゃったわ感」バリバリでキャリングケースに腰掛けるエミリー(娘)の姿。

ああ、なによりかわいそうなのは、そう間違いなく父であるドノバン。
きっと広島に行きたいなんて寝とぼけたこと言い出したのはドノバンなんだろう。
ヘレンもエミリーもモンティゴベイでのバカンスに向けた準備をしてたはずなんです。
そりゃそうです。わざわざ高い金払って海外に行くんなら、私ならバカンスに行きますもん。
まだまだ残暑がクソ厳しい広島、しかも特別楽しい事なんかないのに・・・

「広島に行って平和の素晴らしさを再認識しようじゃないか」
「オバマの言っていることを理解するには、やはりヒロシマにいかなきゃ」
「そう、モナムールさ!ヒロシマモナムール!」

そんなことをのたまわれたんでしょうよ。
まさに後悔先に立たず。
しかしタダでさえクソ暑く、楽しいというよりは学ぶ要素の強い広島旅行。
こんなしょっぱなででまごついてたら、ドノバンの立場は更に危ういものになります。
そして
「日本旅行なんて最悪だったわ!」
エミリーは国に戻って友達に言いまくるに違いないのです。

こりゃいかん。

常日頃から低そうなドノバンの家庭内における立場だけでなく、
日本の評判そのものを下げかねない緊急事態の様相を呈してきました。
うむ、この異国の地で困ってる海外のダメオヤジ。
ここは同じ日本のダメオヤジとしては放ってはおけん!
きっとセックスレスなんであろうドノバンとヘレンのためにも、この俺様が一肌脱がねば!
そしてエミリーには
「日本って最高よ!私、日本人と結婚して日本人になるわ!」
と言わせ、将来ハーフのタレントが一人誕生するきっかけをこの俺様が作ってやらねば。
なんならそのハーフを作る手助けくらいなら俺にも出来る。
うん、認知はしないが、大スターになったら名乗り出ようと思ってる。

そんな野望を胸に、長女の手を引きドノバンの元へ向かう石井。

石井「やぁ、何処に行きたいんだい!」

ものっ凄い笑顔で話しかける石井。いや、もちろんたどたどしい英語。
おそらく発した英語を日本語で表現したら

「アぁなぁタワ ドコにぃ ゆきタぃ デちゅく?」

とかになってしまうレベル。けどなんとか通じてる感じ。

ドノバン「おお、実は【広島ドーム】に行きたいんだ!」
石井「それってGENBAKU‐DOM…いや違う、ATOMIC‐BOMB-DOMEのことか?」
ドノバン「そうだ、このトラムにのってけばいいのかい?」


へぇ、外人は原爆ドームのことを広島ドームって呼んでんのか。知らなかった。
あ、けどこの路面電車じゃダメだ。

石井「いやこいつはダメだ、2番のやつに乗ってくれ」
ドノバン「どこで乗るんだい?」
石井「あっちで待ってればすぐ来るさ、いいかい、2番だぞ?」


そこに路面電車の車掌が登場し、私に話しかけました。

車掌「あのぉ、そこに案内所ありますんで、そちらにいってもらったらいいかと・・・」
石井「は?いや、はい、まぁ大丈夫だと思いますけど」


おいおい、路面電車の車掌、俺ぁ別に困ってねえぞ。
ていうかさ、ずっと見てたんならあなたが対応しなさいよ。社員教育で英会話くらいやってんだろ?
というか、そもそもさっきのお姉ちゃん、この程度の英会話は中学一年生レベルだぞ?
二人ともさぁ、なんかもうちょっと頑張ろうよ・・・

そんな私に対し、いきなり地の底から湧き上がるような野太い、そして不機嫌な声が浴びせかけられます

ヘレン「ちょっとボーイ!お金はいつ払うのよ!誰に払うのよ!?」

おいヘレン、はっきりいっておくが俺はボーイではない。
れっきとした成人男性だ。
というかお前らの国の基準で言えば
(成人男性の年齢×2)+ α だと言わしてもらって差し支えないナイスミドルだ。
脳裏にハワイのABCマートで「お前が32歳だってぇ?」と鼻で笑われた苦い想い出がよみがえります。
ヘレンの腹部に、軽くショートアッパーをくらわしたくなったのですが、
いかんせん有効なダメージが与えられそうにないのでグッと我慢。

石井「誰でもいいからトレインマンに払えばいいんだ。150円」
ヘレン「乗るとき?降りるとき?どっちよ?」
石井「ああ、降りるときだ」


くそぉヘレンめ。なんで上から目線なんだ?
しかもエミリーなんかは全くこっちに興味を示してくれん。

ドノバン「そうか判ったよ、2番の路面電車だな?」
石井「そうだ、2番だ」
ヘレン「降りるときでいいのね!?」
石井「そうだ、飛び立つときだ」(間違ってテイクオフと言ってしまった)
ヘレン「なんですって?どういうことよ!?」
石井「降りるとき、降りるとき!150円だよ、あ、一人が150円な!」


なんかこれ以上話してると

「何処で降りればいいんだ?」
「飯は何を食ったらいい?」
「その周辺にはなにか他にもあるのか?」
「君はナイスガイだ、よし、エミリーの相手にどうだ?」


とか言い出しそうなので退散することにする。
つうか、そこまで説明できるほどの英語力が無いうえに、エミリーにはその気が無いように見える。
しかも私の横には長女がいるので、今夜のアバンチュールは無理っぽい。


ドノバン「サンキュ~!」

にっこり笑って長女の手を引いて歩きだす石井。

長女「ねぇパパ、何しゃべってたの?」
石井「ああ、原爆ドーム行きたかったみたいだったから2番線に乗れって言ったんだよ」
長女「英語?ねぇ英語?パパ英語しゃべれるの?」
石井「いんや、適当にしゃべっただけ。でも通じるもんだよあんなもん」
長女「ふぅん」
石井「ママが『パパ!あれ!早く!』って言っただけでパパすぐに洗濯物取り込みに走ったりするでしょ?」
長女「そっか、そうだね」


何がわかったのかは判らんが、娘的には納得してくれた様子。
う~ん、「良いご旅行を」とか言ってやればよかったかなぁ。

あ、忘れてた・・・俺様って外人嫌いだったんだった。

ちょっと政治の話でも(第52回)

2009-09-01 14:05:30 | お笑い
いやぁとりあえずの更新。
さて、案の定というか、予想以上の自民の負けっぷり。

私?う~ん、自民党が良いとは思わんのだけど、
『今より悪くなることは無いだろう』
という観点で、自民党に入れましたけどね。
やっぱこういう激動というか、不況の真っ只中にいる中で、
下手に動かないほうがいいんじゃないかなぁと個人的には思うんですよ。
遭難したときはジタバタせずに体力を温存するほうが生存確率が高いっていうでしょ?
格差社会を作ったのは自民党にも責任があるとは思いますけど、不況の原因は別に自民党にあるわけじゃないしね。
うん、1回民主党にやらせてみようという考えもありかなぁとも思いますけど、外国人参政権とか移民受入とかには大反対なのもちょっとあるし。

けどまぁ、チョットにわかには信じられんないんですけどねぇ民主党のマニュフェスト。

「無駄を省くことで十分な財源は確保できるんです!」
「赤字国債は極力発行しません!」
「消費税は4年間上げません!」

無理がありませんかね?
子ども手当てだけで5兆円でしょ?
そりゃ配偶者控除や扶養控除廃止すればそれくらい捻り出せる税収にはなるけど、国民納得するかい?
つうか、大半の国民はしらねえんじゃねえのかこのままだと大幅増税になるってこと?

「子どもは社会全体で育てる風潮に!」

って、言ってることが間違ってるとまでは思わないけどねぇ。
その子ども自体を産む気がない夫婦が増えてるこの時代で通用すんのかなぁ・・・
『何で自分の子も育てる気ないのに他人の子のために税金払わんとならんのや?』
っていう意識の人ばっかりなんじゃないのかぁ?
それとか今まで必死こいて子ども育ててさ、そうねぇ4人くらい育ててさ、
今年ようやく下の子が高校に入って長男はまだ大学生ですってなご家庭にとっちゃ大打撃ですよ?
単純に計算しようか?計算しやすいように税率10%の6人家族としますね

【家族構成】奥さん:専業主婦 長男:大学3年 次男 大学一年 長女:高校三年 次女:高校一年
【今までの控除額】特定配偶者控除 76万 扶養控除(特定扶養) 63万×4   控除額合計:328万円
【控除なしによる増税額】:328万円×10%=32.8万円

33万ですよ、33万!?
月に3万円弱の増税って!しかもそれほど所得の多くないご家庭にもかかわらず3万って!
今まで恩恵なしで、これからが金かかる場面で追い討ちのような増税ってどうなんだろ?
そんな不公平な手当てなんてありえないっしょ?
子育ての支援をいうんなら不妊治療がんばってるけど子どもが出来ない家庭のほうがよっぽど大事じゃねえかなぁ?
そっちの医療費援助とか産婦人科医の拡充とかの方が出生率アップにはつながるはずだがなぁ。
地域に一つ、助産婦や看護婦なんかをパートで常駐させる無料産科センターみたいなものを作るとかさぁ。
子どもを「育てる」場面のことでなく、「産む」場面での対策を考えるのが筋だと思うんだけどなぁ。
ちなみにウチは子ども手当ての対象が3人もいるから、仮に扶養控除はずれても毎年50万くらいは儲かって、
最終的にもちょっと儲かる計算になるんだけどね『なんか申し訳ないなぁ』って思いますよ。
自分さえ儲かればオッケーとは、こんな世の中じゃあとても思えないんでね。

それとさ、税金の無駄遣いをなくすってのは大事なことだし、それをもっと必要なところに投入するってのは良いとは思いますよ。
けどね、じゃあ何を持って「無駄」と判断するんですかね?そこは誰が決定するんですかね?
極端なことを言いますけど、例えば街路樹がありますわね?
落ち葉は落ちるし、ほっとけば伸びすぎて道路にはみ出すわけですよ。
根元のあたりには雑草も生えてきますよ。
それを剪定・管理するための費用って無駄ですか?

「街路樹が無かったらその管理費用かからないわけだから街路樹はムダ」
「歩道は全部アスファルトで固めてしまおう」
「木が見たいんなら公園でも山でも行けばいいじゃない」

もちろんごくごく少数でしょうが、そう考えてる人だってこの世の中にはきっといますよ?
そこまで極論ではなくとも、ある意味では街路樹の管理費用は勿体無いし無駄な面もあると思います。
だからといって、街路樹は無駄だということにはやっぱならないと思うんですよね。
まぁ中には『ほんっとに無駄っ!』てものもあるんだとは思うんですけど、ほとんどは
「無駄な側面もあるが社会の中で必要なもの」
が多いんではなかろうかと。そんな曖昧なものから何兆円もの削減はできるのかなぁと思うわけですよ。


つうかね、いきなり結論的なものをぶっちゃけますけど、自民と民主が連立してくんねえかな、と思うわけです。
そうすればバランスのいい政治になるんじゃないかなぁ。

「大連立による、折衷案を模索する真に話し合いを持つ政治」

にしてくんねえかなぁと思うんです。
無駄を省きたいんならですね、国会や委員会での意味のない批判合戦や、けなしあいほど無駄なもんはないわけでね。
たぶん民主党のマニュフェスト、財源的に無理です。そんなもんほぼ間違いないです。
だからといって、それが守られなかったり縮小されたときに自民党が鬼の首を取ったように

「ほれみろ!だから民主党はダメなんだ!うそつき政党だ!」

ってな批判をするなんてのは何の意味も無いことでね。
それをやると出来ることすら出来なくなる。
自民党のマニュフェストだって民主党のそれと、方向性としてはそんなに大差のあるもんではなかったわけですから。
無理なものは無理、出来るものはできる。どっちがやったって結果的には同じような選択肢を選ぶと思うんですよ。
そのとき、自民も民主も関係なく

「最良の選択肢を両党挙げて模索しようではありませんか」

という大人の対応が出来ませんかねぇ?
それこそが政治改革であって、政権交代なんじゃねえかなぁと、素人的に思うんだけどな。

うん?あはははは、そうですね。38歳が書くような意見・文章じゃないね、小学生レベルの小論文だなこりゃ。
けどね、そういったシンプルな意見こそが真実なんじゃねえかなと、そう思うわけです。