昨日、会社の昼休みのとき、天気がよかったのでちょっとお散歩。
汗かいたので、公共施設の待合室でちょっくら涼んだあと、施設の外にある喫煙スペースでタバコを吸っていました。
当初、そのスペースには私と、日によく焼けた警備員の制服を着た女性がいました。
お互い、相手の眼球にタバコの先端を押し付けるタイミングをはかっていたのですが、
そこに1人の青年が分け入ってきました。
年のころは、そうですねぇ25歳前後といったところでしょうか。
外見は黒ぶちのめがねにTシャツ、七分丈のパンツにサンダル履き。
なつかしの電波少年に出てたチューヤンを、ものっすごくガッカリさせた感じです。
まぁといっても外見上は取り立てて変わった感じではありません。
その青年は、生気なく私の前を通り、警備員女性の傍にある灰皿に。
そして力なく灰皿のふたを開け、中を物色し始めました。
「おんやぁ?落し物でもしたのかしらん?」
と思っていたら、彼は長めの吸殻を取り出し、遠くを見ながらそれを吸い始めました。
・・・そうはみえませんがその青年、どうやらホームレスかそれに近い存在のようです。
はいここで問題。
右翼・ヤクザと名高いこの石井は、どんな行動をとったでしょうか?
①「馬鹿モン!いい若いモンがなにをイジけとるか!」と叱咤した
②「このルンペンが!どっかいけ!」と罵倒した
③無言で蹴り飛ばした
④その光景に気をとられた警備員女性の一瞬の隙を突いて眼球を焦がした
⑤そして警備員女性との間に、奇妙な感情が芽生えた
⑥それが愛だと気付くのに、時間や言葉は必要なかった
正解は・・・って上の中から選べなんて一言もいってませんが?
いくら無茶なことする私でもいきなりそんなことはしませんって。
とりあえず自分のポケットの中のタバコを取り出し、
10本以上中身がはいっているのを確認して
「ほれ」
と、そいつにくれてやりました。
そいつは私の差し出したタバコを、無言で小さく会釈しながら受け取り、
パッケージをしげしげと眺めました。
・・・ぁんだよ、文句あんのか・・・いいじゃねえかメンソール吸ってても!
いいじゃねえか!キャメルのナッティメンソールだよ文句あんのかコラ!
パッケージが可愛いんだよ!ジャケ買いだよジャケ買い!
と思いながらそいつの様子を見る。
結局、そいつは礼も何も言わなかったので、結局声は聞けずじまいでした。
実は、そういったことをするのは今回が初めてではありません。
以前からホームレスのオッサンがタバコを物色しているのをみては自分のをくれてやってます。
まぁ、あんましそういった光景を目にすることも無いので、せいぜい10回程度ですが。
たいがいのオッサンは嬉しそうに
「ありがとな!あんちゃん!」
といって震える手で火をつけ始めるのですが、彼はそういったことはありませんでした。
最後まで生気のない表情のまま。
彼は一体どうしてそうなってしまったんでしょうか。
その後、職場に戻ってからも、その過去と今後が浮かんできました。
いや、実は私の友人の中に、西成でホームレスやってた奴がいるんですよ。
その後、大阪のホストクラブの店長に拾われて社会復帰し、
広島ヤクザの幹部の舎弟になって戻ってきて、
今は焼き鳥屋のオーナー店長やってますけど。
奴にホームレスになった理由は聞いたこともありませんけどね、聞く必要も無いし。
なんにしてもね、そいつはハングリーで強い。
そして自分の欲求とか感情にストレートでありながら、人には物凄く優しい。
やはりどん底を味わった人間は、人間に幅があります。
しかし、昨日出会ったたメガネ君から、そういったエネルギーは一切見えてきませんでした。
オーラが見えないんですよ、全く。虚無です。
美輪「え、そこに人間?いないわよ」
空気がそこだけ無いような感じ。
なんだろう?おそらく耐えられないほどつらいことがあって、
自分の社会から逃げてきたんでしょうね。
そして自分という存在を、彼自身の中で無くそうとしているからそうなっているんでしょう。
他人が聞いたら「そんなことで?」と思うような理由なんでしょうけどね、大概は。
しかし当の本人にとっては、下手をすると自ら命を絶たなければならないほどの問題だったりします。
けどね、私の友人の例を見てもわかるように、そういった経験をした奴が立ち直り、
社会復帰すると強いわけですよ。
その理由が、今日わかったような気がします。
一旦自分という存在を無にし、空虚にし、そしてブラックホールのような状態まで落ちてしまうんですね。
そうなったあとで、自分を再構築するチャンスにめぐり合えれば、
ブラックホール状になった自分に新たな世界観が一気に吸収されていくんだろうな、と。
要は「悟り」の世界だね、これは。
無常とかなんとかっていう概念、要はルンペンの思想と大して変わりないということです。
俗世から離れて宗教の世界に入るのも、ルンペンやるのも実はそんなに変わりないっちゅうことですね。
だから最終解脱を果たした(と思い込んでる)尊師の風貌は、類まれなるルンペン風なのも頷けるわけですね。
しかし、宗教的な観点であくまで人の考えた思想によって植え込まれた観念よりも、
自分の中で種を作り育て出来あがった観念のほうが強いはず。
今、ネットカフェ難民とかいって、ホームレス的な人口が増殖中です。
また、社会のスピードについていけなかったり、社会の悪い落とし穴に落ち
、社会からドロップアウトした人も多くいます。
そういって時代にとりのこされた人達は、逆に地に足をつけるチャンスを得ているのかもしれません。
足がついていないのに気付かないでいるよりは、むしろその方が人間らしいとも思うのです。
明日、また散歩してみよう。
で、もしそいつがいたら、今度はちょっとだけでも話をしてみよう。
そいつを救ってやりたいなんて思いは全くといっていいほど無いし、そんなことも出来ないけどね。
もしかしたら私にとっても、彼にとっても、なんらかのきっかけになるかもしれないから。
ってここまで書いて、単なる密入国者とか不法残留外国人とかだったらサッブいなぁ・・・
日本をパラダイスと勘違いしてんじゃねえぞ馬鹿野郎!
汗かいたので、公共施設の待合室でちょっくら涼んだあと、施設の外にある喫煙スペースでタバコを吸っていました。
当初、そのスペースには私と、日によく焼けた警備員の制服を着た女性がいました。
お互い、相手の眼球にタバコの先端を押し付けるタイミングをはかっていたのですが、
そこに1人の青年が分け入ってきました。
年のころは、そうですねぇ25歳前後といったところでしょうか。
外見は黒ぶちのめがねにTシャツ、七分丈のパンツにサンダル履き。
なつかしの電波少年に出てたチューヤンを、ものっすごくガッカリさせた感じです。
まぁといっても外見上は取り立てて変わった感じではありません。
その青年は、生気なく私の前を通り、警備員女性の傍にある灰皿に。
そして力なく灰皿のふたを開け、中を物色し始めました。
「おんやぁ?落し物でもしたのかしらん?」
と思っていたら、彼は長めの吸殻を取り出し、遠くを見ながらそれを吸い始めました。
・・・そうはみえませんがその青年、どうやらホームレスかそれに近い存在のようです。
はいここで問題。
右翼・ヤクザと名高いこの石井は、どんな行動をとったでしょうか?
①「馬鹿モン!いい若いモンがなにをイジけとるか!」と叱咤した
②「このルンペンが!どっかいけ!」と罵倒した
③無言で蹴り飛ばした
④その光景に気をとられた警備員女性の一瞬の隙を突いて眼球を焦がした
⑤そして警備員女性との間に、奇妙な感情が芽生えた
⑥それが愛だと気付くのに、時間や言葉は必要なかった
正解は・・・って上の中から選べなんて一言もいってませんが?
いくら無茶なことする私でもいきなりそんなことはしませんって。
とりあえず自分のポケットの中のタバコを取り出し、
10本以上中身がはいっているのを確認して
「ほれ」
と、そいつにくれてやりました。
そいつは私の差し出したタバコを、無言で小さく会釈しながら受け取り、
パッケージをしげしげと眺めました。
・・・ぁんだよ、文句あんのか・・・いいじゃねえかメンソール吸ってても!
いいじゃねえか!キャメルのナッティメンソールだよ文句あんのかコラ!
パッケージが可愛いんだよ!ジャケ買いだよジャケ買い!
と思いながらそいつの様子を見る。
結局、そいつは礼も何も言わなかったので、結局声は聞けずじまいでした。
実は、そういったことをするのは今回が初めてではありません。
以前からホームレスのオッサンがタバコを物色しているのをみては自分のをくれてやってます。
まぁ、あんましそういった光景を目にすることも無いので、せいぜい10回程度ですが。
たいがいのオッサンは嬉しそうに
「ありがとな!あんちゃん!」
といって震える手で火をつけ始めるのですが、彼はそういったことはありませんでした。
最後まで生気のない表情のまま。
彼は一体どうしてそうなってしまったんでしょうか。
その後、職場に戻ってからも、その過去と今後が浮かんできました。
いや、実は私の友人の中に、西成でホームレスやってた奴がいるんですよ。
その後、大阪のホストクラブの店長に拾われて社会復帰し、
広島ヤクザの幹部の舎弟になって戻ってきて、
今は焼き鳥屋のオーナー店長やってますけど。
奴にホームレスになった理由は聞いたこともありませんけどね、聞く必要も無いし。
なんにしてもね、そいつはハングリーで強い。
そして自分の欲求とか感情にストレートでありながら、人には物凄く優しい。
やはりどん底を味わった人間は、人間に幅があります。
しかし、昨日出会ったたメガネ君から、そういったエネルギーは一切見えてきませんでした。
オーラが見えないんですよ、全く。虚無です。
美輪「え、そこに人間?いないわよ」
空気がそこだけ無いような感じ。
なんだろう?おそらく耐えられないほどつらいことがあって、
自分の社会から逃げてきたんでしょうね。
そして自分という存在を、彼自身の中で無くそうとしているからそうなっているんでしょう。
他人が聞いたら「そんなことで?」と思うような理由なんでしょうけどね、大概は。
しかし当の本人にとっては、下手をすると自ら命を絶たなければならないほどの問題だったりします。
けどね、私の友人の例を見てもわかるように、そういった経験をした奴が立ち直り、
社会復帰すると強いわけですよ。
その理由が、今日わかったような気がします。
一旦自分という存在を無にし、空虚にし、そしてブラックホールのような状態まで落ちてしまうんですね。
そうなったあとで、自分を再構築するチャンスにめぐり合えれば、
ブラックホール状になった自分に新たな世界観が一気に吸収されていくんだろうな、と。
要は「悟り」の世界だね、これは。
無常とかなんとかっていう概念、要はルンペンの思想と大して変わりないということです。
俗世から離れて宗教の世界に入るのも、ルンペンやるのも実はそんなに変わりないっちゅうことですね。
だから最終解脱を果たした(と思い込んでる)尊師の風貌は、類まれなるルンペン風なのも頷けるわけですね。
しかし、宗教的な観点であくまで人の考えた思想によって植え込まれた観念よりも、
自分の中で種を作り育て出来あがった観念のほうが強いはず。
今、ネットカフェ難民とかいって、ホームレス的な人口が増殖中です。
また、社会のスピードについていけなかったり、社会の悪い落とし穴に落ち
、社会からドロップアウトした人も多くいます。
そういって時代にとりのこされた人達は、逆に地に足をつけるチャンスを得ているのかもしれません。
足がついていないのに気付かないでいるよりは、むしろその方が人間らしいとも思うのです。
明日、また散歩してみよう。
で、もしそいつがいたら、今度はちょっとだけでも話をしてみよう。
そいつを救ってやりたいなんて思いは全くといっていいほど無いし、そんなことも出来ないけどね。
もしかしたら私にとっても、彼にとっても、なんらかのきっかけになるかもしれないから。
ってここまで書いて、単なる密入国者とか不法残留外国人とかだったらサッブいなぁ・・・
日本をパラダイスと勘違いしてんじゃねえぞ馬鹿野郎!