コージはあずさを愛している/Koji Loves Azusa

小説「On The Road Part2 & 3」とリック連作
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7-11 コージ

2010年08月05日 07時00分00秒 | KojiLovesAzusa第7章
 左手がミョーに自由で、駐車場まで歩くあいだに僕はあずにもらったおみやげを左手に持ち替えた。家に着くころには暗くなっていて、ヨシユキさんもユリナちゃんもいないマンションに一人でいるとは思えないから、アネキがきっと家に来ている。

 今夜のうちに、あずと結婚するって言おう。先送りにすると時機を失いそうだ。お酒を飲んだほうが言いやすそうだけど、酔うまえに言いたい。

 お酒を買って帰ったほうがいいか家に電話したら、出たのはやっぱりアネキだった。「お父さんがお祝いだって言ってお酒用意してあるわよ。早く帰ってきなさい」
 アネキには婚約者だってあずを紹介したんだっけ。アネキはおしゃべりだから、僕がお父さんに報告しなくても家族全員が僕とあずの婚約を知っているにちがいない。

 1日乗っていなかった車のドアをあけて、エンジンをかけた。車幅灯をつけてギアを入れてアクセルを踏む。「行くよ」助手席にあずはいないのはわかっているのに、僕はあずに言った。

 ラジオからゴールデンウィークの渋滞を伝える交通情報が聞こえる。観光地からはずれている僕の帰り道は、事故もなく順調なようだ。


コージはあずさを愛している/Koji Loves Azusa -完-

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1 コメント

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ご愛読ありがとうございました (あずさ)
2010-08-05 13:46:11
コージ君からメッセージがあると思うけど、一応、私達の初めての1泊旅行の話はこれで終わりです。
暑いなんてもんじゃない暑さですが、体調管理は万全に。よい夏をお過ごしください。
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