黄金色の日々(書庫)

海外ミドルエイジ俳優に萌えたり愛でたりするブログ

老いと伝承

2017-06-07 22:56:33 | 映画雑記
ローガン2回目行きました。見落としや勘違いの部分もあったので、感想を少し修正。一発書きだとアラだらけだ(^^;

老々介護が痛ましいとか聞きましたが、病んではいてもまだまだ普通の人よりは力が断然あるので、ローガン鏡はしても老々じゃないですよ。まあ病老介護も大変だが…。
あの病状は究極の金属アレルギーなんですよね。私も亜鉛メッキやニッケルのものはできない金属アレルギー(シルバーやゴールドは大丈夫) これもまた社会問題入れてるね。インプラントもアレルギーになりにくいチタンだというけど、人の身体に長期間ある金属が、何十年単位でどう作用するかはわからないよ。
ローガンは生まれながらにヒーリングファクターというミュータントの特性があるので、もしアダマンチウムを取り除くことが出来たら、刀は無くなって骨の爪になってもまた蘇れたはずですよね。ああなってから抜ける技術があるのか、手術できる人がいるのかは難しいだろうが。

チャールズの症状はアルツハイマーの初期ですが、あのたぐいまれなテレパス能力は、脳だけから出てるんですかね。それならテレパスそのものの質も変わる気もするが。脳も様々な部位があってまだまだ謎も多い。
私の母はパーキンソン病で十数年寝たきりだったんですが、あれは神経の病でドーパミンが出なくなる。お任せできる施設にいたけれど、クスリに関してはやはり副作用もあるので、医者と私が定期的に相談してました。だからローガンの葛藤も、チャールズの自分への懸念も、身に染みたわ。
けれど私が老いや病、死に関して割と腹が座っているのは、母と対峙した年月のおかげ。同世代の友人より二足ほど早く学ばせてもらった。恐れて生きるより、今ある生を精一杯生きることを。

二人の船での生活も、そう長くは持たなかったと思う。ローガンはチャールズを看取ってから、自然にまかせて死を迎えるつもりだったんだろう。自殺はしない。けれどあの肉体を持つ意味はもう失われていた。出会った次世代を継ぐ“娘”を守って逝けたことは、チャールズも共に鮮やかな逝き様だった。
ローガンとチャールズは太陽号に乗り、懐かしい人たちのところに向かったんだと思ってる。

アメコミ世界のキャラクターは生死を繰り返し、それこそ無限ループを描いてる。映画で演じる俳優は歳をとるが、リプリートで若いキャストにバトンタッチする。そうして夢や希望をつないでいくけれど、そこには老いや安らぎの終焉はない。
アカデミー賞を受賞したコーエン兄弟の『ノー・カントリー』は、原題『No Country for Old Men』 老いた者は居場所がない国。その国のコミックワールドで、老いと死を描き、有名なキャラクターに一つの締めを与えたことは画期的。

ロードムービーでもあり、子から親への伝承の物語でもある。私の大好きなテーマだった。


ひとつ突っ込み入れとくと、飲酒タクシー運ちゃんはいかんよ(笑)

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