別館 兄弟仁義

超常現象ドラマの兄弟愛と家族愛をうっとおしくつつくブログ

スーパーナチュラル シーズン14 そぞろ感想14

2021-03-29 22:32:20 | シーズン14

第14話 ゴルゴンの蛇

これまでのSPN。マラクの箱の件の深刻さ。ジャックの魂の件のおさらい。
ヤバさしかない。
美味しそうな料理を作ってる男。でもメイン食材は人体💦 観音開き…。
死体の目玉を食べると、兄弟がやってくる様子が見える。相棒の大蛇を首に巻いてさっさと逃走。
目玉を食すと予知ができるらしい。出る時は料理の火は止めましょう。
兄弟とキャス&ジャック到着。ロウィーナも助っ人で駆り出されてる。犯人をしばらく前から追っているが、逃げられ続けてる。
ジャックが咳をひとつすると、父親ズそろってピキッと凝視。
「胡椒でむせただけ。死にかけてない」 パパが三人もいると大変ね。
残っていた蛇の抜け殻。チームに分かれて行動することに。 

サムとロウィーナは調査。ジャックの様子を気にするロウィーナ。てか、彼女に来てもらったのにその後は連絡してなかったのか。いつものことだがな…。
「ディーンだから大丈夫」 弟の絶対的な信頼感を兄は裏切れない。サムも自分の過剰な信頼も自覚してるけど、兄貴が壊れることだけは耐えられないんだよね。
ディーンとキャスはダイナーでしみじみ話。二人に調べさせて飯食いに来たかに見えて、ディーンを休ませるため。 
兄はギリギリでミカエルを抑えているが、かなり苦しい状態。気を抜けないし寝れない。キャスは心配しまくり。
ジャックは洗面所で血を吐いてしまう。パパズの心配は当たってた。治すのに力を使ってるよ…。
棺の件、ジャックの件、ヤバさしかない(2回目)
調査部ふたりによれば、男はゴルゴン。メデゥーサと混ざる兄(私も) 「タイタンの戦い」で知ってた兄。 

トラック運ちゃんを狙うゴルゴン。色仕掛け。ゴルゴンのキスは蛇の毒。相手をしびれさせ動けなくする。
今回は食材ではなく、ディーンにお手紙渡したいからだった。人外に好まれる兄定番。
兄弟の動向を予知してるので、追っても無駄だという内容。ロウィーナも含む。だがそこにはキャスとジャックのことは書かれておらず。どういう理由かわからんが、天使のことは予知で見えないらしい(ご都合)
「天使じゃない!」 ジャックご立腹。人間でいたいなら力は使うでない…。
天使と半分天使小僧が先陣を切るため、ロウィーナが蛇の毒への解毒剤を作る。そのためには蛇の血清が必要。

動物病院の受付に、ワンコを抱いて取り乱した夫婦来訪。犬の様子がおかしい原因を互いになすりつけ合う。奥さんの方がだいぶ年上。
ロウィーナの発案w しかし動物病院と犬ってサムにはアレでは(^^; さすがにロウィーナでもそれは知らないだろうが、サムの嫌がりぶりは夫婦小芝居だけではないのでは。
ワンコはロウィーナの魔法でジャックでした。て! 抱いてたよね? 一時的にも本当に犬にできたの?! 
検温されたジャック君。むろん犬の検温は後ろからです。
蛇の血清はゲット。
ジャックに強力な魔法がかかってることに気づくロウィーナ。気をつけてるからと流すサム。
こういう時にサムって言うこと聞かない。ヤバいと気づいてるのに、ロウィーナの方が超専門家なのもわかっててな。
そういうとこだぞ…。 

バンカーでは、対ゴルゴン策を調べたマギーがサムに報告。銀のナイフで首を切り落とせば死ぬ。
すっかりサブリーダーで仕切ってるよマギー。フラグ…。
新たな犠牲者のおじさんを椅子に縛りつけていたぶってるゴルゴンのノア。そこに乗り込むキャスとジャック。キャスがおじさんに解毒剤を与えてる間、見張りのジャック。しかしノアはジャックの未来が見えると言う。
ん? 自分を追ってくる相手が見える予知と、人の未来を見る予知って同じか?(^^;
とにかくジャックは、「メンドリか黒蛇かわからない」そうだ。意味いまいち謎だが明らかに不吉。
ノアは結構動きも機敏。「タイタンの戦い」に出たらどうだ。キャスが頬にキスされ、しびれて動けなくなる。
だからさ、いくら古代の神の毒とはいえ、天使に毒って有効なのか。キャスだからか(それな)
兄弟が飛び込んでくるが、どちらも吹っ飛ばす割と強いノア。
ディーンの頭を壁に何度もぶつけ…。ついに頭部殴打担当サムの掟が破られた。
いや、それどころじゃない(^^; 兄の頭はただ今超自粛案件(シャレにならん)
とっとと出ていこうとするノアを、隣の部屋からジャックがスパッと首ちょんぱ。あっけなし。 

毒は有効なのに、解毒剤が利かないキャス。ジャックはパワーを使いキャスを癒す。
ディーンは昏睡状態でバンカーに運ばれ、またも僕が治すというジャックの申し出は退けられて、いじけて部屋にこもる。
ジャックが魂を使った強力な魔法により復活したことを気付いたロウィーナと、おろおろ兄を看てるサム。
ディーンが死ぬなんて耐えられない、三人を失うなんて考えられないと言うジャック。
ミカエルを殺るためにはディーンの犠牲もやむおえなしと言ってたことあったよな?(^^;
人間の命のはかなさ、今ここで共にいられること、愛の尊さを説くキャス。こういう時のキャスはまことに良き父なんだけど、青少年にして巨大な力を持つジャックには完全には伝わらないんだよね…。 

起きたディーンは錯乱状態で大暴れ。ミカエルが消えた!
阿鼻叫喚が聞こえて4人が駆けつけた先には、異次元からの新米ハンターたちの死体と、サムに駆け寄ってくるマギー。
サムの目の前で、眼から焼かれて死にました。ひどい…。
現れたのはなんと、ロウィーナに入ったミカエル。
ミカエルにイエスと言った経由を話すが、いまいち納得いかんなこれ。いちどころか、いま5ぐらい。
いっぺんに殺さず一人ずつ楽しみながら殺すというのは、演出上の都合でありながらルシファーとかと変わらんのでもうそのパターンやめよ。
兄弟とキャスをいたぶるミカエル。やっぱジャックには効かない。ジャックは反撃に出る。
今のパワーで私にかなうわけはないとあざ笑うミカエルだが、そうでもないぞ。
この子、怒らしたらあかん…。
ジャックは禁を破りフルパワー、ロウィーナからミカエルを取り出し、その恩寵を吸いこむ。
唖然とする3パパ。ディーン「ジャック…?」
「元の僕だ」 黄金に光る瞳と大きな羽の影。

 

そうとうやっつけたなという感想です

やっつけ仕事という意味じゃないんだけどね。いや、やっつけた展開ではある。
ものすごいブーイングが出たらしい。それはまず、ミカディーンのあっけない終わり。
そして兄弟もキャスも実質いいとこ無しで、ジャックが全部さらったところ。
バンカー借りぐらしだったみなさんと、マギーの最後。
ロウィーナに憑依するミカエルという、結構な無茶振り。
などなど。 

まずメタな全体目線で見ると、全20話という、3話分の減りは結構デカいんだなということ。
たかが3話、されど3話。
今回のエピは、本当なら2話かに分けて作るべき話でしたね。ゴルゴンのエピだけで1話。ラストはジャックへの不吉な予言で終わり。次の回で兄の脳内でのミカエルとの対決、パワーでディーンを治したがるジャック、止めるサムとキャス。ディーンとジャック両方を気にするロウィーナ。
それぞれの葛藤が佳境に入って、最終的に兄を振り切って出てきたミカエルをロウィーナが受け入れる流れができて、その他の皆さんももうちっとマシな死にざまを迎えられたのではと。
それを1話に詰め込んだがために、どこもかしこも半端で唐突。正直ラストの怒涛の有様で、サムとロウィーナの夫婦芝居とジャックわんこのお笑いも吹っ飛んだし、気の毒にもゴルゴンさん忘れさられたわ(^^; 

むろん全20話になることはシーズンの始まりに予定されてたので、途中でカットされたわけじゃない。それを見据えての説得力のある脚本と展開が用意できないのは、ショーランナーと脚本家陣の力量不足とは言える。
それでも、23話あっても、3分の2が過ぎたあたりから押せ押せになるのは毎度のパターン。 

ひとつずつ見て行きましょう(笑)
まずはもっとも怒りの声が上がってた、あの麗しいミカ・ディーンのあっけない退場。兄との対決もなく、半分天使の小僧がもってく!?というところ。
ジャックいいキャラだし、アレクも人気上昇してるけど、それとこれとは別問題。
というおおかたのご意見には、私はあー、乗りません。
このブログ読んでる人はご存知と思うが、わたしゃスパナチュの大天使アレルギーだからさ

たとえどんなに見かけがカッコ良くても、シーズン12の異次元ミカエルが中身でしょ。ぜんぜん期待してなかった。
その昔、サムに入った白シャツルシファーなんて、その後どうやってもああはならないキャラがいましたが(笑) 大天使が入った兄弟のキャラは、わたし的には掘り下げるまでもない。
だって中身が違うんだから。
むしろ、悪魔の血に左右されていたサムとか、デーモンディーンの方が深かった。本人たちの闇が見えたからね。 

だいたいが、脳内の仮想バーの倉庫に大天使入れとけるという設定自体が、キャスが「想像もつかない」と言った以上に無理矢理(笑) 寝れないって言ってたが、まったく寝てなかったら死ぬ。
これもシーズン7で幻覚のルシファーに悩まされて寝れずにいたサムと同じ。
少しでも寝てる間はミカエルどうしてる。倉庫の酒喰らってるのか。 

ディーンVSミカ・ディーンの夢の対決を期待した人の肩透かしぶりは大変だったんだろうが、ロッキーズバーでのプチ肉弾戦で精一杯だったと思うね。
よく引き合いに出すシーズン3、ディーンが夢の中で悪魔化した黒い眼の自分と会話するシーンを越えるものはないと思う。あれは本当にぞくっとした。本人の中の善と悪のせめぎ合いは深い。乗っ取られ状態の器とは違う。
異次元ミカエルの内面がやっぱりアダルトチャイルドだと明かされた時点で、もうあのような深淵を見せるような展開は無理でしたよ。 

私は日本版DVD組だから、放映中にショーランナーとかが展開をどう匂わせてたのかは知らない。ミカエル・ディーンをメインにすると明言してたのなら、確かに肩透かしだったろう。
でもジャックが一度死んで、魂を担保に生き返った展開がシーズンの始めに用意されたから、私はこのシーズンのメインはそっちだと確信してた。ミカエルもニックも、ジャックの問題を際立たせるためのお膳立てでしかないんじゃないかという。
その予感は、本当は当たってほしくはなかったんだがね…。 

前回の感動の300回記念を越えて、この14話からラスト20話までは、暗転に次ぐ暗転に向かう。
正直、見るのも書くのもつらい。笑える話とかもあるんだけどね。 

兄弟が活躍してこそのSPNなのに、器になってたディーンすら手も出せず、サムとキャスも同じくなすすべもなく、若き獅子・・・っちゃあいいが、半分天使というか爆弾小僧のジャックがゴルゴンもミカエルも片づけた。そりゃあ兄弟びいきには面白くはない。
私はそんなでもない(笑) あくまでつむじ曲がりw
魂が減ってるジャックがミカエルの恩寵を吸収して、元のもしくはそれ以上のパワーを宿したことがどれだけの脅威になっていくのか。その流れがメインだとハッキリした。
そのために、毒は効くのに解毒剤が利かないという相も変わらずのポンチな設定にされるキャス(^^;
タール野郎(虚無)が幸福の絶頂で迎えに来ると言ってたんだから、ゴルゴンにチューされてしびれてるのが幸せとは思えないんで、ほっといても良かったんだけどね(笑) 

それにビリーの預言もな。ミカエルがこの世界を滅ぼすことを止められるのは、兄がマラクの箱に入ることだけ…っていう深刻な事態も吹っ飛ばしたよ! ビリー、出てきて何か言ってや!
まあこれすらフォローという名のうがったみかたをすれば、その予言すら突き破るのがネフィリムのジャックで、吉と出るか凶と出るかわからない未知数の存在という設定。でもどう考えても黒蛇方向だよ…。
これはアレクが上手いせいもあるんだが、ニコッと邪気のない笑顔の時は可愛いんだが、自信に溢れて満足してる時の笑みはそら恐ろしいんだよね。 

私は天使と悪魔の話は前シーズンで終了したと思ってる。クラウリーの退場でアスモデウスなどという透かしっ〇が出たけど、その後地獄は出てこない。
天界では天使がほとんどいなくなった。むしろミカエルはこちらの地上で怪物とか人間とかにこまめにコンタクトしてないで、人手のない天界で君臨すりゃ良かったんでは? そりゃ神の仕事をそのまま受け継ぐ気もないし、「くさったせかいをしゅくせいする!」というチートなお題目の裏に、父の書き損じを破いてやるという復讐心だったんで地上にこだわってたけどさ。
他に天使が出てこないこちらで(キャスは勘定に入れてない)、大天使様だーとえばって見せても、あんまりたいした展開にならない。それもミカエルが活躍しないのではという予想の中に入ってた。

異次元ミカは面食いでオシャレさんだったよね。向こうでの黒人男性も、一時的に器にしたセレブ女性も綺麗なお顔だった。あっちでルシに、「マカロニウエスタンか?」と言われてたけど、似合うからあの格好してたんでしょ。セレブ女性は元々ドレスアップしてるし、ディーンに入ったらレトロなコート、三つ揃いにハンチング。似合う服装しないと嫌みたいね。
天界が嫌ならこちらではファッション業界で君臨するという手もあったぞ。アシスタントにアナエル(笑)

ミカエルとジャックは異次元では因縁の中だったから、ジャックにカタをつけさせるのも良かったと思うし、恩寵頂くというおまけもあったわけだ…。恩寵はバッテリーだから別に性格がミカエル化しないよ。それならキャスは、何度も他の天使の性格になっとる。 

仮の器がロウィーナになった件は、かなり強引。これから先に行きつくサムとロウィーナの運命に、二人を絡めるのはいいんだけどね。イエスと言わす条件に「生かしておく」が使えなかったことはニヤった。いくらミカエルが脅しても、ロウィーナの生死はサムに委ねられてる。
だがどうせ皆殺しにすることを予想してながらも、イエスというとは?? 自分はサムにより死ぬ運命で、それなら自分が死なない限りサムも生きてることになる。サムが生きてりゃディーンも、キャスもジャックも大丈夫だろうと計算したとか??
はい、いま5ぐらいわかりません。 

だけど。
クライマックスのジャックの宣言に、胸を突かれた。
「子供じゃない。ルシファーの息子であり、ハンターで、ウィンチェスターの一人だ」


生まれてから数年にして、一度死んで蘇り、そして彼は子供時代を抜けようとしてる。
未知数の力と浅い経験値しかないけれど、自分が何者であるか自覚し、自分で決めたんだよ。 

人間であることにこだわるのは、二人の養父の影響も強いが、母親ケリーへの想いもある。
その彼がついに、魔王の息子であることも公言した。大天使にして魔王であるものの力を受け継いだからこそのパワーだということを自覚したのか。
彼のパワーの発揮はある面では実父ゆずりでもある。
ルシファーは怒りが原動力で、怒ると消えていたパワーが蘇った。
ジャックはただの怒りではなく、自分の家族、大事な者たちを傷つけられようとする際に限界値を越えて力が発揮する。
シーズン13の最終話でも見せた、人ならざる者の力を発揮したあとの、彼の満足気な様子の恐ろしさ。
ジャック自身も、自分を「鶏か黒蛇か」危ぶんでいる。そして。

ウィンチェスターであること。それは家族を愛し、家族の犠牲になり、家族をなんとしても守り、そして家族を傷つけることを選ぶということ
ジャックはそれを選んでしまった

シーズン14のミカエル騒動はフェイクであり、どう転ぶかわからないジャックこそがメイン。ヒーローか悪かわからないことが、不吉な色合いを濃くしている。
兄弟の悪魔化や天使化、対悪魔、対天使のネタはもう尽きており、このシーズンで兄弟が取り組んだのは。

途方もない光と闇の子育て 愛情がどう転ぶかわからない

むろんそこにキャスも加わる。キャスは天使という立場で、兄弟とは違う視点にも立たざるを得ない。
兄弟がいなくなった後も、自分がジャックを見守り続け、導かなくてはならないという使命感。
ジャックに対する話し方や、パワーを使った時の心痛ぶりは、兄弟よりはるかに切実で、見ていて苦しくなるほど感情が溢れてるんだよね。
これも先行き、問題になる。
メアリーが実の息子たちとともに、新しい息子であり、孫でもあるジャックから手が離れて、自然にフェイドアウトしていく感じも見えていた。
前回ジョンと再会し、兄弟はついに両親二人との問題が解消されたんだよね。次は自分たちが親の立場として、この大変な息子をどう扱っていくか。そしてファミリーものであるスパナチュに残されたのは、すべての元である“あの父”に向かう‥‥。 

マギーは可哀想だった。だけど彼女、前シーズン終わりからセミレギュラーになり結構出てたわりには、チャーリーやエイリーンほどにも食い込んでこなかったね。キャラ設定が深くなかったからか。異次元のチャーリーとボビーもメインから外れていったので、後釜は厳しかったか。他の皆さんは…もとより名前も設定もエピソード上では出ないモブキャラ扱いだったんで、いずれはああなる運命だった気もする。バンカーはずいぶん前から安住の地ではなかったが、またも血にまみれてしまった。 

兄弟が「敵をカッコよく倒す」姿が見たい。それはファンなら当然だけど、この流れではそこらの怪物が出る回以外は、もうそれがメインにはならない。
私はいずれ兄弟が教える側に回り、若い男子が後を継ぐストーリーもアリではと以前書いたことがある。それがまた、予想もつかないパターンで実現した。喜んでいいのか嘆いていいのか、それがスパナチュ。

なぜか前回よりも超長に(汗)

 


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