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別館 兄弟仁義

超常現象ドラマの兄弟愛と家族愛をうっとおしくつつくブログ

疲れ果てた息子たちよ、今は微笑むのだ

2016-08-11 10:12:27 | シーズン10
お久しぶりです。各話感想はとうてい無理ですが、記念すべき200話の感想を落としておきます。当然ネタバレです。

最高

人によっては少し物足りないと思ったらしい。ついに200回記念、もっと派手な立ち回りや出演者勢ぞろいを期待していたのかな。100回記念は結構エモーショナルでしたからね。
でもねー。そういうのはもう充分だよ。これまでにそういう回は嫌というほどあった(笑)
特に今回はシーズン10のまだ5話にあたり、デーモン・ディーン問題をサクッと3話で片付けたとはいえ(笑) S9から持ち越した緊張が続いてた。前回の第4話では、冒頭に兄弟が湖のほとりでグラサンかけて、デッキチェアでビールを飲むというサービスシーンがあれど、ストーリー的にもワークホリックにならざるを得ない二人はさっさとハンター業にカムバック。
相も変わらず問題を抱えつつ、彼ら的日常に戻りつつあるというところ。

英語タイトルの『Fan Fiction』にニヤリだが、日本語タイトルの『女子高生の課外授業』って、エロドラマかよ!
そして全シーズンのOPタイトル。特別バージョンも含め。S10のは逆五芒星なんだね。地獄と繋がり悪魔を呼び出すという。デーモン・ディーンを彷彿。

冒頭、兄が探してきた事件にサムは眉唾。それでも狩りに行くことにする二人。
「やるべき仕事がある」と言ってトランクを閉めるディーンと並んだサムのショットは、シーズン2のラストのオマージュだね。なつかしい!

高校の演劇部で照明係か。サムなら主役できそうだけどね。もう身長も高かっただろうし。
演じてみたい気持ちと、目立ちたくない気持ちが交差してたんだろう、複雑なお年頃のサム君。
そしてミュージカルには否定的な兄貴。だがちゃんと見に行ったってことだよね。父兄参観。ジョンパパは行ったんだろうか。

いきなり始まるミュージカル・スパナチュ。兄弟の驚愕の表情(笑) そら驚くわ。
ボビー役の子は結構ハマってるぞ。
「アンドリュー・フロイド・ウェーバーみたいなミュージカルは駄目だ」兄。間違ってる以前に、ロイド・ウェーバー知ってる方が意外。ってもALW御大はこういうミュージカルじゃないがよ。

ディーンとガチンコしたアジア系のメイブはサムを案内し、脚本&演出のマリーがディーンを案内。
いつものように「何か変な音はしなかった? たとえば…」と言い出すサムに、「たとえばこんな音?」と次々と怪奇効果音を鳴らすメイブ。スパナチュ部をやってんですぜ。動じませんよ。そしてスルーされるサムおじさん(^▽^)
50代俳優が本命の私から見れば、まだまだ兄弟およびJ2は若手です。でも女子高生から見れば、二人は充分おっさんなんだなあと、しみじみ時の流れを感じました(笑)
ディーンがメイブを「ちんちくりん」と呼ぶけれど、原語では『リトル・ミス・サンシャイン』
同タイトルの映画の女の子が、眼鏡をかけたぽっちゃりおちび。ディーンはほんと映画見てる。
マリー流スパナチュの二次創作ストーリーにしょっぱい顔の兄貴。特にBLがらみにげんなり。
チャックが執筆をやめた後の5年のいきさつを、超はしょって説明する。そして「これまで聞いた中で一番どんくさい筋」とマリーに一蹴される…。実際S6~9の方が荒唐無稽である。
弟とアメリアの件を、『サムは犬を轢いた』で要約する複雑な兄心。

ディーン役のシボーンはかつらを取るとブルネットで、サム役のマギーは長いブロンド。逆なのが洒落てる。
兄弟がインパラのそばで語り合うシーンを稽古する二人を見て、近すぎると指導入れるディーン。
いや実際のあんたたちの方が毎度極近でしょうが。
自覚の無さのおそろしさよ。
字幕じゃBM(boy’s melodrama)をbowel movement(便意を催す)と間違えるディーン。日本語も頭文字合わせた(笑) 吹き替えではキモ(肝)シーンが、“気持ち悪いシーン”に。
ディスティエルねえ(笑) 日本じゃディンキャスとか言いますよね。
ディーンスティエル、いやサスティエル、サムスティェル…?と考えるサムは腐男子でもなかろうにオタクのサガ。自分とキャスでいいのか(笑)
それにこのミュージカルも、『誇らしいじゃないか』と言いかけて、兄のおもいっくそ嫌な顔に「だよね」(毎度)と止める。やっぱりサムは英雄譚として扱ってもらえるのが嬉しいところがあって、ディーンは自分たちの人生は人様に誇れるもんじゃないと思ってる。

サム役の子もさらわれ、再び高校に戻る兄弟。タルパを疑うも、文芸の女神カリオペの仕業と判明。
太古の神はみんな人を喰うという設定は鉄板である。
カリオペを一発で覚えられない兄貴。吹き替え版では、「俺たちがカラオケ番長を退治してやる」とか言った(笑) 英語ではそんなこと言ってないが、東地節が毎度ハマっておかしいので好きv
女神をおびき出すために、マリー脚本のトンデモスパナチュ・ミュージカルはTHE SHOW MUST GO ON!

開演前の舞台裏。みんな今日だけはマリーのお芝居に付き合ってやれと、演説ぶつ兄貴。
ミュージカル嫌いなはずが、『レント』のセリフは空で言える。
今は無きあの土偶ペンダントが『サミュレット』で、演劇部の気合掛け声が『ゴースト・フェイサース』なのにやはりドン引きする兄弟。でも懐かしいぜ。
これはあくまでチャックがシーズン5ラストで執筆を止めたということになってるから。が、その割に変な粗もいくつか。「幽霊め、ウィンチェスターしてやる」と言ったディーン役の子のセリフも、サムがマリーたちに正体を明かした「僕はサム・ウィンチェスター。こっちは兄のディーン」も、チャックは小説では『ウィンチェスター』という苗字は出してない設定だったよね? サム&ディーン・ウィンチェスターがノベライズで広まっていたら、世間を騒がせては消えまた現れていた極悪兄弟と同じ名前だって騒ぎになるよ。
それにシーズン5までならミルズさんは一回だけの出演で、まだボビーとも兄弟とも親密じゃなかった。
メイブはジョディ・ミルズの代役と言ってたけど、どんなチョイ役だ。

あとこれは吹き替え版だけの間違いだけど、「スパナチュのテーマソングのカンザスの“伝承”をカバーしてる」というマリーのセリフ。英語では“テーマ曲”とは言ってない。クラッシックロックの名曲だからと言ってる。小説化してもドラマ化してるわけじゃないから、テーマ曲はないですぜ。 
それと、芝居の中にチャックがいないことに、マリーは書き手がナレーションするのは好きじゃないというのはいいとして、「メタトロンの『メタフィクション』は嫌いだった」 兄弟「俺も」
『メタフィクション』はシーズン9ですがな! シーズン5までの天使連にどこに入れんのよ!
マリーは「メタ・ストーリーは嫌い」と言ってる。メタ・ストーリーはメタトロンのストーリーじゃないよ。今回オタク&ファンガール(腐女子)用語が多くて、字幕訳者さんわからんかったな(笑)

始まる舞台。開演前いそいそと一番前に座った男、SPNオタクっぽい。
『ジョンとメアリーに新しい命が授かった』から始まるディーンのソロ。結構いい歌だ。ジョン役の子よりメアリー役の女の子の方が大きい。そしてノリノリのディーン(笑)
ディーン役のシボーンは歌も容姿もいいね。髭が手書きっぽい。サム役のマギーはさらわれて閉じ込められてたけど、先生よりデカいところがサム役ならではの体格。代役はマリー自身。みんな変なウィッグなのが逆にいい。高校の演劇部だから、完璧だと変。あとで特典見たら、背景も上手く作りすぎだったので、学生が作ったように下手にとダメ出し入ったらしい。
それとキャス役の子はゆるふわ系。ディーンを高速道路脇で一晩立ちんぼして待つS5のシーンで歌う。
可愛いし良い歌だけど、一部のキャスファンにはカスティエルってこういう健気な奴なのか。
あの頃のキャスはまだ大ボケの、一晩立ち尽くしてたって苦もなにもない天使野郎だったんだけどね。キャスはお人好しで善良だけど、戦闘派で頑固者でもある。W兄弟と親友だから(笑)

早速出てきた女神が操る案山子に、早速さらわれるサム。毎度。
マギーと演劇部の先生が押し込められていた地下の部屋にサムも放り込まれる。
カリオペさん、なかなか美しい。しかし言ってることからすると、彼女は脚本を書いたマリーではなく、物語の発端になったリアル兄弟を食べるつもりだった?(食べすぎです)
やはり古代の神@SPNは女子高生に本であたまカッ飛ばされて昏倒するのであった。
「これを食らえ!」とぶん殴るマギーは、サム役できなかったがサムを助けた(笑)

狭い舞台裏を弟と怪物探して駆け巡る兄。そしてマリーに襲い掛かった案山子に舞台中央を突っ切って飛びかかる。投げ飛ばされる。
女子高の舞台に飛ぶ186㎝成人男子。
『特別ゲスト 知り合いのプロのスタントマン』とでも後で説明したか。じゃないと、なんだあのイケメン大男はと言われただろうに。
マリーは果敢に案山子に木の杭を突き刺す。ちょうどその時サムはカリオペに杭を指して、どちらも爆発。
紫のドロドロ、リヴァイア・バーガーと同じか。なんでいつも紫なんだ。かぶった人たち、あとで取れたのか。
なぜ拍手(笑)
ディーン、マリーに「お辞儀しろサミー」って言ったよ!

マリーがサムとしてディーンを思い歌う“一粒の涙”は泣ける。
『完璧な兄。何の罪も犯していない』
『勇気と輝きをその心に秘めている』
歌と共に映し出されるディーンの完璧な横顔。
サムは拉致され、ディーンも油断なく怪物を待ち構えていて聞いてないようで、耳には入ってたんじゃないか。
第二部にはロボットもディーンの女装も入れたというマリーの妄想エネルギーはともかく、ファンの女の子は本人たちよりも兄弟の心情をわかってる。

メアリー役の子が歌いだす、『Carry On My Wayward Son』
泣けた…!
以前私もこのブログで私流の訳を載せてましたが、著作権法がうるさくなっているので下げました。
結構好評だったようでありがたい。愚息である自分に神からのメッセージが聞こえるというイメージのこの歌を、スパナチュ的に創作訳してました。でも今回の字幕では、父ジョンから息子たちへのメッセージとして訳してた!! ドラマでは元の歌詞のまま歌われていたので、完全に訳した人の二次創作バージョンです。これが良かったよ!!

“父を手本にしろなんて 毛頭言う気はない”
この先のシーズンに神自身がどう関わってこようが、結局兄弟にとっては神よりもジョン・ウィンチェスターからのメッセージこそが最も心に落ちる。自分たちを生み出し、ハンターという道の先達だった。二人のジョンへの感情は、もうずいぶん昇華されてきていて、それを話すシーンも他の回にあります。
そして歌うのはジョンだけでなく、メアリー、ボビー、そしてアダムと兄弟。キャスは今も二人とともにあり、今は亡き家族たちがディーンとサムに語りかけ歌う。アダムをキャス役の子がダブルで演じてたのもいい。
舞台袖で聞いている兄弟の、切なくも想いを馳せる表情に涙腺が崩壊しました。二人の目も潤んでた。

サムにお礼を言ってくれるメイブ。でも「髪を切ればディーンになれるよ」 メイブはディーン派。
「私の大好きな、自己犠牲のサム様なら♡」というマリーはサム派。互いに別のファンと組むのがいい味を出してた。
マリー、兄貴を『ディーン』って呼んだよ! 本物のディーンと認めたのか。
DVDのカットシーンで、マリーは両親が小さいころに他界して、里親をたらい回しにされたと話すシーンがある。実は苦労して人の心に敏感なマリー。でもそのシーンがなくても、彼女の聡明さは歌の歌詞に出てる。
そして『bitch』『jerk』兄貴とやったよ! きゃー久々! そして手作り感あふれるサミュレットをディーンに渡すマリー。
あのペンダントを兄が捨てたままなのが哀しいって人も多いんだよね。マリーの“サム”が再び兄に渡すところがミソ。こういうところとか、この回は非常に細かく長年のファンを思いやってくれてる。
それに対し、「これは効かなかった。お守りがなくても弟を思う気持ちは変わらない」って言った兄。
おおおお(嬉泣) 

インパラ内の兄弟キモシーンと、見つめるリアル兄弟のセリフがかぶる。そして手作りサミュレットをインパラにぶら下げる兄貴。微笑み合う兄弟。
このシーンをマリーが見たら、全然私の脚本以上じゃない!!って言うぜ!

そしてラスト、チャックが出てきたことで、彼が神だと決定しましたが。それは次のシーズンにあるそうなんでスルーします(笑)
彼も登場したことで、この回がシーズン5の『リアル・ゴーストバスターズ』と色々な面で対になってるのがわかった。
シーズン5のちょうどその前の回『異次元へのチャンネル』がスパナチュ・ベストエピソードとして大人気なのは知ってるし、私ももちろん好き。ロキがガブリエルだとわかり、ドクターセクシィ・ワールドとか、変なニッポンクイズ番組に飛ばされる兄弟の回ね。
『リアル・ゴーストバスターズ』は、第一回スパナチュコンベンションにベッキーがチャックの名前を騙って兄弟を呼び寄せてしまう話。これも息抜きドタバタストーリーだけど、こちらの方がもっと好きだった。
会場中コスプレ野郎ばかりの中で、特に似ても似つかぬ二人組のディーンとサムに、本物の兄弟が絡む。
お前らはボビーとルーファス役だと言われるのも、今回のマリーとメーブのセリフとかぶってる。
スパナチュとボーイズラブとかもこの回でもネタにした。

結局この二人も兄弟に協力して本物の子供の悪霊を退治するんだけど、別れる間際におデブの方がディーンに言う(本物とは思ってない)
「決まりきった毎日さ。でもサムとディーンになれば勇気が沸いてくる。もう一人じゃない。命を懸けても守りたい兄弟がいる。最高の人生じゃないか」

これを聞いて、ルシファー問題ですさんでいた兄貴の表情が変わる。「久しぶりにいい気分だよ」とサムに伝えるディーンの、嬉しそうな顔。
怪物がいることはわかっても、本当の闇は知らないままの一般人が兄弟を助け、さらには本当のウィンチェスター兄弟の真価を理解していて、それを伝えてくれる。そこも一緒。
それこそが、兄弟にとっては一番の救いでプレゼントじゃないか。兄弟を理解して友人になっても失われてゆく人々。でも一度の邂逅でたぶんもう会うことはないけれど、今も安全にどこかで暮らしている彼らが、兄弟の戦いと愛情を信じてくれている。
私がこの二つの回で一番好きなのがそこなんです。

カリオペの他は誰も死にも傷つきもしないのも良かった。たぶんみんな10代じゃないと思うけど、女子高生の彼女たちも良かった。マリー、黒縁眼鏡をはずすと目が大きくて可愛い。
“せーいびーんぐ ぴーぽー はーんてぃーんぐしーんぐ”のフレーズが自然に出てくる(笑)、200回記念エピソードは、兄弟と彼らを追い続けたファンの心を包む優しくてユーモアあふれるストーリーでした。




2 コメント

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200話! (とも)
2016-09-19 11:43:56
スパナチュファンとしては超新参者のクセに、またまた出てきてしまいました。

200話、私も感動しました!ストーリーも音楽も素晴らしかったですね。山吹さんの200話レビューを読みたいと思っていたので、嬉しかったです。ディーンとサムの今まで歩んできた辛く厳しい人生に対して、高校生たちが見せるRESPECTがいいですよね。本人たちより彼らを理解して、優しく包み込んでる感じで。
200話だけでなくシーズン10は総じて私も好きです。好きなんですが、私はディーンが周囲にいたぶられるのは大丈夫なのに、いたぶるのが苦手で(笑)、観ていて疲れました。
それから最終話の展開に、「はぁ!?」となりました。
あの展開は理解できなくて、山吹さんにわかりやすいレビューを書いていただきたいぐらいです。

これからも、気に入ったストーリーだけでも少しでもレビューを書いてくださると嬉しいです!
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いらっしゃいませ~ (山吹)
2016-09-21 23:43:58
とも様
新参とか関係ないですよー。離脱されていく古参ファンもいるので、新しいファンが盛り上げてくださらないと!
デーモン・ディーンは好きでした。楽しそうで、演じてるジェンも張り切ってました(笑) 雑魚悪魔はいいとして、人間の悪党やハンター仲間にも残酷になっていくカイン印が辛かったのかな? まああれはあれで、色々深読みできます(笑)

最終話も駄目でしたか? 突然の大風呂敷で次シーズンは、いつものクリフハンガーだなあと思ったけど…。ディーンが一瞬でもサムを殺そうと思ったことかしら?
ラストの展開だけレビューを書くのは、やはり難しいです(^^; シリーズ全体が絡んでくるんでねえ。
デーモン・ディーンとカイン印ディーンの心理については、たまにまとめたいなあとか思いますが(笑) 心身の余裕ができないとなかなか。

とりあえず、シーズン11BOXを見なきゃ(笑)
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