別館 兄弟仁義

超常現象ドラマの兄弟愛と家族愛をうっとおしくつつくブログ

遠くて近い彼らへ

2019-03-30 12:09:35 | スパナチュ雑感

新旧ファンの皆様、J2Mの発表の日からいかがお過ごしですか。
私はあとから、じわじわ来てます。
ふとした瞬間、すごく寂しくなる。私は「終わり」には慣れてるはずなのに。

ネット配信からのファンの人たちが、せめてもう何年か前にハマっていたら!と言ってるのを見かけました。
初期から見れて幸せだったけど、長年追い続けてきたファンは、ライフワークを失う気分もあるよね。
そして古参であるほど、スパナチュはサザエさんみたいなものかもしれない(笑)

平成も終わるのに例えが昭和。サザエさん見たことない人いるかな?(^^; スパナチュとは何光年もかけ離れてるけど、ようするに「ずーっと見続ける精神安定剤」のような役割があったと思う。
スーパー!ドラマTVで初放映した2007年からの付き合い。2009年に始めた映画ブログで、その頃シーズン4だった感想を書き始めました。映画の方を閉めるに際し、このブログに移行してます。

初期シーズンは次があるか綱渡りでハラハラしてたけど、当初続いても2シーズンが良いところと言われてたドラマが、思いがけない人気でついにシーズン5まで行きついた。誇らしい気持ちでしたよ。見てただけだが(笑) S6からは、本人たちによるスピンオフみたいな気持ちで見始めた。しかしセラ女史の采配は個人的に好みでなく、S7ではかなり気持ちが離れてました。視聴率も落ちたのがこの頃。

ところがどっこい、シーズンは更新された。古株のジェレミー・カーヴァーが召喚されてショーランナーとなったシーズン8~10は、ファンの神経を根こそぎ逆なでする大騒ぎになり、兄弟の深い亀裂とエモーショナルな元さや、人気キャラクターの無残な死、サムの昼メロストーリーと許せぬ兄のヴァンパイアへの浮気心(語弊)、天使憑依、カインの刻印、悪魔ディーンと物議を呼んだスリーシーズンに。

私は、人によってはボロクソに言われてるカーヴァ―さんの采配が好きでした。初期の設定を覆しまくる展開は気になったものの、激震与えて視聴者をどん底に叩き込み、そのまま離れるか、なんとかなるまで見続ける!にさせるかの、賭けのような手際は、私は喰らいつくタイプ(笑)
怒って離れたファンもいたと聞いたけど、視聴率的には上り坂に。彼が抜けたシーズン12からは落ち気味になってる。
私は総指揮になる人は鬼畜な方がいいと思ってます。クリプキも鬼でしたよ。最初の設定を作った人なので、文句はあまり来なかったでしょうが。
叩かれることも覚悟で、良くも悪くも衝撃を与えるくらいの展開ができないと、シリーズが長いほど厳しくなる。
スパナチュは熱烈な固定ファンの応援で続いたドラマではあるけれど、ファンの「こうあるべき」「ディーンは、サムはこういうキャラのはず!」も大事にはしてほしいが、聞きすぎてもドラマとしては止まってしまう。
大波を越えて終息に向かう。私はシーズン10で終わるのだと思ってました。終了の噂も飛び交ったし、10という区切りで200回記念も含まれてた。私だけでなく心の準備をしてた人も多かったんじゃないかな。

続行には驚いたけど、やはり嬉しいし見続けてました、でももしS10で終了してたら、今回のようなロスは感じなかったかもしれない。これも私だけじゃないと思います。なんとなくスパナチュはこれからもずっと続くんじゃないかという気持ちが、ファンの中に芽生え始めてた。

固定ファンをがっちり掴み、配信で新規ファンも増やしてるご長寿シリーズになり、初期とは比べ物にならぬCW(放送局)の好意的扱い。配給のワーナーも弱小ドラマのひとつとは見なくなってた。コミコンでのカンサスのライブが用意されたのもS10の後でしたね。
S11から特撮も金がかかったものになってきたらしい。人間ドラマしか見れないひとなんで、気づいてなかったが(^^ゞ
ジェンセンとジャレッドは名実ともにアメドラ界のセレブになり、ミーシャとシェパードさんの人気も不動に。
「二人が続ける限り、SPNは続く」とCWの社長が言ったので、きっとJ2はまだ続けてくれると何となく思い始めてた。
ネタは出尽くした感はみな持っていても、続けてくれると期待してた。
けれど、別れはそういう時に訪れるもの。

2015年に発行された「MOVIE STAR」誌のスーパーナチュラル10周年記念大特集号を読み返すと、この頃はまだ続ける気持ちを明言してる。けれど、体力的には年々厳しくなってるとも言っていた。アクションシーンをほとんど自分たちでやってるからと。シーズン1にあった二人のファイトシーンには、14~15時間かかったそう。たぶんディーンに化けたシェイプシフターとサムががっつり戦うシーンのことだろう。
今も同じなのか、少しはスタントマンに任せてるのかわからないが、想像以上に身体を使い、撮影は過酷なんだよね。
この時二人は共にまだ30代。ジェンセン37歳、ジャレッド33歳。4年後の今は41歳と37歳になる。
私の一番の星のヴィゴは還暦すぎてるし、あの人がLothでブレイクしたのは40歳のときですよ(笑) 俳優としてはまだまだ若いよJ2は。
でもアメドラの連続的過酷さと、集中して撮る映画は違う。なによりJ2はシーズンの間の休暇中も、ほとんどコンベンションに回ってる。望んだこととはいえ、14年間のほとんどの時間をスパナチュに捧げてた。

300回記念できっちり終わりたいと言ったのはジェンセンだったし(ファンの一斉NO!で伸びた)、2015年にはジャレッドが精神的疲労で倒れてる。
家族との時間を大事にしたいというのも、かなり前から言ってたよね。
共に三人の子宝に恵まれた二人。子供はあっという間に成長する。一緒に入れる時間は限られてる。長年の疲れも出てきてる。
永遠に続くドラマはない。クオリティが落ちて打ち切りの事態に陥る前に、人気が高いうちの勇退を決断したんだね。

ショックを受けてるのはファンだけじゃない。彼らの決断は数多くのクルーとスタッフの仕事の終了も意味し、来年以降新しい職場を探さなければならない。どんなドラマでも同じこと。
でも、たいていは視聴率が落ちて上からの指示での終了が多い。主演俳優二人の決断が、多くの人々の生活の基盤も変えることになるのは滅多にないはず。この責任の重さ。
あと数年は続けられるんじゃないかと思える作品。しかもキャストもスタッフルーも一団となって一心に働ける職場がなくなる。
続行するかはジェンセンとジャレッド次第だった。幸せなことだけど、とてもきついことでもあると思う。
長年一緒に働き、本当にいい関係を築き上げた仲間たち。ドラマの終わりと共に彼らもまたちりじりに別れていく。

「こんないい現場はない」と言われてるスパナチュのチーム。ゲストキャラで出た人たちがこぞって褒めるメインキャストの人柄の良さと現場の良い雰囲気。これらを解散させる責任を負う二人は、悩んできたと思う。本物の兄弟同然の絆を築いた。この先こんなドラマには巡り合えないだろう。そして俳優は、次の仕事が確約された世界じゃない。
それでも彼らは俳優であって経営者じゃない。自分自身の人生に責任がある。
新しい道を選ぶか、慣れた道を延々と歩むか。

開放的で人懐こく、元気な頭脳派というイメージだったジャレッド。大きな体にしてナイーブな心の持ち主だと知れたのは、シーズン3の頃に鬱を患っていたという告白をしてから。うつ病などに悩む人たちをサポートするチャリティキャンペーン「Always Keep Fighting」を2015年に立ち上げた。コンベンションをキャンセルしたジャレの代わりに、ジェンセンは“兄”として“弟”のことをファンに語ってくれた。あれは泣けたよ。

ジェンセンは昔はシャイで、むしろ彼の方がナイーブだと思ってた。それがいつの頃からか逆転し、実生活でも頼れる兄貴に。
大勢のファンの前で話したり、よもや歌ったりするなんて昔のジェンは苦手だった。今は慣れたんだろうけど、スパナチュのファンの前だからもある。
海外のファンにはかなりきつい人もいるけれど、基本スパナチュのファンは暖かい人が多い。その前ではタフな兄貴でいる。でも人の性格は変わらないし、ジェンも本当は気を張ってきたと思う。

やれるうちが花と言うけれど、今こそが辞め時というのはわかる気はする。2020年にシーズン15で20話。有終の美を飾れる。これ以上続ければ、さらに別れる時の苦しさも増す。ネトフリでの継続を願う署名も始まってるけど、CWは続ける気があるのに彼らが決めたことなのでお門違いでは。それともネトフリでの映画化のことなのかな? それは良いと思う。日本は人気ドラマが映画化することが多いけど、向こうはドラマ界と映画界は明確な区切りがある。けれど、シアター上映の映画製作がどんどんシビアな状況になってる現状で、Netflixは資金を豊富に提供してくれるらしい。それでなければ日本みたいに、最終回は2時間スペシャルとかしてくれたらいいのにね。

ジャレはスパナチュ終了後は、俳優をやめるかしばらく休養したいとも言ってるとか。それで嘆いてる人も多い。
これだけ長い間サムを演じてたら、他の役をする気には直ぐにはなれないと思う。しばらくゆっくり休んだら、考えも変わるかも。変わらない場合は、他の仕事をするのもいい。ジャレは頭が良いし弁も立つ。ジャレとご家族が幸せな道を選べばいいと思うよ。
ジェンはまだ俳優をするつもりだろうし、サブビジネスもやっていきそう。もうビアホールしてるしね。


ドラマの中では悲惨な目にあい続けながらも、兄弟が力を合わせて乗り切っていく姿を。
俳優の実生活では、真逆に順調に素晴らしい家庭を築き、家族ぐるみで付き合っている幸福な絵を。
どちらも見ることで、スパナチュファンは自分にないものを得て、あるものを大事にすること学んできた。

スパナチュを長く見続けている人には、なんらかの家族の問題を抱えてる人も多い。深刻なものも、ありがちなものも。
私も親との関係は悪くはなかったけれど、喪失の痛みと何もできなかった後悔には苛まされてきた。
ずっとサムとディーンの、家族に苦しみ傷つき、寄り添い共に進む姿に、泣いて笑って、励ましをもらってきた。
J2のミラクルソウルメイトぶりに、こんな奇跡があるんだな!と思い、もはやお子達には遠縁のおばになり果てている(笑)

その他にも、引きこもり、いじめ、PTSD、マイノリティ、あらゆる問題を抱えた人々に、兄弟の旅路と、J2とミーシャのチャリティ活動、繰り返されるコンベンションは勇気を与え続けてきた。
多くのファンが、スパナチュで救われ、生きる意味を再度見出してる。

でも永遠はない。それは悲しいけど、悪いことでもない。
終わりは始まりでもある。

終わりに向き合いたくないから、最終シーズンもフィナーレも見れない!って人もいる。そうすると、いつまでもその人の心の片隅に残るのは、思い出だけじゃなく昇華できない何かになると思う。
誰もが人生で向き合わなきゃならない別れがある。
1年の猶予をくれた彼らに感謝。その間に、じっくり向き合い、彼らに笑顔で別れを告げよう!


2 コメント

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じわじわ来てます。。。 (へむへむ)
2019-06-10 01:40:36
いつもステキな記事をありがとうございます。
ご体調いかがでしょうか。
このところ気温差も激しいので、くれぐれもお大事になさってください。

さて、スパナチュ終了のダメージ、寂しさをかみしめつつ、わかっていたことと納得した気でいたのですが、やはり、じわじわと来ますね。
未だに来てます。。。
私の気持ちを代弁してくれるかのような、いえ、それ以上の言葉にならなかった気持ちまでを表してくださった記事に泣いてしまいました。
寂しいけれど、それ以上の感謝を。。。ですね。
温かな気持ちになれる記事をありがとうございました!
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こちらこそv (山吹)
2019-06-10 11:35:14
へむへむ様
こちらこそ、まとまりない長口上を読んで下さって感謝です。
寂しいですよね。でもこの寂しさは先取りなので、予習はやめて今に生きましょう(笑)

業界一過酷と言われるアメドラ現場でも、チーム物のように出番が少ない回がほとんどないJ2は、とてつもない仕事量を14年続けてきたと思います。シーズンの合間にはコンとチャリティ、副業。この生活だと、家族と過ごす時間はほんとにわずかでしょうね。だから二人はその貴重なショットを公開し、ファンに幸せをおすそ分けしてくれてる。

お子たちが幼児の内は、マミーやシッターさんなどが包んでくれれば満たされても、自我が育ち、子供社会の荒波にもまれる時期はダッドが必要です。
「ダディは忙しいから我がまま言っちゃいけない」と思ってきたら、それはウィンチェスター兄弟になるんですよ。たぶんここを二人は実感し始めてる気もします。
「悪霊を狩って、ファンを救うんだ。ファミリービジネス!」であったこの14年。そろそろ二人をご家族の元に返す時期も来てると感じます。

一番気がかりなのは、最終シーズンの成り行きですね! 本国では下手な終わり方にしたら一揆が起きそうな感じなので(^^; 脚本家チームは踏ん張りどころだと思います。

体調面のお気遣いも、ありがとうございます<(_ _)> このところリアル生活がとてつもなく、逆にスパロスは忘れられる状況です(^^; 気を付けますv

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