別館 兄弟仁義

超常現象ドラマの兄弟愛と家族愛をうっとおしくつつくブログ

スーパーナチュラル シーズン15 けじめ感想6

2021-10-10 00:09:04 | シーズン15

第6話 ロウィーナが残したもの

若い魔女がロウィーナの部屋に侵入。何か探している模様。
荒っぽい家探しをするが、みつからない。具合が悪くなり、鼻血を出して死ぬ。
ロウィーナの部屋にストレートに入れると思う程度の魔女ってことね。

キッチンのテーブルで調べ物をしているサム。なにかの気配を感じて振り向く。
シリアル食いまくりの兄。なんかすごい柄の部屋パン履いてるぞ?
気楽そうに見えて、やっぱり投げやりな風情。

片田舎の街にいるキャス。またもクラレンスって名前で滞在してる。
馴染みのスーパーの店主は自警消防団で、湖で行方不明の少年の死体をみつけたが、干からびていたと話す。
狩りの匂いを嗅ぎつけるキャス。昔取った杵柄か。

ジョギング中のサムは、また気配を感じて見回すと、姿を現した霊はなんとエイリーン!
地獄にいた彼女。取引も罪も犯してないのにという兄に、地獄の猟犬に引き込まれたと。
チャックが地獄のふたを開けた際に抜け出し、バリアを張る前に遠くに逃げた。
地上にいたらいずれは人を傷つける。でも地獄には戻りたくない。どうにかお友達の天使に頼めないかと兄弟を頼ってきた。
ディーンは、地獄にいた魂は天国に行けないことをズバッと伝える。失意のエイリーン。

兄の言い草に怒るサムだが、ディーンは彼女専用のソウルキャッチャーを作ってそこに入れるという案を出す。エイリーンが納得するならいいがと言いつつ、ロウィーナの部屋に行く気になるサム。
だがディーンは、お前だけでいいだろと部屋に戻ってしまう。

キャスは警察署に少年の死体の件を聞きに行き、息子が行方不明だと訴えるメリーという女性と知り合う。
この人、ピエロランドの店長やってた女優さんよね?(S7)
休暇中のFBI捜査官、クラレンス・ウォーリーに助けを求める。

サムとエイリーンの幽霊はロウィーナの部屋に。死体を見たサムは、彼女のタトゥーに注目する。
サム「オルドー・マレフィカルム」 エイリーン「魔女ね」 賢人と賢女だね。
めぼしいものは何もなく、隠し部屋があると踏んだ二人。エイリーンは戸棚をすり抜けて部屋へ。
シーズン7じゃ、霊になりたてのボビーは通り抜けできなかったよな。
予想通り、なかにはロウィーナの秘薬や研究ノートが隠されてた。
僕が殺した、ロウィーナは自分を犠牲にして世界を救ったと、辛そうに告白するサム。
なぐさめようと、サムの腕に手を伸ばすエイリーン。でも手はむなしくすり抜ける。切ない…。
サムは、ロウィーナが完成した死者の復活の魔術をみつける。メアリーを生き返らせようと考えたもの。霊そのものを肉体化できる。
「僕にできるよ。君を生き返らせる」

キャスはやる気のない保安官に書類を見せろと詰め寄るが、「部署は? 君の上司と話したい、捜査官」と言われてムカつく。
「特別捜査官、DCだ」 何かのドラマ見たな(笑) 
上司のセルにかけさせる。バンカーではラベル付きの携帯の山から、何とか取り出すディーン。ボビーの時代から、必要な時には近くにある。
「副長官のカイザーだ」
キャスが替わると、電話に出ろ、チャックが戻ったとだけ伝えて切るディーン。しかめってるキャス。
意地の張り合い。
けれど地道な書類調査でポイントをつかむキャス。進歩したな。耳に赤ペンはオッサンw

材料がそろって出ようとすると、サムは血を吐いて倒れてしまう。死んだ魔女の母親と妹が彼を拉致。飛ばされるエイリーンに、『兄貴を呼んで』と手話で伝えるサム。
あの部屋は、ロウィーナがサム以外が入ったら死ぬよう呪いをかけていた。すべてをサムに残したロウィーナ(泣)
サムに魔術のお宝を運び出させ、姉娘を生き返らせるのが目的。藁人形をもってついてくる妹娘。

姉の死体を複雑気に見つめる妹。母親の言うことを聞いているが、姉から酷い虐めを受けていたことを漏らす。そこにつけ込んで説得しようとしたサムだが、人形にピン刺されて悶絶。

キャスは行方不明者が集まる地帯に出向くが、息子を探したい一心のメリーが跡をつけてきた。仕方なく一緒に行動することに。話すうちに打ち解ける二人。
途中うずくまる息子発見。無事だった。怪物を見て逃げていた。
保安官がジンだった。銃弾を撃ち込まれるキャスだが、さすがに効かない。ジンを滅多刺し。ストレス発散したね…。
息子の傷を何とか治すキャス。驚きの連続の母子だが、メリーはキャスに「行くのね」と。
「ここにいても何も変わらない、戻る時がきた」とキャス。

部屋から出ると、ディーンが駆けつけて魔女母を拘束していた。しかし長女の幽霊がディーンを吹き飛ばし形勢逆転。そこにエイリーンの幽霊が来て、姉を突き飛ばす。
ディーン「待ってたぜ」 エイリーン、二カッと笑う。
サムを藁人形で痛めつけていた次女を、ディーンが射殺。母親の口に呪い袋を入れて呪いを唱えるサム。
「師匠が良いのさ」
幽霊同士の肉弾戦。霊同士は首絞められて苦しいのか…? 兄貴が長女の死体を焼いて、エイリーン開放。

サムが準備した湯船に浸かるエイリーン。さすがに濡れてない。呪いを唱えると、水から裸のエイリーン、生身の彼女が起き上がる。
固く抱き合う二人(タオル巻いてます)

今日はよくやった、俺と違ってとつぶやくディーン。
「どこまでがヤツの計画かわからない。気が変になる」と本音を吐く。
「僕らはルールを破るのが得意だろ」「でも兄貴が必要だ」
必殺兄殺しのセリフを吐かれ、戸惑いの中に何かが動く表情のディーン。


今回は本人も曰く、ディーンはあまり良いとこ無し。ジェンさんお休み回かな。
その代わり次回に埋め合わせがありますv

まず先に、エイリーンが地獄にいたという件。
これさあ。この時まだクラウリーいたけど、ルシにかかずらっていたしサムのGFなんて眼中なかっただろう。第一ケッチに猟犬貸したのクラなので、明かせないよな。
死んだら天国に行くか、地獄に行くかはアヌビスの元でソロバンみたいな査定を受けるはずだったよね。実は本人が決めるんだと言ってたが、エイリーンは地獄に行くなんて思わないだろう。
アヌビス今いるのか? あのときはまだいたはず。その後のシーズンで出たんだから。彼の元に行く間もなく犬に引きずり落されたんだとしたら、死神の出番もなかったはず。
そこで何とかするのビリーじゃないの? デスだろ。しかもビリーは定法破りが嫌いなはず。何してたんだよ。

あと地獄にいた者は天国に行けないという件。これはベルフェゴールが言って、ケヴィンに伝えた3話から。
だけどジョンとボビーも地獄に行ったよね? ボビーはナオミがあげた。ディーンもシーズン3で落ちて、シーズン4で一度仲間のハンターにサムと共に殺されたけど、ザカリアの手配で天国行ったよね。すぐ戻ったが。
チャックがすべて采配してるとも思えない。ウィンチェスター夫妻とボビーは特別待遇なんて、興味なさそう。兄弟にだけ執着してる。
となると、大天使まで行かないレベルの天使でも、どうにでもできるんじゃね?
兄貴は今、チャック案件で参ってるからの言動だと思うが。
今度死んだらどうなるか。チャックは兄弟対決させて、死んだ後はどうするつもりか。そのことが頭を占めてたのかも。

今回、話としてはただの魔女案件なんだけど、何か色んなこと匂わせてるし、細かいことまで考えちゃったよ(毎度)


さて、キャスは完全に別行動。電話でのやりとりはあったけど。こういうパターンはよくあるけど、天界天使関連じゃなく狩りなのが珍しい。
かなり人間らしく振舞えるようになってたね。スーパーの主人と馴染みになってるだけでなく、しなびた死体を見て動揺し酒をこっそりあおってる彼に気づき、気に掛けるところ。
過去の事件の書類を調べ、犯人をジンだとあたりをつけた。保安官との会話もソツがない。
〝スペシャル・エージェント”にこだわったのは、ドラマか映画だろうが(笑)
ビヨンセ捜査官とか名乗ってた頃に比べ、『クラレンス・ウォーリー』はマトモだけど、この名前はタランティーノ映画『トゥルー・ロマンス』の主人公だそうだ。

息子を探すメリーを助けるのは、子育てに苦労するシングルマザーらしき彼女に、身に覚えがあるからだろう。
ジンの保安官を滅多刺しは、完全にフラストレーションからだったが😅 息子の怪我も少ないパワーで癒す。自分を天使と告げず、知らない方が幸せだと流す。
第1話では母親と幼い娘にサクッと言ってたのに。
怪物が存在することを告げるのも気を使ってる。とてもこなれた大人のキャス。地上に長く経験も積んだんだから、これが正解。だからジンを殺したのを見ても、メリーはキャスにおびえなかった。彼の善良さに気づいてたから。
兄弟、特にディーンといる時のキャスは、いまだにおとぼけでボキャ貧で、突拍子もないことを言う初期の姿をとどめてる。これってちょっとどうかと思う。あまりにも進歩がない設定継続。

今回の彼の方がずっと、長い年月人間と下界に関わった優しい天使にふさわしい。そりゃ私だってキャスのボケには笑うけどさ。
キャスはディーンとサムに、不屈の精神と自己選択、家族の尊さを学んだ。クラウリーやメタトロン、ルシファー他、悪魔や天使には苦い思いをさせられつつ学んだ。
けれど彼本来の気の優しさを発揮し、“人間”じみた思いやりや深みは、実はメグ、クレア、ハンナ、ケリー他の、女性キャラとの交流で得ているんだよね。
兄弟びいきだから、キャスは女とくっつけと言ってるわけじゃないよ(笑) キャスの女性に不器用で優しいところが好きなんだよね。

初めは汚らわしい悪魔と呼び、ピザ男の真似をして(笑)、ナオミの洗脳で適当にあしらってた風情だった女悪魔。メグがつけた呼び名を今も使ってる。そんなカスティエルがね。

かく言うサムが、ファイナルシーズン4分の1を過ぎたこの時点での恋バナの予感。
あんな酷い死に方をしたエイリーン(この点ではケッチを免除してない)は可哀想で報われるのは良いとして、この瀬戸際になって兄弟の間に入ってほしくはないという人は多かったようだ。

私はエイリーン贔屓ですが、むしろこの段階でサムの恋愛を入れる意味の方が重要だと思った。相手は彼女であろうがなかろうが。
サムは前回も、普通の人生、普通の生活への想いが再興してきた感じがあった。
狩りをやめたいまでは言ってないが、チャックが消えたと思っていたサムは、普通の人たちが羨ましいと口にしてた。
そこにエイリーンが現れた。何となく、感じるものがあるよね。
賢人の末裔、ハンター、そして地獄に落ちたという共通の傷を持つ、兄以外の異性。
エイリーン、目の表情が可愛くて好き。
兄貴に「待ってたぞ」と言われた時に、二カッと笑ったお茶目ぶり。初対面の頃のお堅い彼女とはずいぶん変わった。サムが兄を呼んでというのを、手話で伝えたのもいい。手話はおそらく魔女親子わからんからね。


けれど兄には、ずっと恋バナがない。ワンナイトを楽しむことはあっても。

思い返すと、ディーンの愛情関係はシーズン6のリサで最後だった。ソニーの家での初恋(と思う)のロビー、若かりし頃唯一真剣に考えたキャシー。その後に心通わせた女性はいたかもしれないが。
サムだってジェシカのあとに、共に暮らそうと思ったのはアメリアくらいだが。
でもサムは、どんなに絶望的な状況、世界にいても、「人生を共にできる女性はいるのではないか」と思ってきた。ハンターの仕事を理解できる人ならって、以前言ったよね。
でもディーンはそういう風には考えられない。ハンターでいるかどうかより、もう自分の人生に弟以外の誰かを得て、また失うことは耐えられない。

リサとベンとの別れも、シーズンが過ぎて流されてきたけど。ディーンの中では深い傷なんだろう。
ディーンは彼らを守るために自分の存在まで記憶から消させた。
結局は得られない。愛した家族は失われる。弟だけが自分に残されたもの。ディーンの根底にはその前提が染みついている。

エイリーンが復活したことは良かったと思ってるんだろうが、「マムの時に知ってたらな」と言うディーン。
メアリーは天国でジョンといる。キャスがこっそり覗いて確認したから、メアリーの望む夢ではないはず。
それなのにもしメアリーを復活させたら。息子たちのためにメアリーはまた生きようとするだろうけど、やっと再会できたジョンとまた引き離される。
それを思いつかないわけないと思うんだが、それくらい参ってる。いつものごとく、弟の前ではそこまでに見せないけれど。

あの派手な柄のパンツ、ハンバーガー🍔柄のパジャマなんだよね。可愛いけどさ…。
チャックが兄弟の死闘を描いてると知った後に、ずいぶんなリラックス着。
そして甘いシリアルを食いまくってる。
サムが「チャックとリリスが復活したのに、部屋でシリアル?」と呆れると。
ディーン「スクービー・ドゥ見ながら」
サムの悪夢が止まってることに対しても、「神は最後のゲーム、ウィンチェスター杯、カインとアベルをやるつもりだ。ジー・オー・ティー。探さなくても奴が俺たちをみつける」と軽く流す。

これって子供返りしてるんだよね。

自棄になってもやさぐれても、ジャーキー食べながらホラー見るのが今までのディーンだった。
こんな様子は初めてだ。パジャマ着てるのも。
それくらい絶望してるんだよ。自分の選択さえ、ゲームだったと思って。
だからマムに帰ってきてほしかった。ダッドと引き離し、このどうにもならない現実に戻して辛い目にあわせるだけとわかるはずなのに。それでも。

サムはハッキリとではないけど、薄々感づいている。こんどばかりは兄に強く言えない状況。ソウルキャッチャーという、不満足でもこの場合の最善策は考えてくれたし。
エイリーンとロウィーナ、自分にかかわりが強い二人のためだから、兄を無理に連れ出さなかった。

兄と弟。このシーズンではもう、秘密や隠し事、いさかいは起こらないけれど。
二人の差は、リリスじゃないけど「伏線」になる。

それでもやっぱり、当然弟を助けに来た兄。
そして弟の、『兄貴が必要だ』の決定打。
どんな絶望さえ薄れさせる、これぞ魔法の呪文。ディーン専用の。
ロウィーナ、弟子はまたやりましたよ。

あ、歯磨き粉に接着剤入れた兄は酷いが、数年後にはディーンのビールに接着剤塗ってた弟、これも成長w
エイリーン役のショシャンナさん自身が聾者で、読唇術の達人です。素敵な人。

 


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