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クラリネット雑学ノート

9月24日で、http://hornpipe.exblog.jp/に引っ越しました!

Lee Gibson "Clarinet Acoustics"メモ(2)

2005年07月09日 | クラリネット日記
ボックスウッドの割れのトラブルはグレナディラより少ない(本当?)

ボア内面の平滑度は音色だけでなくエネルギーロスにも影響する。

バスクラリネットより上のクラリネットでメタルクラリネットはなぜ作られなくなったのか? おそらくアンダーカットが出来ないことが一つの理由だろう(あるメーカーはトーンホールに逆円錐型を採用している)。一般的なバスクラリネットではアンダーカットはされない。サックスのメタル楽器が最初にして最後になる合理的な理由はない(?)。

ボアサイズと楽器の重量は反比例の関係にある。ボアが大きくなるにつれ、重量は軽くなる。

標高の高い所では楽器の下半分で周波数が影響を受ける。標高が高く気圧が下がるとシングルリード奏者は、より柔らかめのリードが必要になる。周波数は標高千メートルに付き1~2セント低くなる。

18世紀を通してボアは14mmから15mm(ミューラーの13キー)へと拡大されていった。が、19世紀に入ってビュッフェなどは12度音程を良くするため15mmより小さめのボアを好むようになった。
20世紀に入り、ヘンリ・セルマーのアンダーカットなしのモデルが成功し、また15mmが流行した(ビュッフェ・クランポンは、12度音程を狭くするために、アンダーカットが施された小さめの音孔を持つ円筒管を採用したために、あまり成功しなかった)。B&Hは15.3mmを採用し、極限までボアを拡大。しかしロベール・カレが1950年にR13モデルで画期的な14.65mmを作り出して、ボアの拡大は終止符が打たれた。

20世紀も終わりの今、ラージボアはジャズ奏者によく使われる。彼らは開きの大きいマウスピースを使う。(ラージボアは開きのあるマウスピースに合うということ?)




チューニングと息

2005年07月09日 | クラリネット日記
チューナーを見ながクラリネットで音を出すと、必ず最初に針が右に振れ、その後に安定する。

これは、息を吸い、吐き出した瞬間のエアには酸素が多く含まれ、その後により重い二酸化炭素のエアが流れ出ることに関係するという。つまり酸素の比重の方が軽いため、伝わる音の周波数が高くなるのだそうだ。

口にシューッとスプレーすると声が変わるオモチャがあるが、あれは空気より比重の軽いヘリウムガスが口の中に充満し、声の周波数を高くするため。
クラリネットでも実験してみたい。

Lee Gibson "Clarinet Acoustics"メモ

2005年07月07日 | クラリネット日記
アドルフ・サックスはブリュッセルでクラリネットを学び、楽器作りを始めた初期にクラリネット右手にリングキーを取り付けた最初の(?)人。メタルバスクラリネットも開発した。

エーラー式のミソは、ミューラー・システムにオーボエのFレゾナンスを導入したこと。
米国では50年代までエーラー式が使われていた。ヴィクトル・ポラチェク(ボストン響)、ロバート・リンデマン(シカゴ響)、シメオン・ベリソン(NYフィル)等。

E.J.アルバートのクラは15mmのボアを持ち、音色、音程とも良かった。

ガストン・アムラン(晩年ボストン響)が使ったセルマーは15mmボア、上管とバレルが長い逆円錐型で、アンダーカットなし。著者はアンダーカットなしの最良のセルマーは、1934年のバランスド・トーン(14.85mmボア)以前のものとする。セルマーで育ったベニー・グッドマンは1950年前のタイプのビュッフェを試し、コープランドのコンチェルトでも吹いたが、変な楽器だと思ったという。

レジナルド・ケルはマルテル兄弟の楽器を愛用したという。(著者はパリ製というが、イタリア製もある?)

ドイツで他メーカーがエーラー式をこぞって真似るようになったのは1910年以降。

ハンマーシュミットはヘルベルト・ヴーリツァーの14.7mmボアより大きなボアを採用し、このため、ヴーリツァーの最低音レゾナンス孔はそれほど必要ではない。

クラリネットの閉管構造による倍音は、第5線Fまでは奇数倍音がきれいに聞こえるが、上のCからは奇数倍音の波形が崩れてくる。それでもクラリネットらしい音と聞こえるのは、アタックやリード振動による耳の錯覚。同じことが第3倍音の音にも言える。

クラリネットははっきりしたフォルマントを持つか? 1949年以降のビュッフェR13のポリシリンドリカル・ボア(上管)には、イングリッシュホルンのベルに似た、しかし基音周波数にもっと広く影響するフォルマントのようなものがあるとプレイヤーは感じている。
オケの中でフルートがソプラノ、オーボエがメゾソプラノだとしたら、クラはコントラルト? おそらくソプラノとコノラルトの両方だろう。

スピルバーグはクラリネット吹きだった!?

2005年07月04日 | クラリネット日記
今日知ったが、スピルバーグはその昔クラリネットを吹いていたらしい。
映画「ターミナル」のエンディングで長いクラリネットのソロがあるが、特に監督がこだわった部分だったとか。
このソロを吹いたのは、何とかバーンスタインというユダヤ人女性。この演奏が素晴らしく、各方面から絶賛された。がその後、惜しくも彼女は癌で亡くなってしまった。映画の収録時は闘病中だったともいう。

隠れクラリネット奏者と言えば、グリーンスパンFRB議長がジュリアードでクラリネットを勉強していたというのにはのけぞった!!
もし彼の伝記映画か何かをつくるなら、主演はウディ・アレンが適任!

ヴィルシャーとロイトナーのリード

2005年07月03日 | クラリネット日記
ヴィルシャーのリードのカットが若干変わったらしい。先端がやや厚めになったので、従来の3番では厚く感じるかもと、21/2を買う。試したら、薄い。3番を買いなおさないといけない。
ロイトナーのフレンチカットも試奏。S、M、Hの3種類しかなく、Mを試す。全体の鳴り方はヴィルシャーに似て心地よい。が、上のある音域から急に音が開き気味になる。先端に近い部分の抵抗ポイントが僕には強すぎるのか?
ヴィルシャーの旧カットが入手できるのか不安。手持ち分が無くなったらどうしよう。