うつくしまふくしま子ども未来応援プロジェクト(県北)

NPO法人ビーンズふくしまが行っている,仮設住宅の学習・遊びを通じたコミュニティ支援の様子を綴っていきます。

2015年1月17日(土)もちつくどー@しのぶ台仮設

2015年01月28日 16時05分05秒 | 日記
寒空の中で行われた成人式が終わり1月も中旬を迎えたころ、しのぶ台仮設にて「もちつくどー@しのぶ台」が行われました。
毎週2回学習会を行っているしのぶ台仮設でのお餅つきは今年で3回目になります。
3年も続けられているのは、お餅つきの道具や作法、美味しいお料理を作って教えてくれるおばあちゃんやおじいちゃんがあってのこと。
感謝いっぱいであるのと同時に、それらを自分たち下の世代が覚えて引き継いでいかなければと思う中、始まりました。


仮設住宅の集会所の前にある門松。


お餅つきを始める前に、道具である臼(うす)に水を張り、杵(きね)を水に浸しておかなければならないそうです。


その間に集会所の台所では、おばあちゃんやお母さんたちが、一晩水に浸けた餅米を蒸かしてもらっていました。
このとき子どもたちは何をしていたかというと…

集会所の周りにておにごっこやおにごっこやおにごっこ…全速力で手加減なし、真剣勝負で走り回りました。
幼稚園・保育園の子どもたちや小中学生の子どもたちに加え、東京からボランティアさんが3名いらっしゃったこともあり大人数でのおにごっこでした。
お餅を食べた後には、おにごっこやだるまさんが転んだ、手押し相撲など昔からある外遊びを力いっぱい楽しみました。


半永久的に続くかと思われたおにごっこも、「できたよ~」というおばあちゃんの声で一旦終わり、
蒸かした餅をうすときねのところに運び…


まさにお餅つきがクライマックスになりました。

まずはおばあちゃんとおじいちゃんがお手本を見せてくれました。
力強く息の合ったおもちつき。


子どもたちも恐るおそる、けどわくわくと好奇心いっぱいの表情で行っていきました。




集会所の中からおもちつきを見守っている姿も。


実はおもちつき現場は外から見るとこんな感じです。
天候が良くなく、外で行う予定のお餅つき開催が危ぶまれることをおもんぱかり、
集会所の壁に沿ってブルーシートを付けていただいたのです。
これは前日に仮設に住む大工さんであり学習会に参加する子どものおじいちゃんがご厚意でしてくれました。
おかげさまで強風や小雪から逃れて集中しておもちつきができました。


つきたてほやほやのおもちをどうやって食べるかというと…







鶏汁やきなこ、ずんだ、粒あん、くるみと豆腐を和えたもの…どれも手づくりでバラエティに富んだ贅沢な食卓になりました!
自分たちでつき、おばあちゃんやお母さんが作ってくれたお料理と合わせて食べるおもち。
できたてなのでおもちがのびることのびること。大変美味しゅういただきました。

食べ終わりお片付けを終えると、集会所でお話したり、外遊びをしたり、かるたやトランプをしたり、わいわいとそれぞれの時間を過ごしました。


ボランティアさんとビーンズスタッフは子どもたちや仮設に住まわれる方々とお別れをして、帰途につきました。
事務所についてから今回の行事の感想やこれからの課題や反省点、改善点などを共有しました。
その中でも、今回の外遊びを通して子どもから発せられたとある言葉を掘り下げてお話しました。

それは普通のおにごっこばかり続いたこともあり、室内での遊びをスタッフがそろそろ提案しようかなと思ったときのこと。
ある小学生の女の子が「もっと走りたい。こんなにおにごっこできるの久しぶりだもん」とぽろっと話してくれた言葉。
自分の限界まで身体を動かし遊び抜く子どもたちから、外遊びの大切さをただただ実感しました。

同時にそれを幼年期、少年期に奪われてしまった・奪われている子どもたちに、
身近な第三者である大人として何ができるのか、あらためて問われた日になりました。

【レポート】水耕栽培の取り組み@御前池仮設

2015年01月22日 19時17分27秒 | 日記
平成25年度(2013年度)から,田村市御前池仮設にお住いの有志で「御前池ハッピー会」を結成して,トマト栽培を楽しんでいます。



 この活動は,「ごきげん野菜」(広島市)様と「編んでるシアター館」(さいたま市)からのご支援に加え,我々NPO法人「ビーンズふくしま」も協力しています。
 では,平成26年度の活動を紹介します。

 1 御前池仮設水耕栽培その1 5月上旬


 昨年,三春町熊耳仮設自治会の皆様にお手伝いいただいて,一坪ちょっとのビニールハウスを建てることができました。
プロの「お仕事」でした。
 場所は,御前池仮設集会所前,日当たり抜群の一等地です。その中に,「ホームハイポニカ402」を2台入れています。

 まず,買ってきたトマト苗の根を洗います。

次に,402型に定植です。
 できました。

 今年は,サプライズ,「ホームハイポニカ カレン」が登場。葉菜専用ですが,非常にかわいいのが特徴です。


2 御前池仮設水耕栽培その2

 7月下旬になりました。
 枝は天井まで伸びました。

 収穫が始まっています。
 これは,「ピンキー」。

9月中旬までで,約1000個収穫できました。
「カレン」では,何度か収穫して食べたそうです。

 

3 御前池仮設水耕栽培その3 
 去年も行いましたが,収穫祭「トマトカレーパーティ」を10月6日(日)に実施しました。
 収穫したトマトをカレーに入れ,御前池仮設の子ども,大人に加え,田村市の別の仮設へも声をかけ,大人数で一緒にトマトカレーを食べる行事です。

トマトが結構入っています。

サラダ

これは,湯むきしたトマトにお茶漬けのもとをかけ,さらにお好みでごま油,オリーブオイルをかけて食べるものです。簡単な割には,意外と大好評。
暑い季節には,一度凍らせて,食べるときに半解凍状にするとさらにいい。お試しあれ。



ハッピー会の皆様。
そうそう,コップにつがれているのは,トマトジュースのサイダー割り。これもいけます。


みなさま,御前池仮設にお寄りの節には,どうぞ活動の様子を集会所の中の写真でご確認ください。
御前池ハッピー会の皆様を中心に,御前池仮設自治会の皆様と子どもたちが,とても楽しく活動したことがお分かりいただけると思います。

平成27年度は?
この仮設にお住いの皆様は,原発事故のため,数市町村から避難を余儀なくされています。
元々の地域によっては,故郷への帰還が進んでいて,平成27年3月には,以前の半分の世帯数になるだろうともうかがいました。
我々と御前池ハッピー会,御前池自治会とで,先日,活動の反省会をしたとき,
「来年も活動を続けたいところだが,どんどん人が少なくなって,責任を持ってトマトの世話ができなくなる。残念だが,来年はできない。」
という結論に達しました。
担当としては,トマトの水耕栽培がなくなると思うと,少しさびしさを覚えますが,仮設に住んでいる方々が次の道に進もうとすることに接するのは,我々としてもとてもうれしいことです。

では,来年度,我々が御前池仮設の皆様とさようならをするかというと,そういうわけではありませんでした。
この前の「もちつくどー!」(もちつき大会)&「御前池仮設忘年会」のとき,集会所に入りきれないほど人が集まり,笑顔があふれました。
それを目の当たりにした自治会の皆様も我々も,「もちつくどー!」&「御前池仮設忘年会」は,12月の第一日曜日にまた共同で実施する,となりました。楽しみですね。
また,春になったら我々がまいります。楽しい1年間の計画を立てましょう。

たこやき&ホットケーキパーティ@あだちをしました。

2015年01月15日 13時16分01秒 | 日記
あけましておめでとうございます。
2015年もどうぞよろしくお願いいたします!

さて、毎週2回学習支援をしている安達運動場仮設での冬のイベントということで、
1月10日(土)に「たこやき&ホットケーキパーティ@あだち」をしました!

調理を始める前には、今回が初参加の3名の学生ボランティアさんがいらっしゃることもあり、あらためて子どもたちと保護者の皆さん、スタッフみんなで自己紹介と他己紹介をし合いました。
そのやり方は、最初に円になって順に自分の名前と今朝食べたものを話し、次に「自分の前の人が言ったことを覚えているかな自己&他己紹介」をするというものです。一人目が「今日の朝、豆腐とねぎの味噌汁を食べた○○です」といったら二人目は「今日の朝、豆腐とネギの味噌汁を食べた○○さんの隣にいるさばの味噌漬けを食べた△△です」と一人目の方からの情報を連綿とつなげていき最後に自分の情報を付け加えていくゲームです。ということは、一人目の人が自分の情報だけなのに対し、最後の人は参加者全員分…になります。今回はビーンズふくしまにインターンシップにきてくれている学生さんに最後の役もといオチを担っていただきました。

その後、「4つのやくそくごと」と題してたこやきとホットケーキづくりの約束事を確認し、早速調理スタートです。


子どもたちがたこやきの粉に書いてある説明書を読み必要な材料とその分量を確認することから始まったたこやきづくり。「大人」はあくまでアシスタントに徹しました。

たこやきの具はベーシックな「たこ」以外に、子どもたちと相談して決めた「チーズ」と「キムチ」、「魚肉ソーセージ」などを入れていきました。最後の方には、ホットケーキ用として準備していた「チョコチップ」をたこやきの生地の中にいれて作って食べていました。意外に一番好評だったかもしれません。

丸い形にするのが難しいのですが、それに果敢に挑戦してホクホクでまんまるにできたたこやきを保護者の方にあげている姿もありました。


同時進行でホットケーキづくりもしていました。丸い形だけでなくハート形やくまさんの形などを作って、多様なトッピング素材を使いながら創意工夫をこらしました。






調理と会食、お片付けが終わったあとには自然発生的にトランプ大会が始まりました。普段の学習会ではトランプなどのゲームはできても少しの時間なので、1時間半以上がっつりとできてよかったです。とくに盛り上がったのは、「ばば抜き」と「7・5・3(しち・ご・さん)」(カードをすべて裏面にし、順にめくって「7・5・3」がでたときにすぐに取る。一番遅かった人がそれをもらう。最後に一番多い枚数をもっていたの負け、というゲーム)でした。
後者については、オリジナルバージョンということで、子どもたちやスタッフの名前の語呂合わせ(例:「花子」さんの場合「8・7・5」)や生年月日や年齢などを聞きあって毎回新鮮な感じでやっていきました。また、ゲームのルールを年下の子や途中から参加した人にわかりやすく教えている子どもの姿もありました。

今回のような調理や会食、遊びを通して、学習会のときとはまた違う表情が見れたりお話できたりすることができました。そのおかげで子どもたちとスタッフの距離がより一層近づき、3学期の学習会に向けていいスタートがきれたかなと思います。