「大丈夫なわけねぇーよな・・・」
黒板の上にある時計を見ながらヤミヒロは内心が漏れて口から出ていた
まぁ無理もない
このままじゃエヌピィシィ解散&ペン回し=悪という最悪なシナリオになりかねないのだ
解散はリーダーとして・・・いや、メンバーとして絶対に阻止しなくてはならない
それにペン回しへの嫌悪感もできるだけ持たれたくはない
自分が好きなものを否定されるはやっぱり悲しいしそれなりの訳もある
俺達がやっているペン回しは単なる暇潰しではない
もっとクールで、キレイで、廻したいから暇を作るような・・・観てる人が「カッケェ!」って叫んでしまうような・・・そんな"芸"であるべきだと留意している
少なくとも俺はその"芸"に心を動かされた
そうだ
そうなのだ
こんなとこトウモロコシを廻してる場合じゃないんだよ俺達は
「ヤミヒロはなにボソボソ言ってんの?キモいわよ、あととりあえずテルはトウモロコシを返してきなさい」
再び現実に向き合い、仕切り始めたようとした矢先ドンマロに先手を打たれてしまった あとサラッと侮辱されたような気がする
まぁいい
ドンマロも同じように危機感をもっているのだろう
ああ見えてテルも危機感・・・というのかはわからないが、なんとかしようとはしてるようだ
それは同時に"芸"に心を動かされたのは俺ではなく俺達なのだという確固たる証拠でもあった
だから「ふひひ」と笑ってしまったのだが まぁ・・・さらにキモがられた
そうこうしていると突然テルが疑問を投げ掛けてきた
「なぁなぁ 廻せないモノならいいんだよなぁ」
「・・・」
リーダーと次長は長考してしまった
だって怖いよ・・・嫌な予感しかしないよ・・・ドンマロは苦虫を噛み潰したような顔しているよ・・・
こいつも同じことを考えているとヤミヒロは確信した
すると満面のドヤ顔でその"棒状のなにか"突き付けてきた
「なぁなぁ これで廻せなくなったぞぉ」
「・・・」
ついさっきの自分に言ってやりたい
長考などするなと・・・!!
トウモロコシをテルから奪えと・・・!!
しかし俺はこの時、ただただ大声で突っ込んでいた
なにせそこには中学生である俺なら余裕で度肝を抜かされる光景が広がっていたのだから・・・
「タベテンジャネーヨ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
そう
さっきまでヤツを包んでいたサランラップは机に捨てられ"棒状のなにか"は乱雑に食い散らかされたトウモロコシの残骸と化していた
「これで廻せなくなったんンダ」
「うるせぇーよ!!!お前ただ食べたいだけだろ!!!」
「たしかにオラは食いたかったけどさ まぁ色々あンダ」
「ねぇーよ!!!」
なにいってんだこのバカテル バナナとかならまだしも食べたところで棒状のままなんだから廻せるだろうが・・
すると、思わぬ方向から反論された
「いや・・・そうとも限らないわよ」
「え?」
反論の主はドンマロだった
なにを言ってるだこいつもワケがわからないよ・・・廻せるよ棒状でこのサイズなら物理的絶対廻せる
だがその疑もモロコシをちょっと観察すればすぐに晴れた
「だって・・・これじゃあ・・・」
テルがもったそのモロコシ残骸は、咀嚼者の唾液でベトベトになっていたのだ
「心理的にかよ!!!!!ホントバカだな!!バカテルだなァッ!!!」
「なぁなぁ」
「なんだよ 誰から盗んできたか知らないがちゃんとそいつに謝れよ」
「お腹痛くなってきたンダ(笑)」
「食あたりかよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
信じられない
どこまで足を引っ張れば気が済むんだ
こうなったら意地悪してやろう
「おい バカテル」
「ン・・・ダ・・・?」
「お前 今日 給食の牛乳ジャンケン全勝したっけ?」
牛乳ジャンケンとは、給食で余った牛乳がほしい希望者がジャンケンをして勝ったヤツがその牛乳をゲットできるというゲームだ
うちのクラスは少し変わってて勝者でも継続的にジャンケンできるというルールを採用している
たとえば牛乳が5本余っていて希望者が五人いた場合 みんなに1本づつ牛乳が分配されるのではなく いちいちジャンケンする
すなわち運が良ければ1人で5本全部総取りできるのだ
そして今日 余った牛乳10本全部をかっさらっていったのがテルなのだ
俺も希望者だっただけに悔しかった 今日はすごく牛乳を飲みたい気分だったのに・・・空気嫁よ
だから意地悪してやる
「牛乳と焼きトウモロコシって相性悪いの知ってた?」
「!?」
「焼きトウモロコシには鉄分とカルシウムを反応させて冷却させる水酸化グリナーゼって成分が入ってるんだって だから一緒に食べると胃が急激に冷却されておかしくなっちゃうらしいよ
だから 屋台とかいくと 牛乳屋がないでしょ? あれは焼きトウモロコシ屋のために空気読んでるんだよ」
「ブバァハッ!!??」
「うえっ・・・いきなり吹くなよ!顔に唾かかったじゃねーか!」
「すまんすまん・・・てか・・・お腹痛い・・・さっきより悪化したンダ・・・」
もちろんこの話は嘘だ
普通は誰も信じないか聞き流すだろう こんなデタラメ
だがしか~し
それは通常の体調の場合のみ
実際に腹痛を訴えている身体でそんな話聞いたら 少しは信じるかもしれないと思ったのだ
プラシーボ効果という心理用語がある
ようはあれの応用バージョンだ
「ちょ・・・オラトイレ行ってくるわ・・・うぇっ」
どうやら効果はあったようだ
そこに「これで終わりだ!」っとあわててトイレに向かうテルの頭に机に起きっぱなしになっているトウモロコシの残骸をぶつけてやった
結果はナイスヒット!
ざまーみろだ
ニヤニヤしながら席につくとドンマロは震えて俺の顔を見ていた
ん?と思ったがどうやら俺の顔ではなく俺の後ろを見ているらしい
恐る恐る振り替えると同時に「スイマセンっす、ちょっといいっすか?」と後ろにいた少年が話しかけてきた
「なん・・・っすか?」
顔は知っている 名前は・・・なんだっけ・・・度忘れしてしまった 同級生なのはたしかだ なので同じような口調になってしまった
「僕のトウモロコシ知ってますッスよね?」
「!?」
持ち主キタァアアアア!しか し・・・まぁいいタイミングだ 証拠はついさっきテルにぶつけたから残ってない 第一 犯人は俺ではない 焦ることなんてなに一つないんだ 落ち着け俺
「し、知らないっシュよ・・・」
噛んだが気にしない
犯人はテルですよとチクることもできたがこれ以上めんどくさいことにはしたくない
なにせテルだぞ
俺達まで被害を被る可能性大だ
「そうッスか・・・」
落ち込んでいるのだろう
無理もない 大好きであろう好物がなくなったのだ 俺ならキレる
「無くしたのか?・・・災難だな・・・」
「・・・」
「気を落とすなよ 元気にいこうぜ」
なんとか励まそうとしたヤミヒロであったが瞬間!今まで少年の穏やかな口調からは想像もつかない、鋭い言葉のナイフがヤミヒロの三半規管に突き刺さった
「ふぅ・・・演技やめろや・・・お前が犯人やろゴラァ!」
「うふぇ!?」
誰かと聞き間違えたのかと思ったがそれよりこの動揺を誤魔化すことに必死になっていた
「え? じゃないやろ? われ!」
「しょッ、しゅッッ、しょーこはあるんかよ!?」
噛んだって気にしない これは冤罪だ
「われの机にあるサランラップ それ みてみーやゴラァ!」
え?
サランラップ?
はぁ!?
あのトウモロコシに包んであったラップか!
そしてそれは今、ヤミヒロの机にクシャクシャになったままだ
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
そしてそのラップには
油性インクで
[バードシーの]
としっかり書かれていた・・・
~つづく~
次回予告
まさかの被害者登場! ついでに怖い! なぞに怖い! このままでは犯人にされてしまうヤミヒロ 腹痛でトイレ中のテル 傍観者ドンマロ 謎の刺客バードシー
絶対絶命の中 昼休みも終わろうとしていた・・・ だがしかし!五時限目を切り抜ける最後の切り札はこの時もう用意されていたのだが・・・!?
気づけるのかエヌピィシィメンバー!
やれるのかエヌピィシィメンバー!
感動の緊急会議編 完結は近日公開予定
みてね☆ミ
黒板の上にある時計を見ながらヤミヒロは内心が漏れて口から出ていた
まぁ無理もない
このままじゃエヌピィシィ解散&ペン回し=悪という最悪なシナリオになりかねないのだ
解散はリーダーとして・・・いや、メンバーとして絶対に阻止しなくてはならない
それにペン回しへの嫌悪感もできるだけ持たれたくはない
自分が好きなものを否定されるはやっぱり悲しいしそれなりの訳もある
俺達がやっているペン回しは単なる暇潰しではない
もっとクールで、キレイで、廻したいから暇を作るような・・・観てる人が「カッケェ!」って叫んでしまうような・・・そんな"芸"であるべきだと留意している
少なくとも俺はその"芸"に心を動かされた
そうだ
そうなのだ
こんなとこトウモロコシを廻してる場合じゃないんだよ俺達は
「ヤミヒロはなにボソボソ言ってんの?キモいわよ、あととりあえずテルはトウモロコシを返してきなさい」
再び現実に向き合い、仕切り始めたようとした矢先ドンマロに先手を打たれてしまった あとサラッと侮辱されたような気がする
まぁいい
ドンマロも同じように危機感をもっているのだろう
ああ見えてテルも危機感・・・というのかはわからないが、なんとかしようとはしてるようだ
それは同時に"芸"に心を動かされたのは俺ではなく俺達なのだという確固たる証拠でもあった
だから「ふひひ」と笑ってしまったのだが まぁ・・・さらにキモがられた
そうこうしていると突然テルが疑問を投げ掛けてきた
「なぁなぁ 廻せないモノならいいんだよなぁ」
「・・・」
リーダーと次長は長考してしまった
だって怖いよ・・・嫌な予感しかしないよ・・・ドンマロは苦虫を噛み潰したような顔しているよ・・・
こいつも同じことを考えているとヤミヒロは確信した
すると満面のドヤ顔でその"棒状のなにか"突き付けてきた
「なぁなぁ これで廻せなくなったぞぉ」
「・・・」
ついさっきの自分に言ってやりたい
長考などするなと・・・!!
トウモロコシをテルから奪えと・・・!!
しかし俺はこの時、ただただ大声で突っ込んでいた
なにせそこには中学生である俺なら余裕で度肝を抜かされる光景が広がっていたのだから・・・
「タベテンジャネーヨ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
そう
さっきまでヤツを包んでいたサランラップは机に捨てられ"棒状のなにか"は乱雑に食い散らかされたトウモロコシの残骸と化していた
「これで廻せなくなったんンダ」
「うるせぇーよ!!!お前ただ食べたいだけだろ!!!」
「たしかにオラは食いたかったけどさ まぁ色々あンダ」
「ねぇーよ!!!」
なにいってんだこのバカテル バナナとかならまだしも食べたところで棒状のままなんだから廻せるだろうが・・
すると、思わぬ方向から反論された
「いや・・・そうとも限らないわよ」
「え?」
反論の主はドンマロだった
なにを言ってるだこいつもワケがわからないよ・・・廻せるよ棒状でこのサイズなら物理的絶対廻せる
だがその疑もモロコシをちょっと観察すればすぐに晴れた
「だって・・・これじゃあ・・・」
テルがもったそのモロコシ残骸は、咀嚼者の唾液でベトベトになっていたのだ
「心理的にかよ!!!!!ホントバカだな!!バカテルだなァッ!!!」
「なぁなぁ」
「なんだよ 誰から盗んできたか知らないがちゃんとそいつに謝れよ」
「お腹痛くなってきたンダ(笑)」
「食あたりかよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
信じられない
どこまで足を引っ張れば気が済むんだ
こうなったら意地悪してやろう
「おい バカテル」
「ン・・・ダ・・・?」
「お前 今日 給食の牛乳ジャンケン全勝したっけ?」
牛乳ジャンケンとは、給食で余った牛乳がほしい希望者がジャンケンをして勝ったヤツがその牛乳をゲットできるというゲームだ
うちのクラスは少し変わってて勝者でも継続的にジャンケンできるというルールを採用している
たとえば牛乳が5本余っていて希望者が五人いた場合 みんなに1本づつ牛乳が分配されるのではなく いちいちジャンケンする
すなわち運が良ければ1人で5本全部総取りできるのだ
そして今日 余った牛乳10本全部をかっさらっていったのがテルなのだ
俺も希望者だっただけに悔しかった 今日はすごく牛乳を飲みたい気分だったのに・・・空気嫁よ
だから意地悪してやる
「牛乳と焼きトウモロコシって相性悪いの知ってた?」
「!?」
「焼きトウモロコシには鉄分とカルシウムを反応させて冷却させる水酸化グリナーゼって成分が入ってるんだって だから一緒に食べると胃が急激に冷却されておかしくなっちゃうらしいよ
だから 屋台とかいくと 牛乳屋がないでしょ? あれは焼きトウモロコシ屋のために空気読んでるんだよ」
「ブバァハッ!!??」
「うえっ・・・いきなり吹くなよ!顔に唾かかったじゃねーか!」
「すまんすまん・・・てか・・・お腹痛い・・・さっきより悪化したンダ・・・」
もちろんこの話は嘘だ
普通は誰も信じないか聞き流すだろう こんなデタラメ
だがしか~し
それは通常の体調の場合のみ
実際に腹痛を訴えている身体でそんな話聞いたら 少しは信じるかもしれないと思ったのだ
プラシーボ効果という心理用語がある
ようはあれの応用バージョンだ
「ちょ・・・オラトイレ行ってくるわ・・・うぇっ」
どうやら効果はあったようだ
そこに「これで終わりだ!」っとあわててトイレに向かうテルの頭に机に起きっぱなしになっているトウモロコシの残骸をぶつけてやった
結果はナイスヒット!
ざまーみろだ
ニヤニヤしながら席につくとドンマロは震えて俺の顔を見ていた
ん?と思ったがどうやら俺の顔ではなく俺の後ろを見ているらしい
恐る恐る振り替えると同時に「スイマセンっす、ちょっといいっすか?」と後ろにいた少年が話しかけてきた
「なん・・・っすか?」
顔は知っている 名前は・・・なんだっけ・・・度忘れしてしまった 同級生なのはたしかだ なので同じような口調になってしまった
「僕のトウモロコシ知ってますッスよね?」
「!?」
持ち主キタァアアアア!しか し・・・まぁいいタイミングだ 証拠はついさっきテルにぶつけたから残ってない 第一 犯人は俺ではない 焦ることなんてなに一つないんだ 落ち着け俺
「し、知らないっシュよ・・・」
噛んだが気にしない
犯人はテルですよとチクることもできたがこれ以上めんどくさいことにはしたくない
なにせテルだぞ
俺達まで被害を被る可能性大だ
「そうッスか・・・」
落ち込んでいるのだろう
無理もない 大好きであろう好物がなくなったのだ 俺ならキレる
「無くしたのか?・・・災難だな・・・」
「・・・」
「気を落とすなよ 元気にいこうぜ」
なんとか励まそうとしたヤミヒロであったが瞬間!今まで少年の穏やかな口調からは想像もつかない、鋭い言葉のナイフがヤミヒロの三半規管に突き刺さった
「ふぅ・・・演技やめろや・・・お前が犯人やろゴラァ!」
「うふぇ!?」
誰かと聞き間違えたのかと思ったがそれよりこの動揺を誤魔化すことに必死になっていた
「え? じゃないやろ? われ!」
「しょッ、しゅッッ、しょーこはあるんかよ!?」
噛んだって気にしない これは冤罪だ
「われの机にあるサランラップ それ みてみーやゴラァ!」
え?
サランラップ?
はぁ!?
あのトウモロコシに包んであったラップか!
そしてそれは今、ヤミヒロの机にクシャクシャになったままだ
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
そしてそのラップには
油性インクで
[バードシーの]
としっかり書かれていた・・・
~つづく~
次回予告
まさかの被害者登場! ついでに怖い! なぞに怖い! このままでは犯人にされてしまうヤミヒロ 腹痛でトイレ中のテル 傍観者ドンマロ 謎の刺客バードシー
絶対絶命の中 昼休みも終わろうとしていた・・・ だがしかし!五時限目を切り抜ける最後の切り札はこの時もう用意されていたのだが・・・!?
気づけるのかエヌピィシィメンバー!
やれるのかエヌピィシィメンバー!
感動の緊急会議編 完結は近日公開予定
みてね☆ミ