内藤環境管理株式会社の”あなたの分析室”だより

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ダイオキシンの分析って?

2008-10-31 20:00:00 | 技術情報 その他

こんにちは、チュー太です。

ダイオキシンって、他の分析に比べてずいぶん時間がかかるし、

値段も高い…。

でもそれには理由があるみたい。

ダイオキシンは極微量分析です。どのくらい微量かと言うと、

東京ドームを水で満杯にしたところに、角砂糖を粒(1g)

入れたときの砂糖の濃度を測っているくらい微量なんです。

こんな極微量の世界だから、時間とコストがかかるわけです。

ちなみにダイオキシンの分析工程をまとめると・・・


Cyuuta_4

Dxn_5













となります。非常に簡単に書いてありますが、フローはこんな

感じです。

今回はこのフローの中の抽出部分についてレポートしたいと

思います。

抽出とは試料の中から目的成分(この場合はダイオキシン)を

とり出すことを言います。

例えば、ティーパックにお湯を注いで紅茶を入れると茶色く

なりますよね?

これは、お茶葉から目的成分である紅茶成分をとり出している

ので、一種の抽出なんですよ!

話を戻しまして、単に抽出と言っても、排ガス、灰、土壌、大気、

排水等々、なんと種類ごとに抽出方法が違うんです!

種類ごとに様々な処理をした後、ソックスレー116時間以上

抽出します。

土壌は、乾燥させてからソックスレー抽出します。

他の媒体もマニュアルやJISに則った方法で行っているんです。

使用するガラス器具には番号が付いているので、トレーサビリ

ティ2がとれます。

また、正確なデータをお客様に提供するため、いつ洗浄したか、

どのような洗浄方法か、どこに片付けたかまで全て記録します。

器具を使う前にも洗浄していますし、分析に使用し洗浄した後は、

雰囲気3からの汚染がないように保管するのです。

た、ダイオキシンのサンプルを扱う部屋は、外部への汚染を

防ぐため陰圧になっており、さらに低濃度試料用の部屋と、

高濃度試料用の部屋と、機器分析用の部屋とに分かれています。

極微量なので、雰囲気や他試料からの汚染に対し、細心の注意を

払っているのです。

今回はここまで。次回はクリーンアップ操作では何をしているのか

についてレポートしたいと思います。

     1  ソックスレーとは、還流冷却抽出装置のこと。沸騰させ、

   気体となった抽出液を冷やすことで、また液体に戻し、

   目的成分を抽出させる

     2 トレーサビリティとは、跡をたどることができること。

   さかのぼって確認できるようにすること。

     3 その場をとりまく空気のこと。

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