今回は先日探し物をしていて発見したレアなボードゲームを紹介します。
中華圏の謎なボードゲーム、児童闘獣棋と新式陸戦棋です
飛馬廠というのはメーカー名でしょうか??
香港的秘密(吉田一郎著)168ページから
新式陸戦棋は中国大陸版軍人将棋、児童闘獣棋は「香港的秘密」という本で「動物軍人将棋」として紹介された謎ゲームです。
今回は「動物軍人将棋」こと「児童闘獣棋」の方を紹介します。
元々香港的秘密の本でこの「児童闘獣棋」を知ったのですが、その後00年代初めの頃の香港旅行の際に現地のローカルな文房具屋兼おもちゃ屋のようなお店で発見したので、弟に見せるネタとして購入しました。
軍人将棋(行軍将棋)そのものについては、こち亀の漫画(99巻)で読んで知っていましたが、その動物版ということですが・・
値段は記録してないものの、同時に発見して買った陸戦棋(中国版軍人将棋)には5HKドル(約75円)のシール表示。動物の方も同じぐらいだったはずです。
外箱。虎とライオンが戦ってる背後で象が吠えてる写実的ながらコミカルな結構上手な絵ですね。ただこのゲーム、ライオンは登場しないのですが・・
箱自体何かの再利用のような雰囲気ですね
コマは8個×2で16個、20個×2で40個の日本の一般的な将棋に較べてかなり簡略化されているようです。この雑な絵が彫ってあるコマ、中華圏の子供はこれで分かるのか・・、これ手彫りなんでしょうかね??手彫職人の技術と苦労がしのばれます。
盤は紙のシート式(B4サイズ?)。ただ頻繁に遊ぶと破れたり破損しそうなのでコピーを取ってから遊ぶのがよさそうですね。
シート上にルールが書いてあるものの、簡体中文の小さくて薄い文字で解読する気になれず・・コレクションアイテムのようになっていました。
しかし今回発見したのを機にネットで検索してみたらなんとこのレアゲームが解説されているサイトを発見。
「日本と世界の行軍将棋」
の151ページ(PDF上では51ページ)で解説されているのを発見
(少し前に中国版軍人将棋の陸戦棋も解説)
更にはwikipediaでも解説されています
(まぁWikipediaは悪戯編集など話半分な面もありますが、このレアゲーム、他に情報がなかなかないので)
よって上記サイトの内容からルールをまとめると・・
登場する動物は、象、獅子、虎、豹、犬(狗)、狼、猫、ネズミ(鼠)の8種、象が一番強く順番にネズミが一番弱いものの、例外としてネズミは象に限って倒すことが出来る。(説明によれば耳の中に入って齧って喰えるという理屈)
・コマの初期位置は決まっていて、盤上に表示されている場所に置く(→表向き)
・全てのコマは上下左右に動ける
・コマ同士がぶつかった場合、強いコマは弱いコマを取れる(喰う→取ったコマの再使用は不可)
・ただし、自軍の「陷阱」のマスではコマの強さに関係なく相手のコマを取れる。
・自軍の「獣穴」のマスに自軍のコマは入れない
・最終的に相手のコマを全て取るか、自軍のコマが相手の「獣穴」のマスに到達すれば勝利。
盤上の「小河」内での動き方は例外的に複雑
(なので以下にwikipediaをそのまま引用)
- 狗鼠は河川に入れる唯二の駒である。
- 狗鼠は河川から直接陸にいる象や狗鼠を取ることはできない。
- 両方が河川の中にいる場合、狗鼠は敵の狗鼠を攻撃できる。
- 陸の狗鼠は河川の狗鼠を攻撃できない。
- 獅、豹(橫越)と虎は縦にも横にも河川を飛び越えることができる。ただし、間のマスに狗鼠がいた場合は飛び越えられない。飛び越えた場合も、相手の駒を取ることができる。
(以上)
注意:河に入れるのは「鼠」のみで「狗」は不可としているサイト等もある。また私の「児童門獣棋」のシートの解説も「鼠」のみで「狗」は不可と読み取れます。
ゲームに勝つためには河に入れて「象」を倒せる「鼠」の使い方が一つのポイントになりそうな印象ですね
これが駒の初期配置。盤上に初期位置がすべて記載されているので、それにあわせて駒を置けばいいだけ。
初期位置が決まっている→駒を裏返す必要はない!?→審判役は必要ない!?
「香港的秘密」の本に「動物軍人将棋」と紹介されていたので軍人将棋に近いゲームだと思っていたのですが、実際には軍人将棋とは異なる、普通の将棋のルールを簡略化した「子供向け将棋」と考えた方がよさそうです。
「動物軍人将棋」ではなく「動物将棋」と呼ぶ方があってそうですね。
ゲーム風景
審判役が不要ということで3人目はギャラリーになってしまいました。
この動物将棋こと闘獣棋、日本メーカーが生産や輸入発売して国内で遊ばれていたような実績はあるのでしょうか?また発祥の中華圏でも今は遊ばれているのでしょうか??
私が2000年代前半にこのゲームを買った昔ながらの香港のローカルな文房具屋兼おもちゃ屋。香港の不動産価格の高騰のあおりなども受けて近年ではだいぶ減ってしまったようです。
かってこういう面白いお店があったエリアも2017年に訪問した際は、日本のショッピングモールと変わらないような風景になってしまったり・・。まだ残っているなら次回に香港に行った際は是非訪問したいですね。
ちなみに地下鉄(MTR)がないバスでしかいけないエリアの住宅団地の商場(商店街)辺りなら、まだあるかもしれないと睨んでいます。
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2021/2/12 21:45(JST)