(新)八草きよぴ(kiyop)非公式モリゾー愛ブログだトン

妹尾河童著-河童が覗いたインド

先日たまたま寄ったある書店で偶然見つけました。
妹尾河童著・河童が覗いたインド (新潮文庫)です。

私の性格的に、本に限らず買物の時になかなか即決出来なくて、発見した時は立ち読みでぺらぺらとめくって見て、「どうしょうかな~?」と思いつつもその場では買わず店を出て、後で欲しくなったら買いに行ったりという事がしょっちゅうあります。

この本もご多聞に漏れずに「家に帰ったら欲しくなった」パターンで、最初見つけた店は遠いので代わりに普段よく行く店を数軒探すも見つからず・・・。
流石に初版が平成3年(文庫本化)なので店でもなかなか置いていないようで、「ネットで注文するか~」と思っていたら偶然町田で発見して購入しました。



内容は河童氏の2回に渡るインド旅行記の紀行文で、タージ・マハル始めとしたインド各地の観光地の訪問記の外に、各地で出会った街の人たちの生活や彼らとの交流もイラスト付で紹介されているのも興味深いです。

本文には写真がない代わりに、河童氏が旅先でスケッチしたイラストが豊富に添えられて、文章はいわゆる活字ではなく手書き?の文字(手書きフォントかな?)でぱっと見、文字が小さい目で読みづらそうな感じがしましたが、読んでいて全然気にならなかったです。

ちなみに実際に旅行した日付には触れられていませんが、記述内容から推定すると1970年代後半頃となんと今から25~30年前の、私が生まれていたかどうかという頃ですが、読んでいてそんな前の事とは全然分からず、30年近く前の事だと知ってビックリです。



内部はこんな感じです。
左のイラストは序盤のカルカッタのホテルの部屋

各地で泊ったホテルごとにこのような俯瞰図と値段が記載されているのもこの本の特徴です。
私も記録の意味などもあって旅行記ではホテルの部屋の写真を掲載しているのですが、どうしても写真だと写せる範囲に限りがあるので全容をなかなか表現出来ないのが難点です。俯瞰図が描ける河童氏が羨ましいですね。

列車の旅についても書かれていて、寝台列車の個室や庶民の乗る2等の座席車の様子なども緻密なイラストで表現されている上にベットや座席の寸法まで記述いるのは興味深いです。
2等(普通車)の座席車で長距離はさすがにきつそうな上に盗難なども心配ですが、1等の個室はなかなか快適そう。ただ現地の人の生活に触れられて楽しいのは2等だとか。
公共交通機関なので2等の運賃は安く抑えられている反面、贅沢品である1等の運賃はかなり高くなっているそうです。

読んでるだけで乗りたくなってくるのはもちろんですが、駅や車内で売り子さんがお菓子や食べ物、コーヒーなどを売り歩いていたり車内で食事が食べられる話(どうやら食堂車ではなく調理室から席や個室まで運んでくるタイプらしい)を読むと、ついつい食べたくなってきちゃいますね。楽しそうです。

文中に(鉄道にあまり興味のない人にはどうでもいいことだと思うので)「収録を大幅にカットすることにした」
という記述があるのは残念。カットしないでもっと見せて欲しかったです
それでも鉄道に関して15ページ以上も記述されているので色々と興味深いです。

ところで、インド旅行というと他の紀行書などでも、一番最初空港に降り立った時から、タクシーなどの客引きがわらわらと押し寄せスキあればボッタくってやろうという連中が集まって来るというような事が書かれています。こういう記述を読むと「酷い国だなぁ~」とか色々思ってしまったりするものですが、河童氏も到着早々、客引きやボッタクリ狙いのタクシー・施し要求の洗礼にあう訳ですが、

彼らに言わせれば「他の国からインドに観光に来ることが出来る人は、間違えなく我々よりもお金持ちだ。豊かな人から貰ったり、高く売るのがどうして悪い事なんだ?別にヒドイことではないのではないか?」と言う

という記述には考えさせられるものがあります。
先日のニュース記事でも、IT産業の興隆など近年の発展は著しい半面、建国以来の課題である貧困層の撲滅には道遠く、予備層は逆に増えている今のインドの課題が取り上げられていました。
「インドは決して貧しい国ではない。しかし貧しい人がとても多い国だ」という本文中で紹介されている表現や一握りの金持ちは我々日本人が想像できないほどの金持ち。という事実。
昨今日本でも格差問題が課題となっていますが、格差社会というものは
「これを書いている私も読んでいる貴方も読んでいない皆さんも、み~んな底辺層。そして努力すれば上にいけるようなものでは決してない」
という事を学び認識しなくてはならないのではないでしょうか。


***

さてこの本を読んですっかりインドに興味を持ち、私も行って見たくなってきますが、かの地は日本とは水や食べ物が違い風土が異なるので、日本人は大体お腹を壊すと言う話を聞きます。胃腸が弱くて日本にいながらでもお腹を壊す事が時々ある私にはかなり厳しいかも
地元の人が普通に食べているようなものを食べてこそ旅行の醍醐味だと思うのでツアーとかで行くのは無理そう(お腹壊すと思うので)だけど、1人で行ける自信はないのでなかなか大変そうですが・・・

2007/8/27 14:25UP

コメント一覧

きよぴ
Willi@mさん、モリゾウの月、入会ありがとうございます。

>網走刑務所

おぉ・・「河童が覗いた日本」ですか。
タイトルの「河童」
実は頭にお皿を載せている河童の方をイメージしていました。
Willi@m
妹尾河童(旧名:妹尾肇)のシリーズはおもしろいよね。
小生も、中学の図書館で読んだりしたなぁ。
網走刑務所の俯瞰図とかが書いてあるのもあったよ。

ちなみに、あの手書きフォント、味があって好きです。w
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「その他の話題(食べ物etc) others」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事