サイフォンは、僕と珈琲の出会いの抽出器具だ。
遠い昔、僕が中三の頃・・・確か夏休みだったなぁ。
真面目な僕は、ＮＨＫ教育テレビを見ていた。
（ホントは、教育テレビでやってた高校野球が切り替わって、ちょうど試合が終わった直後で次の試合まで時間があったんで、そのままにしていたんだが・・・。）
その時、たまたまテレビでやってたのが『コーヒー講座』だった。
サイフォンで淹れてたコーヒーがとても美味しそうに見えて、
（そういえば、うちにもこの器具あったな）って思って、押し入れから古いサイフォンを引っ張り出した。
いっしょにアルコールランプとアルコールの容器もあった。
オフクロに「インスタントじゃないホンモノのコーヒーってあるとね？」って聞いたら、
もう２～３年以上経ったようなホコリを被った「モカ・ブレンド」の缶が出てきた。
ほんで、今テレビで見たように淹れてみた。
『なんじゃ、こらぁ。マズい！腐っとるのか？』
これが初めて自分で淹れたコーヒーの味の感想・・・。
それから、「新しいコーヒーならどんな味がするんだろう？」って興味が湧いてきて、
近くのスーパーから缶入りのレギュラーコーヒーを買ってきて、また淹れてみた。
最初の味が強烈にマズかったんで、今回はえらく美味しかった。
たっぷりの砂糖と顆粒状のミルクを目一杯入れたが・・・。
それから、たまにオヤジやオフクロにコーヒーを淹れてやったりしてた。
そして、学生の頃のバイト先で本格的なサイフォンで淹れた珈琲を飲んで、珈琲にのめり込んだ。
専門書をいっぱい買い込んで、抽出器具もサイフォンから三穴ドリップ、円すい形ドリップ、ベトナムコーヒー、フレンチプレス、ネルetc・・・・いろんな器具で試してみた。
そして１１年前、珈琲が仕事になった。
いまでも思う・・・・、
「好きなことを仕事でやってるオレって、幸せなんだろうな」・・・・って。
●木家珈琲倶楽部
熊本県宇城市松橋町きらら３－３－８
（ウイングまつばせ横）
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