北関東の宮彫・寺社彫刻(東照宮から派生した宮彫師集団の活躍)

『日光東照宮のスピリッツ』を受けついだ宮彫師たち

伊勢崎の屋台-茂呂町一丁目の屋台

2022年08月22日 | 各論⑳その他
伊勢崎市茂呂地区には5台の屋台があります(茂呂町一丁目、茂呂町二丁目、茂呂南町、美茂呂町、南北千木町)。以前のブログ(2018年10月16日)で南北千木町屋台(彫工:岸亦八一門)を紹介しました。今回は、同じ地区の茂呂町一丁目(宿組)の屋台を、屋台蔵で見学した事情で後面を中心に紹介します。制作年は箱の蓋の墨書から嘉永六年(1853)になりますが、鬼板懸魚の彫物は彩色がされており、他の素木のものとは異なります。彩色彫刻は嘉永期よりも前のものを疑います。屋台の構造は一層四輪式で、唐破風の屋根を持ち主素材はケヤキ。前方が舞台方で、後方が囃子方で高欄がつきます。
・後面鬼板と懸魚「玉巵弾琴」



・屋台の構造の模式図 左が前方で、右の高欄がつく部が後方。


・屋台の後面


・屋台の後面上部 宿組の(宿)の紋がつきます。


・屋台後部の腰羽目 「松に鶴」


・屋台後面の欄間「波に亀」


・屋台の脇障子 90度開閉します。
進行方向右手の脇障子「虎と仙人(巨霊人か)」


その裏


進行方向右手の脇障子「龍と仙人(陳楠、呂洞賓か)」 




・屋台前方部(舞台方)の上部

左前方の欄間「孔雀」

右前方の欄間「孔雀」


中央の上部  妻部「鶴」、欄間「波に鯉」

その後面


収納箱の墨書 嘉永六年


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