北関東の宮彫・寺社彫刻(東照宮から派生した宮彫師集団の活躍)

『日光東照宮のスピリッツ』を受けついだ宮彫師たち

海道町の天棚(栃木県宇都宮市)

2021年03月17日 | 各論⑳その他
天棚(てんだな)は、五穀豊穣、風雨順調を祈る天祭の際に組み立てられる祭壇(車輪がなく、二階造りが特徴)です。栃木県内では、宇都宮周辺にしかありません。鹿沼の彫刻屋台のように装飾されることがあります。令和3年3月に奥州街道沿いの海道町で、天棚のための倉庫ができて、組み立て常設されることになりました。このブログでは、以前(2019年7月28日)に東下ケ橋の天棚を紹介しました。今回は天棚としては2台目で、彫刻は彩色されています。

完成した海道町の天棚。レールの付いた土台の上に組み立てられました。




●組み立ての流れ
・1階部分の骨格の組立


・2階部分の骨格の組立


・2階部分の屋根の前方部の装飾(鬼板、懸魚)の取付


鬼板、懸魚は「龍」






・1階部の付き出し部の装飾(鬼板、懸魚)の取付


「獅子」




・欄間、脇障子の彫刻の取付
1階部正面「牡丹」


1階部右側面「牡丹」


・完成




●細部の彫刻について
・2階部 正面欄間「ブドウにリス」


・2階部 左前方部、木鼻(獅子、象)、欄間(ブドウにリス)


・2階部 右前方部


・2階部 側方欄間 「山ジャク」


・2階部 内部の欄間 「ミミズク」




・1階部の屋根の前方部 箱棟「牡丹」


・脇障子
「鳳凰」


「孔雀」


*他にも彫刻のパーツはあるのですが省略させていただきました。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿