北関東の宮彫・寺社彫刻(東照宮から派生した宮彫師集団の活躍)

『日光東照宮のスピリッツ』を受けついだ宮彫師たち

■新説:彫物師・嶋村流の系譜

2024年06月17日 | 総論 
北関東宮彫研究会の今までの調査の蓄積から、嶋村流の系譜(新説)を作成しました。 (訂正)俊美→俊実 ここに至るまでに、諸々の知見が集約されていますが 詳細はここでは省きます。 (伊八の流れは省略) . . . 本文を読む

・柴又帝釈天 帝釈堂胴羽目【第10面】-彫刻師 加藤寅之助

2024年03月31日 | 総論 
第十面の胴羽目 「法華経説話:法師守護 加藤寅之助作 (縦 127㎝、横 227㎝、ケヤキの一枚板)  最後の胴羽目 題材は、『法華経』巻第八 陀羅尼品第二十六 「擁護法師」(諸尊の守護誓願) 左下部  岩窟内で誦経する僧侶を合掌礼拝する天部形 他の部分  屋内で病臥する人物の元に瑞雲に女神(5柱)かけつけ、別の棟内で書物を広げる人物に同様に女神(3柱)が駆けつける場面  女神は十 . . . 本文を読む

・柴又帝釈天 帝釈堂胴羽目【第9面】-彫刻師 小林直光

2024年03月30日 | 総論 
第九面の胴羽目 「法華経説話:常不軽受難、法華経功徳」小林直光作 (縦 127㎝、横 227㎝、ケヤキの一枚板) 題材は、 左下半分は、『法華経』巻第七 常不軽菩薩品第二十「常不軽受難」  石を投げつけられたりしている常不軽(菩薩) 他の部分は、『法華経』巻第七 薬王菩薩本事品第二十三「如寒者得火」「如子得母」「如渡得船」「如暗得燈」 「常不軽受難」 拡大 常不軽菩薩 「法華経功徳」 . . . 本文を読む

・柴又帝釈天 帝釈堂胴羽目【第8面】-彫刻師 今関光治(今関匠閑)

2024年03月26日 | 総論 
第八面の胴羽目 「法華経説話:良医治子、展転随喜」今関光治作 (縦 127㎝、横 227㎝、ケヤキの一枚板) 題材は、 左半分は、『法華経』巻第六 如来寿量品第十六「良医治子」  屋内で病んでいる男性、庭先で薬を調合する医師 右半分は、『法華経』巻第六 随喜功徳品第十八「展転随喜」  法華経聴聞の随喜が人づてに広がっていく場面 良医治子 展転随喜 法会にのぞむ二人の僧侶と、聴聞の . . . 本文を読む

・柴又帝釈天 帝釈堂胴羽目【第7面】-彫刻師 山本一芳

2024年03月26日 | 総論 
第七面の胴羽目 「法華経説話:龍女献珠」 山本一芳作 (縦 127㎝、横 227㎝、ケヤキの一枚板) 題材は、『法華経』巻第五 提婆達多品第十二「龍女献珠」  龍王の娘(龍女)が、海中から出現して釈迦に宝珠を奉献する場面。 釈迦 珠をもつ龍女 龍女の従者 刻銘 作者の山本一芳、 胴羽目寄付者の鈴木源次朗 ・模型彫刻(大客殿廊下)  作者 山本一芳 ・手水屋 北面後方 . . . 本文を読む

・柴又帝釈天 帝釈堂胴羽目【第6面】-彫刻師 加府藤正一

2024年03月24日 | 総論 
第六面の胴羽目 「法華経説話:千歳給侍」 加府藤正一作 (縦 127㎝、ケヤキの一枚板)  帝釈堂後面4枚の胴羽目は、中央の2枚が、少し幅が短めになる。 題材は、『法華経』巻第五 提婆達多品第十二「千歳給侍」  釈迦の前身(国王)が法華経の教えを受けるため、阿私仙(提婆達多の前身)に千年間給侍した説話。  右上 岩窟内で端坐する仙人(阿私仙)  右下 谷川の水を汲む者(国王)    左 . . . 本文を読む

・柴又帝釈天 帝釈堂胴羽目【第5面】-彫刻師 石川銀次朗(二代信光)

2024年03月24日 | 総論 
第五面の胴羽目 「法華経説話:多宝塔出現」 石川銀次朗作 (縦 127㎝、ケヤキの一枚板)  帝釈堂後面4枚の胴羽目は、中央の2枚が、少し幅が短めになる。 題材は、『法華経』巻第四 見宝塔品第十一「宝塔出現」 上部中央 多宝如来が宝塔とともに地中から出現して空中に浮かんでいる。  周囲は会衆  多宝如来 下部 宝塔如来を拝む人々 刻銘  「二世信光改八十翁 石川銀次朗作」 . . . 本文を読む

・柴又帝釈天 帝釈堂胴羽目【第4面】-彫刻師 横谷光一(初代横谷宗舟)

2024年03月23日 | 総論 
第四面の胴羽目 「法華経説話:法師修行」 横谷光一作 (縦 127㎝、横 227㎝、ケヤキの一枚板) 題材の主題名は「法師修行」であるが、以下の法華経のいくつかの場面が複合して成形されている。 『法華経』巻第四 法師品第十「持経者護念」「鑿穿高原」 『法華経』巻第八 普賢菩薩勧発品第二十八「普賢影向」 右下 法華経持経者を包み守ろうとする如来「持経者護念」 左下 岩窟内の持経者を合掌礼拝 . . . 本文を読む

・柴又帝釈天 帝釈堂胴羽目【第3面】-彫刻師 石川信光(三世信光)

2024年03月22日 | 総論 
第三面の胴羽目 「法華経説話:一雨等潤」 石川信光作 (縦 127㎝、横 227㎝、ケヤキの一枚板) 題材は『法華経』巻第三 薬草喩品第五  「一雨普潤」「三草二木」  ―仏法の平等を降雨の普遍性に、仏法受容の個人差を草木の多様性に例えた。 右上部に雨神と雷神が下界に雨を降らしている 中央に薬草園と管理人(園丁) 下部は、水辺で遊ぶ天女たち 左上部は、洞窟内の修行者と天女 . . . 本文を読む

・柴又帝釈天 帝釈堂胴羽目【第2面】-彫刻師 木嶋江運

2024年03月21日 | 総論 
第二面の胴羽目 「法華経説話」 木嶋江運作 (縦 127㎝、横 227㎝、ケヤキの一枚板) 『法華経』譬喩品第三 三車火宅 右に火事に遭った建物 ―この世界を火宅となぞられている。火が龍のような動きをしている。 右下 退避のために待機する三車(牛、鹿、羊) 左下 火災に気づかず遊んでいる童子 左上 火災した家屋内で病で臥床した婦人 譬喩品第三:三界無安 猶如火宅 衆苦充満  . . . 本文を読む