季節の野原で葉っぱの音を・・・。

心の畑も耕せる農家でありたい。

衣の時間

2024年07月10日 | 衣食住の中の衣



耕して、植えて育てるのは、春の農家のシゴト。
水分を先に体内に入れておいて、雑巾を絞るように(時には絞らずとも滴り落ちるように)汗を流すのが夏の農家のシゴト。
巡る水の中で、農婦の中に残るものは、淡々と黙々と地道に歩くための心身の筋力なのかもしれません。
しかしながら、ダラダラと長くやっていては身にならず、ましてや現実的に身が持たないので、クールダウンも兼ねてパンパンとやることを切り替えていた、ここ半月でした。

育てた桑から更にお蚕さんを育て、繭から絹糸にする方法を関心のある方々と共に学び、育てた藍で染める。
命あるものが姿を変えて人間の衣食住の暮らしを支えるに至る過程を
手仕事で経験し、深く考え、それぞれに心で何かを感じることは、目の敵にしている訳ではありませんが、どんなにAIが進化しても真似のできない人間技と確信します。

思い立って、農婦の浴衣を子どもに縫ってもらっていたのですが
(逆じゃないのかとご指摘を頂きましたが、最近は若いもんに任せることにしました。)その過程を見ていても、専門性のある手仕事は、どれもその動作に無駄がなく、それを支える道具類と共に機能美を感じます。

その一方で、世の中、それぞれの役割や専門性のある担い手、技術、素材、機能、資源、頭脳明晰な方々の知識や思考回路など、様々なおかげがあって循環していることにも感謝をしつつ、
一介の農婦にできることはごくごく限られているとの謙虚さを持って、
やはり、地道に歩いていくことしかできません。
コメント
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