その手のままで 2011年10月25日 | 詩 その手のままで その心のままで 傍にいる距離は近すぎて 心は距離をとる 懐かしい記憶は 夏が過ぎて秋の匂いの頃 薄れていく記憶に かすかに薄れていく記憶に 眠りの記憶に 触れてはいけない記憶に その手のままで その心のままで 声が届く距離に居すぎて 心は距離をとる 遺されてく物達に 想い出の冬を迎える頃 たどる記憶はなくて かすかに火は燈る消える 繰り返す記憶に 戻る種火はなくて消える その手のままで その心のままで 心は消えていく
繰り返す記憶のおくれ 2011年10月18日 | 詩 繰り返す記憶のたどり着く終着駅には 残夢うつつのなごりの傷跡に苦しむ 置いてきぼりにしてきた心を犠牲にし ひととひとの ひとはひとの あがきの絆のなごり ささやきのなかに にごりの水輪の足跡を残す たらし込む水に手を忍ばせては その冷たい感覚に覚えを見 心帰るところ いずこに在ろうか
雪が降る前に 2011年10月18日 | 詩 日に日に寒さ見に染いる 雪の降る前に 雨が降り行く 心残りの静けさに ため息ひとつ漏れて 深く眠りの谷間に見いる 雪が降る前に 雨が降り行く 暖かみある記憶に 心切なくも想いの 心ある身に付ける物の印に 心ある渡した言葉の記憶に 絶え間なく絶え間なく降る雪のように 積もり積もり幾重にもかさなり白くなる
ながれゆくぬくもりのように 2011年10月11日 | 詩 手をにぎるふれあうぬくもりのように 寒さの風の中できわだつ 胸のうちでゆるやかに 体のなかに浸透していく 波風間に走る 高台で風をよみ 鷹をまつ私の肩に 東から西からながれ着く便りを読む 灯台で眠りゆく友に別れを告げて 私は歩いてこれからも生きていく あたたかいぬくもりに あたたかい眼差しに かこまれて私はしあわせだから 小さい頃孤独にさいなまれた時代を 人間と言う生き方をあがいた日々を 振り返っても 人のぬくもりは心のぬくもりは 痛みをやわらかにゆるやかにほぐしていく