晩秋のたんぽぽ 2011年11月26日 | 詩 ながるるる時にまかせて その流れに身をまかせて どんぶらこっこ どんぶらこっこ 日向のこころにふれて わたしは秋の終わりの寒空の下に 一輪のたんぽぽをこころに咲かす
悲しくもない傷みもない心 2011年11月18日 | 詩 冬の我が心は悲しくもない傷みもない心 涙ひとつも頬をつたうもなく 冬の我が心は悲しくもない傷みもない心 枯れた心は感じることはない 冬のように静かにただ静かに生きていく
生きていく者達に恋して 2011年11月16日 | 詩 生きる者達に 恋して追いかけて そばにいて その吐息を聴いて もう何十年になるだろう 明るくも暗くも 鳥のそばにいたくて めぐるめくる時を過ごしたもの そののち、出会いがあり 絵を描く者としての道に導かれ 今がある 息づかいが聴こえてくる 生きる者達を、 一筆一筆に込めて 恋する者達に近づいて 私は生きていきたい
細み目みる先に 2011年11月14日 | 詩 陽射しがさしこむ 海辺のたもとの波しぶきの音に 耳を傾けてみれば 翼ひろげる君がいる やわらかい風を味方に すべるように私の頭上をよぎる 波打ち際にやすむ君は 風をさそい 目先を彼方に見いり 動く合図をするが 私はその飛び立ちの姿に見いり 美しくし過ぎるその姿に いまだにチャンスをモノにできない 風を読む君に その小さい命ちに かつて愛した小さい友と暮らした日々を重ねる
惑わす風が吹く 2011年11月11日 | 詩 惑わす風が吹く 蒼いろのつぶやきが はるか彼方から聞こえ震えている 惑わす風が吹く 筆をふるうひとときに 真底この作品のなかに魂を込めるときに 惑わす風が吹く どんな時もひとときも かけがえのない筆に紙とともに色で表していく