PTS きんぱね株式会社     タンクの修理奮闘記

貯水槽と呼ばれるタンクの補強・修理を行なっている会社の奮闘記です。安心・安全な水を飲んでいただくために頑張っています。

補修は貯水タンク本体だけではありません

2013-07-11 10:41:33 | 貯水タンクの補修事例
とある工場の高架水槽。



外観は設置後33年が経過して経年劣化しています。



しかし一番大きな問題はココです。



ゲタ基礎の上にFRPパネルタンクを支えている平架台が乗っている訳ですが、ずれない様にアンカーボルトで止めてあります。



そのアンカーボルトが所々朽ちてことごとく脱落しています。



このままでは地震等で揺れた時にタンクがゲタ基礎からずれてしまいます。



タンク本体がずれてしまうと接続されている配管が千切れて大変な事になってしまいます。



タンクがずれない様にゲタ基礎にしっかり固定してやる必要があります。



まず新たにゲタ基礎にアンカーボルトを打設します。



曲げ加工したステンレスのプレートを取り付けていきます。



ゲタ基礎毎にプレートで平架台を押えていきます。



平架台のコーナー部は2枚のプレートで押えます。



しっかりとゲタ基礎に固定する事で地震の際も安心です。



阪神大震災の時は固定が十分でなく、ゲタ基礎からずり落ちたタンクがたくさんありました。

架台を固定しているアンカーボルトがしっかりとその役割を果たしているか?
貯水タンクの点検時にしっかりと確認してくださいね。


中国道パーキングのFRPパネルタンクの補強

2010-06-25 17:55:20 | 貯水タンクの補修事例
中国道のパーキングの受水槽を補強しています。



一日に使うお水の量が中途半端じゃありません。
しかも24時間給水設備はフル稼働です。
断水しない様に仮設タンクを組んでの補強工事です。



仮設タンクからはブルーシートが張り出しています。
これ雨よけなんです
オートキャンプのタープみたいですね。



ポンプは加圧給水方式です。
コンピューター制御で一定の水圧を給水管に送っています。



施工している工事内容「内部パネル接合部FRP樹脂ライニング工事」です。



ちょうど設置後、約15年が経過してFRPパネルタンクの接合部から漏水が発生していたのです。



接合部にFRP樹脂を張り付けて内部の接合部を無くします。
タンク内部が一体になり漏水の要因を完全に無くしてしまうのです。

食事やトイレ等でパーキングには水が絶対に必要です。

近頃はシャワーや宿泊出来るパーキングもある様ですね。

これで安心してドライブを楽しんで戴けますね

工場の工業用タンクの補強工事 パート4

2009-02-18 17:53:52 | 貯水タンクの補修事例
さて、この工業用タンクの補強・補修工事もいよいよ仕上げです。

水槽内部の底・側面部はガラスマット3枚積層したFRP樹脂ライニングが施されています。
天井部は外部からガラスマット2枚積層したFRP樹脂ライニングが施されています。

FRPは先にも述べました様に、太陽光線中の紫外線と熱や風雨で劣化します。
タンク内部は太陽光線が当たらないので大丈夫ですが、タンク外部は紫外線で劣化しない様に保護コーティング(塗装)を施す必要があります。

新たに積層したFRP樹脂は完全硬化した後に透明になります。
旧の劣化したFRP面が透けて見えてしまいます。

美観的にも外部劣化防止コーティング工事を施します。



ローラーで丁寧に貯水槽専用コーティング塗料リユースTコートを塗って行きます。



ローラーで塗れない部分は、大小の刷毛を使って塗り残しがない様にします。
この作業を2回繰り返します。



リユースTコートは、その強力な塗膜で汚れを寄せ付けず、藻やカビの発生を防ぎます。
また太陽光線を遮断するので、FRPタンクが劣化するのを強固に防ぎ、さらには夏場であってもタンク内部の水温が上昇することもありません。



側面も見違えるように美しくなりました。
これで強度は新品以上に、さらには外観も新品の様に生まれ変わりました。



工事期間中お立会頂いた、こちらの会社の専務様にもたいそう喜んでいただきました。

「工場は特殊な工業用タンクがたくさんあって、困ってるところも沢山あるよ。だから、もっとしっかり宣伝しないといけないよ!」
って激励も頂きました。

工業用貯水タンクでお困りの方、お電話下さい。
もちろんビル・マンションの飲料用貯水タンクでお困りの方も。
全力で補修・補強させていただきます

フリーダイヤル0120-109-513(タンクの恋さ)

工場の工業用タンクの補強工事 パート3

2009-02-10 11:37:37 | 貯水タンクの補修事例
内部の補強が終わり漏水も完全に止まりました。
次はいよいよ外部の補強と補修です。

特に外部の天井部は太陽光線中の紫外線や熱・風雨で劣化してFRPの補強母材であるガラス繊維が露出・流出しています。
FRPの板厚が薄くなり、天井部はベコベコで点検等で上に乗ると踏み抜きそうになります。

1リットルの牛乳パックの上の部分を切り取り、水を入れて上から見ると四角い牛乳パックが丸くなろうとする様子が見られます。
貯水タンクも同様で四角い水槽に水を入れると、その水頭圧(ヘッド圧)で丸くなろうとする応力がかかります。
天井部はこの応力を支える役目を果たしており、その強度が落ちれば天井が裂けて最終的にはタンクが破壊すると言う事態になります。



強度が低下した天井部には外部天井部FRP樹脂ライニング工事を施します。
まず天井部にプライマー(接着剤)を塗布します。
次にガラスマットを置きルーラーでポリエステル樹脂を含浸(ガンシン)させて行きます。
この作業を2回繰り返し、ガラスマット2枚積層のFRP樹脂層を作ります。



ガラスマットの積層の間にはどうしてもエアー(気泡)が溜まるので脱泡ローラーで丁寧に空気を抜き接着して行きます。



外部天井部FRP樹脂ライニング工事完了後です。
天井部に新たに2mm厚程度のFRP層が出来上がり大幅に強度がアップしました。
上に乗ってもビクともしません。
内部は底・側面とも内部からFRP樹脂ライニングが施してあるので、これで貯水タンクの6面共に補強されたことになります。
強度も大幅にアップして新品よりも強くなっています。



あと貯水タンクの付帯部品を取付または交換します。
貯水タンクには必ず通気管が必要です。
通気管の役割は水槽内の水位の上下に伴う空気の流入出のためにあります。
丈夫な傘で雨が水槽に入らないように、また開口部には細かい網が付いていて、ゴミや虫が入らないようになっています。
当初この工業用タンクには通気管が付いていませんでした。
しかし万一この水槽内部に大きな負圧がかかる場面があればと考えると通気管は必要です。
地震によって水槽が左右上下に揺れた時、水面が大きく揺れスロッシング現象(液面揺動)が起き、水槽が破壊されます。
このスロッシング現象に対しても通気管の設置は有効です。



マンホールのパッキンも劣化していましたのでPTSマンホールパッキンに交換いたしました。
これも劣化したままだと水槽外部からの異物が浸入する恐れがあるので交換が必要でした。



水槽内へ水が流入して定水位で止まるようにするボールタップも交換します。
当初付いていたのは単式のボールタップ(写真の上)で少し水位が減っただけで水が入る構造です。
これだと水面が若干揺れただけで水が入ったり止まったりして配管への負担も大きくなります。
今回は複式の水位差式のボールタップに交換しました。
ある一定の量が減らないと水が流入しないので水面の揺れにも影響されず、動作回数も減るので配管にも負担がかかりません。



取替したところです。
これで工業用タンクの付帯部品の取付・交換も終わりました。

これで強度的にも機能的にもまったく新しいタンクに生まれ変わりました。

いよいよ最終仕上げになりますが・・・次回パート4に続きます。





工場の工業用タンクの補強工事 パート2

2009-02-05 16:33:12 | 貯水タンクの補修事例
工業用タンクの内部にFRP樹脂ライニング工事を施します。
まずFRP表面を脱脂して、PTSサプライマーを施工面全体に塗布します。
このタンクは内部全面(天井部は除く)にFRP樹脂を貼り付けます。



500mm幅にカットしたガラスマットにポリエステル樹脂を含浸(ガンシン)させて行きます。
この作業を三回繰り返してガラスマット3枚積層のFRP樹脂層を形成します。
1層大体1mmの厚みがあり、3枚積層することで約3mmの厚みのFRP層が形成されます。



この様に平面でない部分も曲がり角度が90度程度であれば、その形に沿ってFRP樹脂を貼り付けて行きます。
下地処理に、PTSサプライマーが塗布してあるのでタンク内部のFRP面とFRP樹脂とが分子構造で結合し完全密着して行きます。



内部全面FRP樹脂ライニング工事が完了しました。
水槽内部にもう一槽FRPのタンクを作りこんだ複合構造のFRP一体型タンクに生まれ変わりました。



内部に3mm厚さのFRP層で補強されていますので、タンク強度は新品の時よりもアップしている筈です。

屋外設置されているタンクは、設置後15年以上経過すれば、初期強度から概ね30%程度、強度が低下します。
例えばパネル組立式FRPタンクのFRP板の初期強度は引張強度で10mpa/c㎡程度あります。これが15年経過すると約70%の7.3mpa/c㎡まで低下します。

この引張強度が低下したFRP板に今回の工事と同様のFRP樹脂ライニング工事を施すと12.5mpa/c㎡まで強度が回復します。
これは初期強度の125%になり、結果として新品より強くなるわけです。



内部全面FRP樹脂ライニング工事が完了したタンクの内部に補強材を戻します。



これで内部の工事は完了です。
水槽内部にもう一槽FRPのタンクを作りこんだ複合構造のFRP一体型タンクなのでもう漏水する心配もありません。
漏水を止めるばかりでなくタンクの強度も新品より強くなりました。

でも天井部は内部から補強していません。
天井部はなにもしないのかと言えばそうではありません。
天井部もタンクの構造上、非常に重要な役目を果たしていますので補強が必要です。

天井部の補強と付帯消耗部品の交換は、パート3に続きます




工場の工業用タンクの補強工事 パート1

2009-01-22 11:21:56 | 貯水タンクの補修事例
きんぱね株式会社が補強・補修する貯水タンクは、ビル・マンションの飲料用貯水タンクだけではありません。

工場の工業用水を貯め置く、工業用タンクも補強・補修致します。

特に工業用タンクは、その工場の特性に合わせた特殊なタンクが多く、その種類も様々です。
でも共通して言えることは、取り替えとなるとタンクが特注品なので値段が凄く高くなる。
また設置場所が複雑な場所にあって取り替えが困難になっている。等等で困っておられる工場がたくさんあります。



こちらの工場は老舗で歴史も古く、特殊な技術でオンリーワン的に世の中に製品を送り出されています。
今回、きんぱね株式会社のホームページを見て下さり、直接お電話を頂きました。
早速、下見をして点検報告書とお見積書を提出させて頂き、工業用タンクの補強・補修を施工することになりました。



使われている工場用タンクも、FRP製の一体型タンクの特注品で非常にしっかりしたものだった様です。
工場棟の屋根の上にこの様に設置されているんですが、屋外設置のために20数年と言う長年の熱・風雨・太陽光線中の紫外線の影響で外部が見事に劣化しています。



特に天井部は紫外線で劣化して、FRP板の補強母材であるガラス繊維が露出・流出しています。
この状態天井部に乗ると大きくたわんで、下手すると踏み抜きそうになります。

早く補強してやらないと地震のスロッシング現象(液面揺動)でタンクが破壊するかもしれません。

 

水槽内部もFRP板の表面が劣化し荒れた状態になっていました。
今回このタンクの底部から漏水していました。漏水した水は工場棟の屋根を伝い生産ラインの上から落ちてくるとの事。
早く直さないと生産ラインがストップしたままになってしまいます

内部にはタンクが水圧で壊れないようにFRPの板状の補強材がジャングルジムの様に入っています。



その補強材を全て取り外した状態です。
一体物タンクの場合、どの部分から漏水してるかは分かりません。
要因としてはどこかに必ずクラック(ひび割れ)があります。
このクラックは大きく目視できるものもあれば、マイクロクラックといって目視できないものも多数あります。
水は針ほどの穴からでも水圧がかかれば簡単にタンク本体から出てきます。
だからタンク内部の底・側面部全面にFRP樹脂ライニング工事を施します。



一体物FRPタンク内部にもう一つFRPのタンクを作ってしまう工法です。
内部にFRPの新しいタンクを完全に密着させて作ってしまうので当然タンク強度は大幅にアップしますし、漏水も完全に無くなります。

これを数日間の断水だけで行ないます。その実際の施工の様子は次回パート2に続きます


FRPパネルタンクの内部補強と補強材の取替工事 パート3

2008-11-25 11:09:11 | 貯水タンクの補修事例
いよいよ内部補強材の取り付けです。

内部パネル接合部FRP樹脂ライニング工事を施して強度がアップした補強材貫通部分に穴を開け直してステンレス製ステーボルトを通します。




通してから微妙なテンション(張り具合)を調整します。
この調整に前回記載したターンバックルが活躍するんです。



6角の長~いナットの様なものがターンバックルです。
中に順ネジと逆ネジが切ってあり、回すとこの中にステーボルトが出たり入ったりして微妙な長さの調節が簡単に出来るんです。

テンション(張り具合)をしっかりと調整してタンクのバランスを改善します。



全ての補強材を復旧して完成です。
内部パネル接合部FRP樹脂ライニング工事で漏水の要因がなくなり、タンクの強度も大幅にアップしました。
また伸びてしまったステンレス製ステーボルトを微調整が利くターンバックル付きステンレスステーボルトに交換することでタンク全体のバランスを改善して新品よりも強いタンクに生まれ変わりました。



生まれ変わったFRPパネルタンクお水を張り、仮設配管から切り替えます。
仮設配管と仮設のポンプ室ドア等を撤去します。



仮設タンクも撤去して、車に積み込みます。
仕事は収めが肝心です。
汚れた部分は無いかしっかりと清掃して復旧いたします。



施工後です。
今回の工事は内部だけでしたので外観からは分かりませんが、その強度は大幅にアップされています。



設置後23年も経っているFRPパネルタンクですが、完全に生まれ変わりました。
後はマンションの鉄部塗装等の時期に合わせて、外部劣化防止コーティング工事を施せば、マンションがある間は、貯水タンクを取り替えずに済みます。

お問い合わせはきんぱね株式会社へお気軽にどうぞ

フリーダイヤル0120-109513(タンクのコイさ)


FRPパネルタンクの内部補強と補強材の取替工事 パート2

2008-11-22 11:49:04 | 貯水タンクの補修事例
仮設給水工事も完了し、いよいよFRPパネルタンク内部の補強工事に移ります。



施工前のタンク内部の様子です。
内部補強方式のタンクで、内部には縦横斜めに補強材が張り廻らされています。
このうちステンレスのステーボルトと言うものがあります。
これはステンレスの12mm¢の長い丸棒で、1m単位でロングナットで締結されています。
そしてパネルが外へ開こうとする水圧の応力に対して、水平にFRPパネルを支えている補強材です。

FRPパネルの接合部の十字部分に当たっているプレートにFRPパネルを貫通して外で締結されています。

これが長年の間に伸びてきて、タンク全体のバランスを崩して漏水が発生するのです。
長さを調整して付け直せば良いんでしょうが、ロングナットの締結部は長さ調整がほとんど出来ません。
さらに外のプレートの部分でステンレスのナットが焼き付いてしまい、切らないと外せない状況になっています。



補強材を外している途中の写真です。
水槽内部の補強材は片槽づつですが全て外してしまいます。



まず、内部パネル接合部FRP樹脂ライニング工事を施して行きます。
FRPパネル接合部にサプライマーを塗布します。



200mm幅×1,000mmの3枚積層したFRP樹脂を施工面に順次貼り付けて行きます。
脱泡ローラーでしっかりと接着させ、空気を抜いて行きます。



交換するステンレス製ステーボルトです。
2.0mが24本 3.0mが18本です。
当社が使用するステンレス製ステーボルトはロングナットではなくターンバックルで締結されています。
ターンバックルとは6角のロングナットの様な形状ですが、本体の長さはロングナットに比べて長く、さらに内部に順ネジと逆ネジが切ってあります。
だからこのターンバックルを回すだけでステーボルトの微妙な長さ調整が取付時にでき、パネルタンクのバランスを改善するのです。



内部パネル接合部FRP樹脂ライニング工事が完了して補強材貫通部の穴を開けなおしたところです。
補強材の貫通部も穴が大きくなり、場所によってはクラック(ひび割れ)が発生して、漏水の原因になっていました。
ですから十字部分は四角くFRP樹脂ライニングを張り増しして、より強度を持たせています。これで漏水の要因は完全になくなり、タンクの強度もアップしました。

いよいよ補強材の取り付けです。

次回に続きます。


FRPパネルタンクの内部補強と補強材の取替工事 パート1

2008-11-13 17:39:56 | 貯水タンクの補修事例
貯水タンクの補修事例の前回の続きになります。

このパネルタンクは2槽式で幅3m奥行4m高さ3,5mで42トンの容量があります。
外部は約10年おきくらいに定期的に塗装が施してあり、特に問題ありませんでした。
しかしパネルの接合部と内部補強材の貫通部から、漏水が発生していました。
パネルの接合部パッキンの経年劣化が原因で、漏水は発生しているのですが、問題はもっと別のところにもあります。

水槽の高さが3.5mもあるため、水頭圧(ヘッド圧)が非常に高いのです。
水頭圧とは水位が高いほど強くなる水の圧力の事で、当然、水槽にかかる水圧の負担はタンクの高さが高いほど大きくなる訳です。

今回の工事では、内部パネル接合部FRP樹脂ライニング工事にプラスして内部補強材の取り替えを行います。

その理由は、タンク設置後十数年が経過して、水頭圧(ヘッド圧)からパネルを守る役目を果してきた内部補強材(ステンレス製ステーボルト)が伸びてきて、タンク全体のバランスを崩してしまっています。

これが原因で至る所から漏水しているのです。



施工をするFRPパネルタンクの全景です。



今回の工事は1日の断水で出来る工事ではありませんので、仮設給水を施します。
施工対象となるFRPパネルタンクのすぐ傍に仮設のパネルタンクを設置します。

その仮設タンクの設置ですが、まず足付き架台を組み立てパネルを並べて行きます。
これが底部分のパネルになります。



次に側面部のパネルを順次組み立てて行きます。
中央の作業員が手に持っているのがパネル接合部のパッキンです。
とても柔らかくて弾力があります。これがパネルの接合部の水圧の微妙な膨張・収縮の動きにに追従して、止水も役目を果しています。
古いパネルタンクは多くはこのパッキンが硬く弾力もなくなり、動きに追従できなくなり、漏水が発生する訳です。



施工対象のFRPパネルタンクには周りに足場を作り、飛散防止ネット設置して行きます。
今回の工事では内部補強材(ステンレス製ステーボルト)を交換するんですが、経年劣化でナット部分が焼き付いて、切断工具で切らないと外せません。
その際やはり足場は必要ですし、切断中の火花や埃が近隣に飛ばないように飛散防止ネットを設置しています。



次に組みあがった仮設タンクに飲料水の導入管と加圧給水ポンプへの給水管設置して行きます。



配管は邪魔にならないところに敷設し、ポンプ室の出入り口は仮設のドアを設置して配管だけが通るようにします。



仮設タンクの内部を清掃消毒して、水を張ります。
施工対象のFRPパネルタンクから仮設タンクの配管に切り替えをします。
その後、各ご家庭の蛇口からいつも通りお水が出ているかを確認してから施工対象のFRPパネルタンクの水を排水します。



いよいよ本来目的とする工事の始まりです。

この続きは次回へ・・・


安全対策の必要性

2008-10-09 19:51:24 | 貯水タンクの補修事例
TOTO製パネルタンクの改修工事です。

主な工事内容は、内部パネルタンク接合部FRP樹脂ライニング工事です。

でもタンクの高さが3.5mあり、内部の補強材が受ける水圧が結構高いんです。
内部にはその水圧にタンクが耐えられるようにステンレスの補強材が入っています。

その補強材がタンク設置後23年を経て伸びてしまっています。
そのせいもあってタンクのバランスが崩れ、漏水していました。

タンク形状3.0×(2.0+2.0)×3.5mH 
2槽式 42.0トン



フェンスに囲まれている2×4×1.5mH 12.0トンのタンクは工事期間中の仮設タンクです。

通常、内部パネルタンク接合部FRP樹脂ライニング工事ですと、工程は複数日かかっても1日(約9時間)断水で施工しているのですが、さすがにこのタンクはその様な工程では終わりません。

仮設タンクがあれば、配管の切替時にほんの少し断水するだけで、工事期間中は断水することなく済みます。



さらに内部補強材を外す際にステンレスのボルトが全て焼き付いてしまっているので、電動工具で切らないといけません。

その際、若干の火花や埃が出るので足場と飛散防止ネットを施しています。

内部の施工状況は、次回お届けできればと思います。



工事用車両です。

以前、記事にした営業車と同じく後ろのウインドーには、PTSリユース工法のシールが貼ってあります。

話は変わりますが、昨今あいも変わらず食品の安全性について次々に新しい事実が浮かび上がってきています。

せめて自分達が守れる飲み水だけでも、安全にお客様にお届けできればと、それが社会から求められている使命だと再認識して作業を進めております。

FRP一体型タンクの取出口からの漏水

2008-08-29 14:58:39 | 貯水タンクの補修事例
特殊な補修方法の事例をご覧下さい。

貯水タンクは岩谷製のFRP一体型タンクです。
お客様からタンクの配管から漏水していると連絡がありました。



確かにタンクの配管の付け根から漏水しているんですが、実は取出口(とりだしぐち)の根元から漏水しているんです。
取出口とはタンクから配水(給水)を取り出す重要な部分になります。

この取出口は、タンクと一体の様に見えますが、実はFRP製のフランジにボルトを埋め込んでタンクに樹脂のパテで取り付けた物なのです。



まず配管の保温材を丁寧に取り除きます。
ナイロン製ゲートバルブは数年前に取り替えたとの事で、配管の面間の余裕はないものの、何とかバルブの取替無しに作業を終える様に計画しました。



バルブからタンク側の配管を全て撤去して、タンク本体の取出口を撤去します。
樹脂パテで覆われているので普段はその全貌を見ることは出来ません。
撤去すればこの様な穴だけが残ります。



撤去された取出口です。この様にFRP製のフランジからボルトが出ています。
ボルトの頭はFRPのフランジの中に収まっているんです。



斜め横から見るとこんな感じです。このFRP製フランジの中にボルト頭が収まっていると言うのが曲者で、通常時に配管だけを替え様と思って、配管との締結ナット緩めようとすると、長年の経年劣化でナットが焼きついて力を入れて回すと、供回りをして外れないんです。
そうなってしまうと二進も三進も行かなくなり、配管更新は出来ない、漏水はするはで、大変なことになってしまいます。
このタイプの取出口を見かけたら、配管更新はこのままでは不可能と判断したほうが賢明です



さて、そんな不可能を可能にするのが「リユース工法」です。
まず配管の面間が狭いのでステンレスの溶接した配管に更新します。
次にFRP製のフランジノズルをタンク内部まで差し込みます。

この状態では、まだフランジノズルは穴に差し込まれただけで、穴との間に隙間もあります。



配管で支えた状態でFRP樹脂ライニングを施し、貯水タンクに固定します。
今度はFRP製のフランジノズルがタンクの内部まで貫通して内部も外部もFRP樹脂でライニングして固定するので、もう漏水の心配がありません。

しかも取出口から先は、露出したフランジボルトの締結なので、今後配管更新の予定があっても問題なく作業が出来ます。



タンク内部の状況です。これが施工前です。
内側には取出口様の穴が開いています。取出口は基本的に外で留まっている物で、タンクの強度が落ちてくると接続部分にひび割れが出来て漏水していた訳です。



こちらが施工後です。FRP製のフランジノズルがタンクの内部まで差し込まれ、外部同様FRP樹脂でライニングされて固定されているので、強度に優れ、漏水する心配もありません。



外部のFRP樹脂でライニングした部分は太陽光線で劣化しない様に専用のコーティング材で仕上げて行きます。



グラスウールで配管の保温を施します。



その後に配管保温カバーを復旧して完成です。

取出口の根元から漏水していると言う現象から、配管の更新をして、タンクは修理不可能として取り替える事にする場合が多いようです。

しかしながら昔のFRP一体型タンクは工場で職人が木型から丹精込めて作った丈夫なタンクが多いです。昭和時代のMADE IN JAPANです。取り替えるのは、もったいないです

取り替えることなく、補修・補強が可能です。諦めないでぜひご相談下さい

貯水タンクリユースのきんぱね株式会社