小学校に上がった頃、点字の教科書を目で追っていましたところ、
シベリア帰りの先生に「点字は手で触る物だ」と叱られてからは
目を使うことは有りませんでした。
２８歳になったある日、ふと単眼鏡と拡大鏡を付けると
文字が見えたのに気がつき大変驚きました。
それからというもの、母校に駆け込み小学校の先生から
教科書を借りることに…
今まで見えなかった世界が見えてきて、毎日がびっくりの連続でした。
たとえば「おがわ」は「小川」と書くとか
「音楽」と「数学」の「がく」という字が違うとか…
でも「黒」とか「鳥」とかになると見づらかったのを覚えています。
もちろん楽譜もその曲を知っていたので独学で勉強しました。
小学校の先生や周りの皆様の協力で
字画の少ない物は何とか読めるようになりました。
寸暇を惜しんで教科書を見ていたので、
阪急沿線ではかなり有名で有ったことを
有る女子校の先生から聞いたのは、ずいぶん後の事でした。
昔のことを先生が書かれると私の中の普段は眠っている記憶が目を覚まし、変な感じです。
庭のフキをいただいて帰ったこと、ゴンちゃんのこと、ギロでしたっけ？ミスハワイの持っていた楽器やアイヌのムックリ等、いろんな楽器を見せてもらったこと。
先日は、とうとう先生のお母さんが夢に出てこられました。
これからも私の記憶を刺激する記事、楽しみにしています。