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バラ科:専門医

A memorandum

原発内、高線量下で作業 東電と関電工に是正申告 「末端は口出せない」

2012-11-04 12:06:45 | 覚書
原発内、高線量下で作業 東電と関電工に是正申告 「末端は口出せない」
共同通信社 11月2日(金) 配信

 東京電力福島第1原発事故直後に復旧に当たった元作業員の男性(46)=福島県いわき市=が1日までに、放射線量が高いのに管理を適切にしなかったのは労働安全衛生法違反として、東電と作業を請け負った関電工(東京)に是正を求め、富岡労働基準監督署(福島県)に申告した。

 関電工に対する申告は刑事罰を求める告発に当たる。

 男性は1日、厚生労働省内で記者会見し、危険な状況での作業を強いられていることについて「末端の人間はなかなか問題だと口に出すことができない。今も続く廃炉作業が安全にできるようになればいい」と話した。

 申告書によると、男性は昨年3月24日、第1原発3号機のタービン建屋内で、計6人で電源ケーブルの敷設作業をした。内訳は関電工の社員2人、1次下請けが1人、2次下請けが男性を含む3人。

 建屋地下に入ると、線量計が20ミリシーベルトを超えたことを知らせる警報音が鳴ったが、関電工の社員が「誤作動の可能性がある」として作業の継続を指示した。

 地下で汚染されたたまり水を発見し、男性を含む2次下請けの3人は「危険だ」と作業を拒否。関電工と1次下請けの計3人はたまり水に入り作業を続け、うち関電工の2人は緊急搬送された。

 途中、東電に所属する防護服姿の別のグループが来たが、毎時400ミリシーベルト以上の線量を計測して撤収したという。

 東電によると、たまり水に入った3人の外部被ばく線量は173~180ミリシーベルト。東電は「非常事態で作業員が高線量の被ばくをしたことは申し訳なく思っている。労基署から是正を求められれば誠実に対応したい」と説明。関電工は「社員2人が高線量の被ばくをした後、作業中の安全には十分に留意している。男性の申告については把握していないが、真摯(しんし)に対応していきたい」としている。
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一夜漬けはやめよう

2012-03-26 21:40:30 | 覚書
一夜漬けはやめよう

間隔を変えて繰り返すのが最良の学習法らしい

高校や大学の教師はよく、一夜漬けの勉強をしても身につかないと言う。2011 年 12 月に Nature Neuroscience 誌電子版 に掲載された研究は、この教育学の常識を生物学的に実証したようだ。
テキサス大学医学部ヒューストン校の神経生物学者 John H. Byrne らは、コロンビア大学のノーベル賞学者 Eric R. Kandel の研究室で開発された学習法に、ひとひねり加えた。 Kandel の方法はウミウシの一種であるジャンボアメフラシ
(Aplysia californica)の尾に一定間隔でショックを加え、その後、時間が経ってから軽いショックを与えて、過剰な反応を示すかどうかを見るというもの。過剰に反応した場合、前の経験をよく覚えていることになる。
Byrne らが狙ったのは、この反応の背景にある化学反応を調整することによって、学習プロセスを強化できるかどうか を見極めることだった。アメフラシの全身ではなく、少数の神経細胞(感覚ニューロンと運動ニューロン)をシャーレに入れて実験した。神経伝達物質セロトニンのパルス(ショックに相当)を 20 分間隔で 5 回加えた。すると、セロトニン の刺激によってニューロン内部で酵素が働き始め、一連の生化学反応が起こって、ニューロンの発火が強まった。「この刺激は覚えている。痛いんだ」と言っているようなものだ。
反応には 2 種類の酵素が協調して働いていた。標準的な等間隔のパルスを加えた場合、細胞内でこれら 2 つの酵素 の活性が同時に最大になることはなかった。この事実は、このやり方が最善の学習法ではないことをうかがわせる。
そこで Byrne らは、コンピューターを使って、パルスの 間隔をさまざまに変えた 1 万通りの方法についてモデル計算した。これらのうち、酵素が両方ともフルに活性化する組み合わせを探したところ、最良の学習法はパルスを等間隔で加えるのではなく、10 分間隔を 3 回、その 5 分後に 1 回、 さらに 30 分後に最後の 1 回を加えるというパターンである ことが判明した。このパターンだと 2 つの酵素の相互作用が 50%高まり、学習プロセスがより効率的に進んだのだ。
さて、ではリーマン積分については 1 日おきに 2 週間勉強し、次は 1 か月ほど間をおいてから復習するのがよいのだろうか? そう結論するのはまだ早い。ただ、Byrne の研究は単純な等間隔で学習するのが最善ではないことを示しており、リハビリの方法など、神経科学者が今後追究すべき新たな研究課題が数多くあることを示している。
(翻訳協力:粟木瑞穂)
NEWS SCAN from nikkei science
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電波ジェットとブラックホールの関係

2011-09-11 13:41:15 | 覚書
電波ジェットとブラックホールの関係

Nature 477, 7363 (Sep 2011)

電波ジェットとブラックホールの関係Credit: NAOJ/AND You Inc.

近傍銀河M87などの活動銀河核からの電波ジェットは、大質量ブラックホールへの物質の降着によってエネルギーを供給されていると考えられている。この「中心エンジン」と、ジェットの基部となる明るい電波核との相対的な位置関係については、依然として推測の域を出ていない。今回、M87の新たな観測が6通りの周波数で行われ、その結果から、電波核の位置がおよそ20マイクロ秒角の精度で決定された。このデータから、中心エンジンは電波核の近傍にあり、43 GHzの測定ではシュワルツシルト半径の14~23倍の範囲内に位置することが明らかになった。

Letters to Nature p.185

全文 PDF
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ジャガイモゲノム:世界中で食べられている南米原産塊茎作物のDNA塩基配列

2011-07-17 08:33:14 | 覚書

Nature 475, 7355 (Jul 2011)
Cover Story: ジャガイモゲノム:世界中で食べられている南米原産塊茎作物のDNA塩基配列
Credit: C. Robin Buell

食料安全保障に重要な主要作物であるジャガイモのゲノム塩基配列が解読された。「ジャガイモゲノム塩基配列解読コンソーシアム」が、ホモ接合性倍加一倍体のクローンに加えて、ヘテロ接合性二倍体クローンのゲノム配列を明らかにしたのである。

ゲノムを解析した結果、ゲノム重複事象が過去に少なくとも2回生じていた痕跡が明らかになり、キク亜綱に特異的な遺伝子が多数発見された。

キク亜綱は顕花植物の巨大な分岐群で、ジャガイモはその中でゲノム配列が明らかにされた最初の植物である。遺伝子の存在/非存在を引き起こす変異など、有害となりうる変異が多数生じており、これが近交弱勢の原因となっている可能性がある。

このゲノム塩基配列は、収量を増大させ、病害およびストレス抵抗性を向上させるためのジャガイモの遺伝学的改良を促進すると考えられる。ジャガイモは現在、世界の食料生産の重要な構成要素であり、開発途上国ではその重要性が増しつつある(Article p.189)。
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喘息の先天的な手がかり Nature Immunology

2011-05-30 22:56:55 | 覚書
覚書

喘息の先天的な手がかり

An innate clue to asthma
Nature Immunology, 2011年05月30日
肺に見られる新型の免疫応答細胞が、ウイルスによって引き起こされる喘息に重要な役割を果たしていることが明らかになった。肺でこの細胞が見つかり、その作用、機能にかかわる分子が同定されたことで、ウイルス感染による喘息の悪化を抑制する新たな標的が明らかになるだろう。

喘息は軌道の慢性疾患で、インフルエンザ感染が引き金になることが多い。これまで、喘息の原因は免疫系のT細胞、B細胞による「獲得」免疫応答の不適切な亢進であると考えられてきた。獲得免疫応答には、外来因子を認識する特有の抗原受容体がかかわり、認識の記憶が保持される。これに対して「自然」免疫応答は、免疫系のさまざまな非特異的細胞によるもので、喘息とは関係がないとされてきた。

D Umetsuたちは、肺に存在して自然免疫応答を担い、インフルエンザ感染によって誘発される喘息に重要な役割を果たす細胞を同定した。この「ナチュラルヘルパー細胞」とよばれる細胞は、インフルエンザ感染後に肺の細胞が放出する引き金分子に反応して、T細胞やB細胞とはまったく無関係に喘息の症状を引き起こす。
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