「前向きに生きる」ことに疲れたら読む本2022/2/25
南 直哉
個人的には、この手の本は40代ぐらいまでが限度かな?と思いました。
正直ほとんど共感できませんでした。
なんでこの本を手に取ったかというと、
表紙のネコのイラストが可愛かったのと、
「前向きに生きる」ことに疲れたら、というタイトルにひかれたからなのですが...
作者に違和感を持ってしまった箇所があります。
(本文より)
「置かれた場所で咲きなさい」という言葉を初めて知ったとき、
私は思わず笑ってしまいました。
「幸運にも自分が置かれたい場所に置かれたのならともかく、
誰かに一方的に置かれた場所でただ咲けとは、
いったい何を言っているのだろう」と思ったのです。
ただ、このタイトルの本が大ヒットした理由はわかります。
このように言われたら、自分が苦しい立場に置かれていても、諦めがつくからです。
(本文終わり)
「置かれた場所で咲きなさい」は私も昔読みました。
処分せず部屋の本棚に今もあったので、何かしら共感できた本だったと思います。
南 直哉さんは、置かれた場所で咲かなくてもかまわないと言う。
置かれた場所が辛ければ、別の場所を探してもいいと...
うん、まあそうかもしれないけれど...
なんで思わず笑ってしまったんですか?
なんとなく作者の渡辺和子さんに失礼な感じがしました。
唯一共感できた箇所は
以前、ある中学校に講師として招かれたときのお話
(本文より)
ほかの大人は君たちに夢や希望を持てというかもしれない。
もちろん、夢や希望どおりに生きられた人間は、けっこうな人生を送れたのだからすばらしい。
拍手を送ろう。
しかし、私が今まで生きてきてわかったことがある。
それは、人生では夢が叶わなかったり、希望どおりにいかなかったりすることのほうが
ずっと多いということだ。
現実では、ほとんどの人間は夢破れる。
でも、心配するな。夢が破れても人は生きて行くことができる。
そのほうがもっと大事なことだ。
(本文終わり)
私が中学生の頃、こういう話をしてくれる大人がいたら
その後の人生かわっていたかもしれないなあ...
思春期の頃ってとても純粋で、努力さえすれば夢がかなうと本気で信じていたし
未来はとことん明るいものだと思っていたけれど...
ピラミッドの頂点に立てるのは、わずかな人たちだけなんですよね...
それから
前回レビューを書いた群ようこさんの本の最後のほうに
歳をとったときにいちばん大切なのは「人とのつながり」のようなことが書いてありましたが
やっぱりこの本も最後のほうで、大事なのは「人の縁」ですと書いてある。
うーん...そうはいっても、家族の縁が薄かったり、友人知人が少ない場合もあるしなぁ...
私のようにひとりが好きな人間はどうしたらいいんでしょうねぇ?
まあ、とりあえず「生き方本」はこれを最後にすることとします。
やっと秋らしい季節になりましたね。
私も「生き方本」は若い頃に沢山 読みましたが、
最近は小説の中で出合う言葉の方が しっくり感じます。
今は寺地はるなさんの小説を読み続けています。
「ガラスの海を渡る舟」より……
>もっと たいへんな人がいる。その言葉を口にする時、人は自分自身の感情をないがしろにしてしまう。やえちゃんの感じた恐怖は、やえちゃんのものなのに。
>ひとりひとり違うという状態こそが『ふつう』なんや。『みんな同じ』のほうが不自然なんや。
>記憶にはかたちがないから、壊れることもない。でも薄れる。遠ざかる。だから とどめておくために物に託す。それを目にしたら、いつでも思い出せるように。ガラスの骨壺を求める人たちがそう思っているかどうかはわからないけど、すくなくともぼくはそう思っている。
朝晩 急に寒くなりましたが、風邪などひかれませんように暖かくしてお過ごしくださいますように。
コメントありがとうございます。
生き方本を読んで、随分といろいろ実践してきましたが
あまりうまくいったためしがありません💦
こういう本はあくまで参考程度にとどめて、あとは自分の頭で考えることが大切な気がします。
寺地はるなさんの本、少しアマゾンで調べてみましたが
なかなか奥が深そうで、今度読んでみようと思います。
酷暑から、急に肌寒くなりました。
ソルトさんもどうぞご自愛ください。