犬を飼っている人たちには春になると自治体から
「狂犬病予防接種」の案内の ハガキが届く。
法律で義務付けられている狂犬病予防ワクチンの他に、
春に 予防してあげたいのが「フィラリア症」だ。
フィラリアとは、寄生虫が原因となる病気。 寄生虫というと、サナダ虫や回虫の
ようなお腹の中に寄生するのを想像するが フィラリアは血管や心臓に寄生する。
日本は清潔で食品衛生もしっかりしているため、日常生活では寄生虫を
意識するこは めずらしくなっているが、フィラリアは野生動物の少ない都市部や、
市街地でも 認められている。
犬猫の予防対策としてワクチン接種が有効である。
あまり知られていないが、沖縄では古くから人間に蔓延していた。
1965年フィラリアの防圧事業が開始されたことにより1978年以降沖縄県内での
陽性者はゼロとなった。 フィラリアの幼虫を体内に持つ蚊が人を刺すと、
蚊の体内の幼虫が人体内に侵入する ことによって人に感染する。
オバァから聞いた話では昔ひどい時期があったそうだ。
「マラリアもフィラリアもいっしょさぁ」という。
当時は治療法も行き渡らず、高熱が続いて、免疫力の強い人だけが生き延びた
という 話しをしていた。宮古島の保健所近くには「フィラリア防圧記念碑」が
ひっそりと 立っている。
昭和40年1月から宮古で始められたフィラリア防圧事業で宮古島全島民の
献身的な活動を讃える記念碑である。