宮古島は沖縄の離島の中でも水が豊富な島である。
水を含みやすい性質を持つ琉球石灰岩の地層を幅1790m、高さ27mの地中壁で区切る
ことによって地下水が海に流出したり海水が地下水に侵入したりするのを防ぐ
世界初の地下ダムが作られている。
地下に蓄えられた水は計85本の井戸からポンプで汲み上げられ、農地に送られている。
沖縄本島で干ばつが続くとダムの水位が下がって取水制限などがあるが、
宮古島は水に困ることがあまりない。
地下ダムができたのが1998年で今から27年前。
それまでは干ばつが起こることもあった。1988年に起こった干ばつでは大きな
被害が出たそうだ。まだ地下ダムができる前のこと。
夜中に車である集落の中を通り過ぎようとしたところ、突然道路に人が
飛び出して来てバケツで水をぶっかけられた。ビックリして車を停めると
すぐ近くにテントが張られてあって、そこには白い衣装をきたオバァたちが
並んで座っていた。
オバァたちはユタで雨乞いをしているところだった。
「雨乞いの邪魔をするな!早く立ち去れ。」と言うことで水を
ぶっかけられたらしい。
当時は干ばつになると、よくあちこちで雨乞いをしていた。
水をかけられるくらいなのでひどい干ばつでも水道が止まることはない。
昔は干ばつが起こると飲み水にも事欠いたという話しをオバァたちから
聞いたことがある。