本土では頻繁に緊急車両のサイレンの音が聞こえていた。
宮古島では救急搬送の音はよく聞こえてくるが、消防車のサイレンは
ほとんど聞かない。
沖縄全体でも昨年の出火出動件数は約400件で、内訳を見ると建物が177件、
原野火災が50件、車両58件、その他ボヤが163件となっている。
宮古島では原野火災はよくあるそうだが建物火災はほとんどない。
現在は消防車両もあるので、それほど大きな火災というのはあまり知らない。
それでも昔は火事は恐ろしいものであったそうだ。
オバァはよく「カママーイ、火の用心」という言葉を言っていた。
旧暦10月全国の神様は出雲へ出かけるので神様がいなくなるので
「神無月」とよぶ。沖縄には留守を守る神様がいるそうだ。
とはいえ神様も人手不足。それを補う意味で集落の人が団結して
火の用心を呼びかけた。ちょうど空気が乾燥して火事が起こりやすい時期なので、
集落の神人(カミンチュ)やユタが
「ヒーマチ拝み(防火の拝み)」をする地域もあったという。
その昔、村の役人が各世帯の竈(カマド)の様子をチェックしながら、
何か困ったことはないかと聞いてまわったといわれている。
沖縄のシーサーは魔除けといわれているが、もともとは火事を防ぐ
意味で作られた。沖縄の島尻郡八重瀬町でにらみをきかせている
富盛のシーサーが沖縄最古のシーサーといわれている。
これは防火のために作られたと書かれてある。