パーントゥは、宮古島で行われる厄払いの伝統行事。
仮面をつけ、身体中泥まみれの来訪神パーントゥが
集落を回って厄払いをする。
ことの始まりは、数百年前に島尻のクバ浜という海岸に
クバの葉でつつまれた黒と赤の仮面が漂着し、村民はこれを
来訪神として崇めたところ、ある男がその仮面をかぶって
集落を駆け回ったことが起源だと伝えられている。
かっては集落の厄介ものを引きずり回すことも多く行われ、
共同体の秩序維持にも一役かっていたとされる。
泥まみれにいつからそうなったのか定かではない。
勝手に家に入り込んで泥をぬるりつける、
特に新築の家や事務所には厄払いとして必ず訪れることに
なっている。
これがよく知られる奇祭、
重要無形文化財にも指定されているパーントゥ。
実は宮古島では、もう一つのパーントゥが上野の野原で
古くから旧暦の12月の丑の日に行われている。
地元では、サティパロウ、サティパライ(里祓、里払い)という。
成年女性と少年のみが参加し、成年男性、少女は参加できない。
面をつけるところは同じで少年のひとりがパーントゥの面を
つけて「ニーマガ」と呼ばれる井戸を出発し、その後に他の少年たち、
2列に並んだ婦人たちが続いて行列する。
少年2人がホラ貝を吹き、1名が小太鼓を打つ、婦人たちは草で
作った草冠を頭にかぶり、草帯を腰に巻いて練り歩く。
島尻のパーントゥと違って泥は投げない。
コロナの影響で今年は3年ぶりに行われたと新聞に載っていた。