真剣道外伝★無端晟輝の残日録

真剣道・基道館宗師範の残しておくべき余談集

巨きな「悪意」

2019年06月14日 | 安全な食品

「テロリストのパラソル」は故 藤原伊織氏の傑作で、乱歩賞、直木賞を同時に受けたというまれに見るフィクションです。

氏はフィクションの主人公たちと同じ東大で、時代も同じあの騒乱の70年代全共闘世代です。

おそらく「黒ヘル」関係者だったのでしょう。

 

その中で「おおきな悪意が世界を動かしている」という桑野(登場人物)の台詞が鮮明でした。

私も全共闘世代で、世代で思想を語ることはしない側に位置していましたが、まったく同感です。

 

現代のイデオロギーは史上まれな巨大な宗教として世界中に蔓延しています。

資本主義=拝金主義=競争原理・・・・・・

 

世の中には、動物の死骸を食べるのがいやだという理由でビーガンとして生きている方もあり

食べ放題の焼き肉+冷えたビールが大好きな方も多数いるでしょう。

 

いつから、こうした傾きが発生したのか、またその潮流にのりどうして「生き物」あるいは日本人としてのアイデンティテーがあやふやになったのか、そんなお金にならない研究をする学者もすくないでしょう。またごくわずかの人がそれらの傾きについて、いや、こうだよと異論を挟んだとして、「ガンはすぐなおる」とたくさんの本を出して活躍した安保徹先生のように、「すみやかに死亡」されてしまいますから、割に合わないですよね。

これも国家予算の3分の1が医療費でその半数がガンである、という数字の大きさを見れば、あらゆる関係者の邪魔です。

 

コンビニには食べたらいけない食品がならび、ホームセンターには除草剤が山積み、我々はおしまいでしょうか?

 

その警鐘の意味で15年ほど記事を書いてきましたが、このところ、別の観点が生まれてきたのも事実です。

それは自然淘汰の法則が人為的に仕組まれているのではないか? まちがった傾きも計算されたモノではないか?

その中で、伝統という時空を縦に貫く真剣道の端にいて個々の出来事とは別にサムライという特殊な戦闘者が築きあげた文化で事象を見てみる作業は実に興味深いモノです。

 

昨日でしたか、他流の方のブログを拝見して「浮雲」「颪」の変化を垣間見ました。

もともとその流儀は土佐に1週間ほど滞在し、正統からは相手にされず傍系にちょこっと習って、帰郷してから「創作」した古流とは呼べない性格のモノで、浮雲の足の意味に気がつくまで相当な年月を要したと記録があります。

その間に枝分かれした中山先生が「棒振り弟子」と嘆いた系統の方ならそのあたりで無理もない。

これも大きな傾きのひとつかもしれません。

 

音を立てて日本文化が崩壊している。

 

小説「亡国のイージス」で「最後に残った恥というイデオロギーさえ捨ててしまった日本人」というくだりがありますが、嘆息すること幾たびでしょうか。

 

あじさいが咲いています。

窓外雨、紫陽花の一枝を切ってきましょう。

 

 

 自分の風流のため咲いているモノを切る、これがサピエンスの仕業です。

あなたもそうであるように、私もそれらにすべての物事に荷担し生きてきた責任を免れようとは思っていません!