本当のヨーガを体得しましたので皆さんにご紹介したいと思い、これからいろいろと活動していきます。

 私の体験したヨーガの創始者はゴータマブッダ、即ちお釈迦さんで、日本には大正時代に中村天風によってもたらされました。

天風 野生の虎、3頭のいる檻に入る

2013-05-07 17:27:18 | 日記
 この話は日本経営合理化協会刊の天風口述「成功の実現」「盛大な人生」「心に成功の炎を」のいずれかに乗っていた話です。これらは私がほぼ完全に記憶するまで読んだ本です。皆様にもお勧めします。
 その中から信念の出来た人は野生の虎でも何ともしないという話を紹介します。ポイントは眼です。

 天風さんがインドからチャイナを経て帰国した後の話です。イタリアからコーンさんと言う、動物を見せる商売をしている人が来日して「日本には頭山満と言う偉い人がいると言うので一度会いたい」と言いだし、両国の外務省が間に立って面会する事になりました。

 当日頭山さんの肩もみをしていた天風さん、コーンさんが来たとう言うので後ろに控えました。同席したのは頭山さんの甥で柔道八段の松下(だったかな)と黒竜会の内田良平でした。この二人は相当の猛者です。

 部屋に入ってきたコーンさん、頭山さんを見て「おや、この人は猛獣の檻に入っても大丈夫だ。猛獣はなんともしません」と言った。そして頭山さんの肩越しに(後ろに控えている)天風さんを見て「この人も大丈夫だ」と言った。
 負けず嫌いの松下や内田が「おいはどげじゃ」と聞いたら「あんたは駄目。入ったらすぐに食われてしまう」と言われてしまった。
 頭山さん「永く生死の世界を生きてきた者は見る人が見るとわかるんじゃなあ」と感嘆しました。

 後日動物を一般公開する前にお見せしましょうとなって、有楽町だか何だかの会場にみんなでやってきました。すると奥の方でエライ大きな吠え声がします。コーンさん「実は野生の親子の虎3頭を人間に慣れさせる為に連れてきています。ちょっとうるさいですがご勘弁願います」と言った。頭山さん「そんな事はどうでもよい」と返事してその場に近づいたら、もうすごい勢いで吠えまくっている。

 それを見て頭山さん「天風、ちょっと入ってみるか」と言い出しました。天風さん「はい」と言って檻の前に進みます。コーンさん、当たり前のごとく鍵を開けて天風さんにどうぞとゼスチャーしました。

 檻は2重になっているんです。天風さん、外側の檻に入ってから、自分で内側の檻のカギをピーンと開けて3頭の虎の前に進みます。すると大騒ぎしておった虎2頭が前にちょこんと座りこんだ。その後ろに身体は成獣並みの子供の虎が猫のようにしゃがんだ。
 
 それを見てコーンさん、やっぱり私の言った通りだろうとの表情をしました。

 その時同行していた共同通信(だったかな?)のカメラマンが「こりゃすごい」とばかりフラッシュをたいてシャッターを切った。それに驚いた3頭目の虎がカメラマンにだあーと襲いかかった。
 カメラマンびっくりしてカメラを放り出して逃げ出しました。
 
 まあ、二重の檻に守られているからどうって無いのですが。
 (この時の、天風さんが黒紋付きを着てにっこり笑って虎の前に立っている写真を、確か金子さんと言う不動産業をやっていた人が兵庫県の芦屋に有る親戚の家に飾ってあったのを見て天風さんを20年以上探したという話です。)

 それを見て頭山さん「勢いの有るやつじゃなあ」と言いました。天風さん「ええ、勢いのあるやつですよ」と言ってその虎の頭をひっぱたいてやったそうです。

 その後いつまでも虎と同居している訳にも行かないので出てきました。虎は追いかけてこなかったそうです。

 コーンさんが、天風さん、頭山さんの二人を「大丈夫だ」と評価したのは、眼を見たからなのだそうです。一切の恐れを持たない、何とも思っていない眼をしている人でなければ野生の猛獣使いにはなれ無いのだそうです。この眼は言葉では表せません。紹介した写真を見てください。私も5年くらい三昧行をしてやっとこの眼の良さが分かりました。


 今は無くなってしまったかも知れないサフアリパークでの話です。ライオンがじゃれて女性飼育員の腕を軽く噛みました。以前ならなんていう事無くライオンをあしらったのでしょうが、彼女は最近婚約したばかりでした。守りたいものが出来た彼女は一瞬怖れを感じました。途端、ライオンは彼女の腕を噛み切ったのです。


 恐怖を感じた時、人の運命は変わります。山岡鉄舟が岡崎に於いて西郷と面会した後、西軍の囲いを通って江戸へ帰る時、あわやという事態に出くわしました。危うく助かった鉄舟は「この大事な一刹那 微塵でもこっちに恐怖心が有ったら体に隙が出てくる」と言っています。
 
 しかし天風さんや、頭山さんの境地は明確な五感と思考を持ちながら、隙を見せる見せない云々の話ではない意識状態です。二人はどんな野生動物でも従ってしまう境地を持っていました(人間は別ですよ)。
 という事は貴方も出来るという事です。同じ人間なのですから。

 私?とてもそんなところまでは行ってはいません。

 

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