#661: ふたりの誓い

2014-11-18 | Weblog
“For All We Know”という曲名を聴いて、カーペンターズを想起する人は多いだろう。
71年『ふたりの誓い』という邦題で、日本でも大ヒットした。
この曲に限らないが、70年代を通じて、カレン・カーペンターの歌声を聞かない日はなかったほどだ。ちなみに、CD以前のレコード時代(89年頃まで?)に、日本で一番売れた海外アーティストはビートルズ、2位がカーペンターズだったそうである。

元々サイ・ハワード監督の映画『ふたりの誓い』(Lovers And Other Strangers‐1970)の挿入歌だった。
蚤助はこの映画は未見だが、いろいろな男女の結婚を題材にしたコメディ映画だったという。
特段スター俳優が出演していたわけではないようだが、女優ダイアン・キートンの映画デビュー作だったそうだ。もっとも、新人女優ということで、ほんのチョイ役だったに違いない。
かくの如く、映画の方は比較的小粒だったのだが、この挿入歌が同年のアカデミー賞最優秀歌曲賞を受賞してしまうのである。
結婚式のシーンでラリー・メレディスという男性歌手の歌が流された。

カーペンターズがこの曲を録音したのは、70年の秋のことで、たまたま映画を見たリチャード・カーペンターが気に入り、彼らしいアレンジを施した。
リリースすると、アメリカ国内だけでもレコード・セールスが110万枚を超えるミリオン・セラーとなったほか、世界中で大ヒットするのである。
カレンの声はこの曲にもとっても合っていた。


FOR ALL WE KNOW (1970)
(Words by Robb Wilson & Arthur James, Music by Fred Karlin)

Love, look at the two of us, strangers in many ways
We've got a lifetime to share
So much to say and as we go from day to day
I'll feel you close to me
But time alone will tell
Let's take a lifetime to say “I knew you well”
For only time will tell us so
And love may grow for all we know...

愛よ、私たちを見て いろいろ知らない二人だけど
これから生涯を共にしていくんだ
語るべきことはたくさんあるし 一日一日と日が経つにつれて
あなたを身近に感じていくだろう
でもそれを教えてくれるのは時間だけ
生涯をかけて「あなたがよく分かった」と言えるようになろう
なぜって時間だけがそれを教えてくれるのだから
そして愛が育っていくんだ お互いのすべてを知ることで…

冒頭の Love は相手に対する愛情を込めた呼びかけで、「あなた、おまえ」というくらいの意味にとってもいいだろう。

作詞に名を連ねるロブとアーサーは意外なアーティストのペン・ネームである。ソフト・ロックの人気グループだった「ブレッド」のメンバー、ロブ・ロイヤーとジェームズ・グリフィンである。
作曲のフレッド・カーリンはジャズのコルネット奏者、作・編曲者から映画・テレビ界に転じた人だ。

作詞者のひとり、ジェームズ・グリフィンの歌はいわば自作自演なので、これがオリジナル・ヴァージョンといってもよいのではなかろうか。


これから共に暮らしていこうとする二人が、一生涯をかけてお互いを知り、愛を育てていこうと誓う歌だ。
ズバリ、結婚式の披露宴などにピッタリの曲ではないか! 新郎新婦がこの曲をデュエットする場面があってもよさそうだ!!(それにしても、なぜここで必要以上に力が入るのか…笑)。

バツイチとバツ2が誓う永久(とわ)の愛  蚤助


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。