いよいよ、最終日である。
おのずと気合いが入る。
今までは歩くのが嫌になるような場面がたくさんあったが、なんだか今日は一歩一歩がとても大事に思えて、僕も現金なやつだなぁと再確認。
アルも今までの中で一番調子がいいのではないか?というくらいシャキシャキと歩いている。
(恵蘇宿橋の橋の上で。この橋の下にはきれいな水が流れていた)
歩き始めてすぐに対岸に渡るため、
恵蘇宿橋を渡る。
恵蘇宿橋の下ではおじいちゃんが、腰まで川につかり何かやっていた。
よく見ると川に中に杭を何本も突き刺して鮎漁の罠を仕掛けているのだ。
結構流れが強いのだがおじいちゃんは、慣れた足取りで刺した杭に網をかけていく。
「捕れますかぁ~~~!」と叫ぶと、「今からですたい!」と返ってきた。
もっともやな…と思い、「頑張ってくださいね~~~!」というと、片手をあげてこたえてくれた。
(おじいちゃんは手際よく杭を打ち、網をかけていく。川でアユとりができる限りこのおじいちゃんはずっと元気だろう)
橋を渡りきり、左折し土手から
川沿いの道へ下りていく。
少し歩くと今度はおばちゃんが、
河原で竿を出して釣りをしている。
おばちゃんが釣りとは珍しいな。
(土手の上からS氏が撮影してくれた。S氏にはお世話になりっぱなしである)
近づいて「こんにちは~。釣れますか?」と話しかけると、
「あははは、うんにゃ、まだ釣れとらん。今来たばっかりやけん。」
「おひとりですか?」と聞くと、
「うちの父ちゃんと一緒たい。ほら、そこの下におろうが。」
覗き込むより先に、父ちゃんが岸からごそごそっと蘆をかき分けて上がってきた。
「こんにちは~」というと、
父ちゃんは会釈だけすませると、竿を1本もってまた下りて行った。
「愛想の悪かけん、すんまっせんねぇ~。」とおばちゃん。
「いえいえ、大丈夫です。じゃあ、楽しんでくださいね!」と言っておっちゃんとおばちゃんに別れを告げた。
(ここもだいぶ自然が壊されたのだろうが、まだきれいなほうだろう。少しでも改善して次の世代に引き継ぎたい)
考えるとこの流域(水質がきれい)になってから、川で遊んでる人や働いている人(川漁師)なんかを頻繁に見かけるようになってきた。
それも年配の人が多い。
夏ならば子供たちの姿もかなり多いのではないかと思う。
川がきれいなところは、住んでる人たちも元気がいい。
特にお年寄りは川が大好きなようで、話しかけると川の自慢話が必ず聞ける。
だが、同じくらい多いのが「昔はもっときれいだった。」という言葉だ。
僕は40年ほどしか生きていないが、その間でも僕の周りの自然はかなり変わったように思う。
小さい頃よくとりに行っていたザリガニ、ドジョウ、ナマズなど。
今ではほとんど見かけなくなった。
夏にアミを持って用水路や小川に行き、キラキラと反射する水面の中ではしゃぎながら、輝くような時間を過ごした。
僕より年上の人たちは、もっとたくさんの生き物たちと遊んだのだろう。
話しかけた年配の人たちも、そのころの記憶ははっきりと残っているのだろうと思った。
僕には3歳の子供がいる。
この子たちに、本当の意味で奇麗な自然をバトンタッチしたいと思った。
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