goo blog サービス終了のお知らせ 

日本の文化をより発展振興させるブログです。

日本文化の代表的なものを御紹介できたら、
うれしく思います。・・どうぞよろしく。
 まず。・俳句から。

第 4 級 俳句講座 

2012-11-14 12:33:44 | 俳句の無料講座
第 4 級 俳句講座  


俳句は省略の文学といわれ世界で一番、短い詩形です。


省略の美意識が根源となっている、生け花・茶・水墨画・能 のように日本文化は空間と省略の美で成り立っています。

俳句はその省略により 余韻、余情を招くことが出来ます。
余韻、余情とは言葉から広がる情感の事です。
そのため主情は抑えて表現するように心掛けましょう。

なるべく使わない方が良いとされている形容詞があります。それは  
「かわいい」「美しい」「やさしい」「さびしい」「悲しい」
「嬉しい」 などがあります。
このような言葉によって 句からいろいろに
広がっていくはずの感情が止まってしまいます。
全てを言い切らずに一句全体から感じさせる様に
 心掛けましょう。
上記の かわいい・悲しい・寂しい、等 などの直接表現をしない事によって読者はかえって 深く想いが広がります。

 即きすぎ(つきすぎ)ないこと。・・・・・・・・  

”即きすぎ ”とは一句の中でイメージの重なる言葉が 
       複数入っていることです。
   例) 赤とんぼ夕焼け赤く染めて飛ぶ  
この様な句が、つきすぎです。
「赤とんぼ」といえば「夕焼け」「赤く」の言葉が浮かびあがります これ等の言葉は「赤」のイメージそのものですね。
このような俳句は、「即きすぎですね」と
         批評されてしまいます。

また、省略の文学ですから「縁語」もできるだけ使わないで省略しましょう。
縁語とは、俳句の中ですぐ言葉の意味がつながって
連想できてしまう言葉同士を指します。

 例)  雪といえば「消える、とける、降る」とかがすぐ頭に
     浮かびます。 船といえば「浮く、海」・・・  
     浜といえば「砂」・・・髪といえば「頭」・・・ 
     鼻といえば「顔」というようなものを指します。
  縁語はなるべく使わないで片方を省略した方が
    より俳句らしくなります。

以上第 4 級では省略の意義と使わない方が良い形容詞、即きすぎ、縁語、についての学習でした。
 又、100句作りましょう・・つきすぎの句もいくつか作ると
”即きすぎ”という意味が判ってきます。
    
 

第 5 級 俳句講座

2012-09-30 17:39:41 | 俳句の無料講座
   第 5 級  俳句講座
 
 「取り合わせ」をテーマに学びましょう。

”取り合わせ”、又は”配合”とは一句の中に二つの素材、題材を効果的に

配合して相互に”映りあわせ” ”響きあわせ”をさせることにより

句趣をうまく かもしだす方法です。

この方法は一般的に「取り合わせ」「配合」と呼ばれていますが、他に

「つけあわせ」 「あしらい」 「掛け合い」 「モンタージュ」 「二物衝撃」

などと呼ばれており 共通した性格をもっています。大きく捉えればどの言い方でも

かまいません。

「不思議な取り合わせ」 「意外で思いがけない取り合わせ」

「なるほどと感じる取り合わせ」 などを使うと その作品に魅力が生まれます。

逆に言えば、ありきたりの句というものは、つまらないものとなります。

しかし、あまり意外性を狙いすぎると意味不明になる場合もあります。

ありきたりのつまらない句の中に”つきすぎ”と言う言葉が有りますがこれは

「即きすぎ」と書きます・・・これは次回にしましょう。

取り合わせの句を見てみましょう。 有名な句から

”鰯雲人に告ぐべきことならず”  加籐 しゅうそん   季語(秋)=鰯雲 

”鰯雲”と”人に告げない”という二つの素材を配合した句です。  

では季語”鰯雲”を使った 取り合わせの句をみてみましょう。・・・・・

 ”立てかけし サーフボードや 鰯雲 ”      大森 まり子
   (アートな感じが良いですね・)
 ”パスポート いまだ持たずに 鰯雲 ”      戸田 円三 

 ”マラソンの 列のつらなり 鰯雲 ”       佐々木 茂子 

 ”鰯雲 骨董市の 藍の皿 ”           稲村 眉子 

 ”少年の 鞄に未来 鰯雲 ”           松井 加芳  
   ( カバンの中に、少年の未来につながるたくさんの物がつまっていそうです。)

  「取り合わせ」の感覚がつかめたでしょうか?・・・ 
    100句つくれば 「取り合わせ」の楽しさが解ります。 
     へたでも良いからやってみましょう。・・・

 



第 6 級  俳句講座 

2012-07-16 18:27:26 | 俳句の無料講座

    第 6 級 俳句講座
  

  「切れ」と「切れ字」の学習です。  

  切れ字は、季語・定型とともに 俳句の個有性をつくる
  重要な 基本技法です。
  「切れ」とは一句のなかに言い切る箇所を設けることで
  余韻、余情、音律(リズム)が生まれます。
  「切れ字」とは一句の中に実質的に切れをもたらす
  言葉の事で 「や」 「かな」 「けり」 などが
  その代表です。
  まず俳句の歴史を少し学びましょう。 

俳句の前身にあたる 「俳階」 は連句の形式をとっていました。連句とは
まず最初の一人が 五・七・五 をつくり、次の人が 七・七(脇句)を付け、
更に次の人がそれに 五・七・五 をつけるといった繰り返しです。
この様に繰り返すものを 「 連句 」といいます。  このうち、
一番最初の 五・七・五 である 「 発句 」だけが独立して出来たものが
 「 俳句 」となります。  まだ俳句という言葉が無かった俳階の時代において
松尾芭蕉は発句とはどうあるべきか、 その則性や条件について追究していました。 弟子たちも共に議論を重ね合わせました。
 俳句の前身の「発句」は まずその後に付く 
「脇句」(七・七)から 独立して自立していること。
つまり 言い切る事です。 五・七・五 で一句が
独立して自立していることを(切れている)といいます。
ここでその条件をみたすものとしてキィーワードとなるものが
「切れ」 「切れ字」です。
切れ字を使った句 
 「 や 」= 強調して詠嘆を表わす。上五に置くことが多い

少年や60年後の春の如し   ・・・ 永田耕衣 
夏草や兵どもが夢の跡     ・・・ 松尾芭蕉
閑さや岩にしみ入る蝉の声   ・・・ 松尾芭蕉 
古池や蛙飛び込む水の音    ・・・ 松尾芭蕉

 「 けり 」= 断言する強い切れかたで詠嘆や過去の意味を表わす助動詞です。下五に置くことが多いです。

くろがねの秋の風鈴鳴りにけり  ・・・ 飯田蛇笏 
行く春を近江の人とをしみけり  ・・・ 松尾芭蕉

 「 かな 」= 余韻を残す切れ字、名詞に付くほか用言の連体形にもつきます。下五に置くことが多いです。
さまざまのことを思い出す桜かな   ・・・ 松尾芭蕉 
流れゆく大根の葉の早さかな     ・・・ 高浜虚子 

他にも「よ」「ぞ」「か」などの切れ字もあります。

秋深き隣は何をする人ぞ       ・・・ 松尾芭蕉 
蛤のふたみにわかれ行く秋ぞ     ・・・ 松尾芭蕉

 「終止形」で切る・「名詞」で切る 方法もあります。
切れ字として助詞や助動詞を入れなくても用言の終止形が切れになる場合があります。 名詞で切れる場合もあります。 句の最後(下五)を名詞で止めるのを「名詞止め」といいます、句がよく座って安定します。
終止形 例)尾根越える/風とどまらず万緑に (上五) 
名詞切れ 例)散り雲につまずく声か時鳥  ・・・露川・・・
以上第6級講座修了です。講座スタートから半年になりますが 句はどれぐらい出来ましたか ? とにかく習うより慣れろです・・500句ぐらい出来ていれば上々です。 
もっと楽しんで下さい・・・ 
今回は切れ字を使って、 100句つくりましょう・・・
 出来上がれば 第 6 級 卒業です。   
 

 
 

第 7 級 ・・・俳句講座

2012-06-17 00:05:02 | 俳句の無料講座
         第 7 級 俳句講座

ここでは「季重なり」を中心に学びましょう。
   「季重なり」 とは
俳句は一句に一季語とされています。   一句の中で二つ以上の季語を
 入れない様にします。
一句に二つ以上の季語が入っているものを「 季重なり 」とか「 季重ね 」と呼びます。
    現代古典的俳句では重要なことになっています。
句会で注意されることが特に多いのが「季重なり」です。
  季重なりの形態は
1) 同じ季節の季語を複数使う・
2) 異なる季節の季語を複数使う・
3) 1)と2)が混在しているもの・        とがあります。

・・「季重なり」は絶対に悪いのでしょうか。古い有名な句もありますけど・・ そうですネ、たくさんあります。
目には青葉山ホトトギス初鰹  ・・・ 素 堂 ・・・

夏の季語が「青葉」「山ホトトギス」「初鰹」と三つの季語が入っています。

「季重なり」がなぜ問題となるのでしょうか ??
それは季重なりの句は 季節への景感・焦点が分散して散漫になったり主題もかすんでくるおそれがあるからです。
それは季語が俳句の情景、情感の中心核という考え方によるものです。
つまり季語により「 季語の結界を張り 」その一句に情景、情感を込めるということです。
絶対的に必要なものではありません 他の名句もたくさんあります・

一家に遊女も寝たり萩と月  ・・・芭蕉 ・・・
         季語の「萩」と「月」は秋の季重なり・  
水仙に狐もあそぶや宵月夜  ・・・蕪村・・・
季語は「水仙」(冬) 「狐」(冬)「月夜」(秋)の三つの季重なり
・・季節はゆっくりと移っていくので季重なりも自然の結果ともいえます。・・
「季重なり」の他「季移り」という言葉もあります。これは春夏秋冬の言葉をつかい、四季のどれに置き換えても、その季節に成り立ってしまう句のことをいいます。 初心者の皆さんはまず、たくさん俳句をつくってみましょう。  季語の数にこだわらず、瞬間を捉える日記の様に数を作りましょう。・・
また、俳句には下記の様な言葉もあります。今は学びません。
1) 季語が動く・季語が動かない・
2) 季語のつきすぎ・季語の離れすぎ・
3) 取り合わせと一物仕立て・
4) 一句一章と二句一章・
上記の4つなどは有段者ようです。第7級ではこのような言葉が有るとだけ覚えて下さい。

            
  

   第 8 級の俳句講座

2012-05-08 17:37:00 | 俳句の無料講座

   第 8 級 俳句講座

・・・前回は拗音の(ッ)の字が特殊でしたね・・・・・

今回の第8級では・字余り・字足らず・句またがり・自由律・について学びましょう。


字余り、字足らずはその名の如く定型より 字数が多かったり、少なかったりしたものですが  五・七・五 のリズム感を大きく外れていなければ 「定型」 の範囲に許容されています。

 句またがり、とは 定型17音を「5・7・5」に分けない句のことです。 
 つまり 17音ではあるけれど「5・7・5」の三音節の中で一つの言葉がまたがる場合の事です。

・・例・・「 海くれて鴨のこゑほのかに白し 」 芭蕉  この句を例にしてみましょう。
意味的には
  海くれて/鴨のこゑ/ほのかに白し。 ですが
これを、5・7・5的には
  海くれて/鴨のこゑほの/かに白し  となってしまいます。
「ほのかに白し」が二句(中七)が結句(下五)にまたがっています。
「ほのかに白し」の言葉で一つの意味を形成しています。
このように 二句から結句にまたがる「句またがり」があり 同様に 初句(上五)から二句(中七)に
またがる事もあります。  この様なものを 句またがり と言います。

自由律の句とは  字余り、字足らず、句またがり、とは別に 17音「5・7・5」に
まったくこだわらない句のことです。 また、自由律の多くは季語を使っていません。
「無季自由律」と呼ぶ方法もあります。
これを 俳句と呼べるかどうかは判断の分かれるところです。・・・・・・
 例・  分け入れば水音 ・・・・・・ 種田山頭火・・・
わけいれば (5音)  みずおと (4音) ですが この句には、「5・7・5」の
余韻をとどめているような句で、 仮に
分け入れば万緑の谷水の音・分け入れば水音響き風涼し・というような想像が湧いてきます。
自由律を俳句と呼べるかどうかは貴方の判断で決めて下さい。・・
練習として、字余り、字足らず、句またがり、自由律、の句をつくってみましょう。
季語はなんでもどうぞ  梅、桜、菫(スミレ)、向日葵(ひまわり)、紫陽花(あじさい)
花菖蒲、朝顔、柿、蜜柑、等々好きなものでどうぞ。・・・