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日本の文化をより発展振興させるブログです。

日本文化の代表的なものを御紹介できたら、
うれしく思います。・・どうぞよろしく。
 まず。・俳句から。

第 2 級 俳句講座 3号  

2013-12-02 16:38:50 | 俳句の無料講座
第 2 級 俳句講座 3号 
 
オノマトペの続きです。
 オノマトペを使った作品の多い俳人の中に
 「 村上鬼城 」がいます。虚子門下の重鎮となる人です
 少し見てみましょう。
  ” うとうとと生死の外や日向ぼこ ”
  ” 大男やゆさりゆさりと稲運び  ”
  ” 禰宜達の足袋だぶだぶとはきにけり ”
   ” ぬり盆にざらつく砂や早松茸 ”
  ” をうをうと蜂と戦う小百姓 ” 
  ” ほっほっと蓮の実を噛む微酔かな ” 
  ” 残雪やごうごうと吹く松の風 ” 
  ” ゆさゆさと大枝ゆるる桜かな ” 
  ” もうもうと雲吹き落す田植かな ”
  ” ざぶざぶと素麺さます小桶かな ”
  ” 蓮に花ゆらりとゆれてちりにけり ”
 この様に自由多彩に使っています。自分が過去に
  作句した中からオノマトペを使えるものがあれば
  使用して推敲すると面白さがわかります。
       ・・  続く  ・・
  

第 2 級 俳句講座 2号

2013-11-21 13:01:15 | 俳句の無料講座
 第 2 級 俳句講座 2号 
 オノマトペの続きから始めます。
それではオノマトペを使った俳句を鑑賞してみましょう。
 まず有名な句 ”春の海終日のたりのたりかな”(春の海ひねもすのたりのたりかな)
のんびりした感じが響いています。
では、上五にオノマトペのあるもの。
 ”みんみんの啼きやまぬなり雨の信濃”   波郷 
 ”春うたた昔の人のクシあまた ”   虚子 
 
”さわさわと掃くや土用の青畳 ”   草城 
 ”しなしなとして春大根買われけり ”   不死男 
 ”ぎしぎしや鉄路錆びたる草津駅 ”   文草 
次に中七にオノマトペがあるもの。
 ”山門をぎいと鎖すや秋の暮 ”   子規 
 ”鯊舟をへなへな漕いで戻りけり ”   蓬矢 
 ”蛆虫のちまちまちまと急ぐかな ”  夏山 
 ”台風の雲しんしんと月をつつむ ”  林大 
 次に下句にオノマトペのあるもの。 
 ”しなの路やそばの白さもぞっとする ”  一茶 
 ”枯蔓や天狗の鼻はからからに ”   俳惺 
 ”緋目高の一つ孵りてよりぞくぞく ”  占漁  
 ”花杏受胎告知の翅音びび ”     茅舎 
 とありますが下句にオノマトペを使った句は案外と少ないようです。
 又、オノマトペを多く詠みこんだ句もあります。 
 ”きしきしときしきしと秋の玻璃を拭く ”  鷹女 
 ”雀の巣梯子ゆらゆらゆらゆらす  ”  今夜 
 ”だらだらとだらだらまつり秋淋し ”  万太郎 
オっ と 「 秋淋し 」はいけませんね。
 第 4 級俳句講座を思い出して下さい。
 秋と淋しは究きすぎ(つきすぎ)、・寂しい、悲しい、などの
 形容詞はなるべく避けましょう。 でしたね・・・ 
 この部分を添削してみて下さい。 --課題ですーー 
  本日これまで、続く ・・・
 
 

 

第 2 級 俳句講座

2013-10-31 14:13:27 | 俳句の無料講座
第 2 級 俳句講座 1号  
たいへんお待たせしました。  第2級 講座を開始します。 
まずはオノマトペについて学びましょう。 オノマトペとは擬音語と擬態語をひっくるめての言葉です。
擬音語とは りんりん(鈴)、メェーメェー(ヤギ)、ゴロゴロ(雷)、
チューチュー(吸う音、又は鼠の鳴声)、カーカー(鴉)、のように
音の響きを表現したものです。
擬態語とは、音でなく、形態を表現した言葉です。
ヨレヨレ(くたびれた様子)、ピンピン(元気)、ピカピカ(輝き)
カリカリ(怒り)プンプン(臭い、怒り)この様な言葉です。
語源はフランス語で、英語では "onomatopoeia" オノマトピュアといった感じになります。
根源は古代ギリシャ語までさかのぼります。”造語する。”又は
”名前を造ること”と云う意味があったようです。
日本の劇画漫画でもよく使われます。
単純で幼稚な感じを受けるかもしれませんが
案外と奥が深く、幅広く、面白いものです。
自作の句が2000~3000句に達したならば、是非オノマトペを使った俳句を、500句程度
つくってみましょう。  案外、俳句のちがった新鮮さを感じられる事うけあいです。・・ 本日はオノマトペのさわりだけ・・・続く。
  
   

第 3 級 俳句講座 (後編)    

2013-02-11 21:47:13 | 俳句の無料講座
 第 3 級 俳句講座 (後編) 
ここでは推敲(すいこう)について学びます。
推敲とは よりよく文、言葉、表現を練り上げていく事であり 
俳句には推敲は欠かせません。
17音字という、短い詩型だからこそ、一字によってその俳句が生きも死にもします。推敲は俳句の命といってもいいでしょう。
 「推敲」の語源は中国の故事からきたもので、唐の時代の
詩人・夏島(かとう)が「僧推月下門」”僧は推す月下の門”の詩を作りましたが「推す」(おす)を「敲く」(たたく)、にしようかと
迷っていたところ管史で儒教の詩人「韓愈」と出会い、これは
”敲く”が良いと教わったとの故事が元となり、詩文などの創作にあたり、より効果的な表現を求めて字句を何度も練り直すことを「推敲」と云うようになりました。
[推敲」は執筆した本人が行なう場合に限っていうものであり
他者の手になると「添削」といいます。  

俳句は一音字で響きや意味や風情が変わってしまいます。
俳聖松尾芭蕉は「舌頭に千転せよ」と言っており
その意味は、一句の俳句を作ったなら何度も口に出して読み 
音律(リズム)や形を整えるように、と云う意味です。
・ 推敲の基本方法の一つに一度自分でつくった俳句を時間を置いてから見直す方法があります。三日、一週間、程度の間をあけて見直してみましょう。  
・ 推敲するのには「自分自身の目」と「他人の目」の二つが必要です。
まず「自分自身の目」で自分の感動・想い・伝えたい事が句の中に出ているかを観ます。 
次に読み手(他人)の立場になってその一句を客観的に観る事が必要です。
清書にしたり、声を出して読んでみると発見に結びつく事が多くなります。
次に、推敲の三本柱と呼ばれているものを掲げます。
1. 倒置法 ”上五と下五を入れ替えてみる”  
2. 助詞の使い方「て・に・を・は」  一字をとり換えただけで一句の優劣につながるので、適しているか再度チェクします。
3. 季語の選択・ 季語そのものを幾つか替えてみる、別の季語に替えてみたら感動の趣きが変わる事も多い。
しかし、推敲を重ね過ぎていくと最初の感動・感覚から離れていくことがありますので、その点に気をつけて下さい。
又、自分の句が他人の句に似てきたり、類句や類想に近くなってくる場合もありますので気をつけましょう、当然誤字、脱字にも注意しましょう。
次に松尾芭蕉の推敲の例をみてみましょう。
 あまりにも有名な句  
”閉さや岩にしみ入蝉の声”(しずかさやいわにしみいるせみのこえ)の推敲過程をみましょう。
初案  山寺や石にしみつく蝉の声  
再案  さびしさや岩にしみ込蝉の声  
定案  閉さや岩にしみ入蝉の声 
と 3回の推敲を重ねて定稿完了しました。     
もう一つ芭蕉の推敲をみましょう
芭蕉の「更科紀行」(さらしなきこう)からの一句  
 「 吹き飛ばす石は浅間の野分かな 」 
  (ふきとばすいしはあさまののわきかな) 
 季語は”野分”で秋の句です 浅間山の野分は石をも吹き飛ばすような激しい強風であると云う句意です。
初案  秋風や石吹きおろす浅間山  
再案  吹きおろす浅間は石の野分かな 
第3案  吹き落す浅間は石の野分かな  
第4案  吹き落す石を浅間の野分かな  
定案  吹き飛ばす石は浅間の野分かな  と完成しました。
俳聖と呼ばれる芭蕉であっても一句をつくるのに推敲を重ねて完成させています、自分自身で納得がいくまで充分に推敲を重ねて自分の一句を磨き上げてください。 

 これで第 3 級 俳句講座(後編)完了です。 
 
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第 3 級 俳句講座 

2013-01-21 15:39:03 | 俳句の無料講座

 第 3 級 俳句講座 (前編) 
 俳句の一般論を学びましょう。
俳句には「こんな俳句はダメだ。」という「一般論」が存在します。 代表的なものを、3項目掲げます。
・ 動詞が多い句はダメ。 
・ 見立て、擬人化の句はダメ。 
・ 「うれしい。悲しい、等」の句はダメ。 (第4級で学習済) 
これらはだいぶ前から云われている一般論です。
なぜその様なのかというと、過去から現在に至るまで、多くの先達の多くが経験的・統計的にそのような句は「うまくいかない可能性が高い。」という結果に至ったのでしょう。・・・
「動詞が多い句はダメ」というのは、一句の中に「要点ポイントを一つに定める」という方向に反しているからです。
基本的に一句一動詞です。
前の各級で学んだ事を要約しますと 
「一句一季語」「一句一切れ字」「一句一動詞」
   これが基本です。
次に「見立て」とは、ものを別の何かにたとえたり、見立てたりする事です。 比喩とも呼ばれます
言葉としては「~の如し」(如く・如き)が典型ですが直喩には他に「のように」「たとえば」「あたかも」「さながら」「めく」
「似たり」と云った語が使われます。
「直喩」に対して「暗喩」または「隠喩」があります、暗喩は上記のような「如し」などの言葉を使わずに表現する句です。
見立てがいけないと云われる理由については「如し」などの言葉を用いると、とかく発想、表現がありふれてつまらないものになることも多いからでしょう、意外性が無く、感動の発見が無い句になりやすく又、詩情感に欠けやすくなると言われています。  見立ての句を揶揄して 「ごとく俳句」などと否定的に云う人もいます。
しかし、見立て(比喩)表現を使ってはいけないということはけしてありません。
高浜虚子は比喩の名人です、他の人の名句も多くあります。
例) 
去年今年貫く棒の如きもの (こぞことし)  高浜虚子  
たとふれば独楽のはじける如くなり   高浜虚子

(同じ子規門だった俳友の死にあたって詠んだ追悼句)
たましいのたとえば秋のほたるかな    飯田蛇笏 
(親友の芥川龍之介の長逝を悼みての追悼句)
葡萄食ふ一語一語の如くにて      中村草田男
これらは作者の感動が読手に伝わる比喩の名句です。 
暗喩の句では 
大空に羽根の白妙とどまれり    高浜虚子   この句は(白妙のような羽根)の、ようなを隠し「羽根の白妙」と一気表現した名句です。
勇気こそ地の塩なれや梅真白     中村草田男 
金剛の露ひとつぶや石の上       川端茅舎  
金剛石=ダイヤモンド  「ダイヤのような露」の”ような”を隠し「石の上」とあわせて、絶妙な景ですね。・・・
見立て(比喩)、暗喩の表現は効果的に用いれば上記のような名句も生まれます。
要はその内容、使用法次第なのですが、ただ初心者のうちは、つい独りよがりになったり陳腐な見立てが多くなるのは事実です。   
しかし初心者はあまり気にせずに、下手でも数多く作ることをお奨めします。 この世でたった一つの貴方の作品です。大切になさって下さい。・・・ 
次に擬人化の句について ・・・・・ 
「擬人化」とは、人以外の動物、植物、生命でないもの、を人間になぞらえる(見立てる)表現方法です。  
 俳句の一般論ではダメと言われていますが「擬人法」と云うテクニックも有り、名句もあります。
なぜいけないかと云うと初心者は、ともすると作者の意図や技巧が目立ちすぎたり、気取った作品になる事も多く、また時には幼稚な句になることもあります。 このような意味で「見立て、擬人化」の句はダメと言われている様です。
「擬人法」は第1級で教えます。 
以上、第 3 級 (前編) 俳句講座