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JUJU 『ありがとう』

2017-05-14 22:00:04 | 心に伝わるback Music
約1年の時を経て帰って来ました。
皆さんはご無沙汰してますkentathuです。


現在は山梨県(富士山の本栖湖が有る町内)に居ます。

今回はおじいさんの話です。

心に伝わるback Musicとして
記事を書いてます。


86作目は、
JUJUの『ありがとう』です。
(下記画像をクリックして下さい。)

♪「ありがとう」♪

この曲は映画「ツナグ」の主題歌にもなってます。
(下記画像をクリックして下さい。)

♪『ツナグ』予告」♪

By kentathu

それでは、Aさんの話です。
追記を読む(MORE)に進んで下さい。
親が離婚して、親父のいない俺にとっては爺さんは親父と同じ存在だった。俺にたくさんの事を教え、大酒飲みだった爺さん。
幼い頃は2人で温泉行ったり、地元の美味しいお店に食べに行ったり、とにかく俺も爺さんが好きだった。
小一から始めた剣道の大会があったなら爺さんはいつも婆ちゃんと一緒に応援に来てくれた。
あんまり強くなかった俺の試合をいつも見に来てくれた爺さんに感謝しかなかった。
無事に中学も卒業して、高校も剣道を続けることにした。
入部してから先輩に俺だけ怒鳴られたり、練習以外の道場掃除やお茶の準備で手際が悪く不器用な俺はとにかく怒鳴られた。
使えない、のろま。よく剣道を続けてこれたな。罵られても何も言えない自分がそこにはいた。
剣道をすることで得た楽しさが日に日に薄れていった。試合でも勝てずに、もどかしさが俺の心を完全に支配していた。
クラスでも、いじめに近いようなことをされた。何も出来なくて、されるがままだった。学校なんて面白くなかった。地獄だった。
試合で勝ちたい、暴れたい。それだけが頭の中を支配して試合を楽しむことを忘れていた。
上手くいかないことで家族に当たった。爺さんにも当たってしまった。

今考えると、ちっちゃかった。
ちっぽけなプライドが邪魔して、素直になれない自分がいたんだ。
高1の冬、爺さんが入院した。大雪が降ったから高校にも行けないので爺さんと昔話をしながら雪だるまでも作って謝ろうと思ってた。
でも、叶わなかった。俺と爺さんの住んでる村の病院じゃなくて市の病院に入院した。

部活終わりは必ず爺さんの見舞いに行った。
村にすぐ帰るから、が口癖だった。
俺も、早く帰って家族みんなでメシを食おうって爺さんを励ました。
爺さんの病名は家族からも聞かされなかった。

それから、1ヶ月もしない3月9日。爺さんは深夜に心肺停止になって、もう脳だけが生きているだけの状態になってしまった。
ずっと爺さんの冷たい手を握り続けた。でも、爺さんは帰ってくることは無かった。そのまま、息を引き取った。

葬式はほとんど覚えてない。孫代表で俺が別れの言葉を書いて読んだ。じいさんの遺影に土下座した。
出来の悪い孫でごめん。爺さん孝行が出来なくてごめん。とにかく、もう返事は返ってこないはずなのに俺は爺さんに謝り続けた。
何度もごめんを繰り返した。畳の上に俺の大粒の涙がこぼれた。謝りきれなかった。


爺さんがいなくなってからは、何をしてもやる気さえ起きなかった。
学校もただなんとなく過ごして、剣道も適当だった。爺さんがいないなんて意味が無い。絶望だけが支配していた。
もうクラスでも孤立していた俺は、遂に自殺して楽になろうって決意した。剣道を辞めて、毒でも飲んで死のうって決めた。

そんな中、爺さんが使っていた軽トラが業者に引き取られることになった。
軽トラの中に荷物が残ってないか業者が確認していたら、何かを手に持って俺に近づいて来た。

それは、俺が小学校1年生の入学式の朝に撮った写真だった。懐かしかった。笑っている爺さんとランドセルをからって堂々としてる俺。

優しいお爺さんだね。軽トラのサンバイザーに挟まってたんだよ。って業者は言って俺に写真を握らせた。そして、爺さんの軽トラは引き取られていった。

少し寂しかった。爺さんの畑仕事手伝いの時は、俺は後ろに乗って爺さんの畑仕事の手伝いによく行ってたからだと思う。
ひとりになった後、爺さんの写真を見た。手から写真が落ちて裏面が表になった状態で俺は写真を拾い上げた。その後ろに何か書かれてた。
メッセージらしき文章を読み終わると、涙が止まらなくて嗚咽を出して泣いた。

○○!
これを見てるってことは今、○○はすごく苦しんでいるんだと思う。
負けるな!挫けるな!悲しい時は顔を上げろ、泣く時は泣け、何があっても堂々と。それが男ぞ、大将だ。
剣道も今は苦しいだろうけど、お前ならなにか一つ大きな仕事で成功できる!
頼んだぞ。 爺より


爺さん、あんたのおかげで俺は自殺を止めて、もう1回頑張ろうって思えたんだ。

剣道も引退した。俺の剣道人生は爺さんのおかげで11年も剣道出来たよ。

次は、俺の夢を応援してくれよな。看護師になって、誰もなれない立派な看護師になるから空の上から応援してよね。
爺さんよりも、立派な男になってやるから。


Aより