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随思録

日々思うことを記す。

「女系天皇」、10年間は議論すべき

2006-02-04 15:41:47 | Weblog
よく「国民の総意」だとか、「民意」に照らし合わせてなどという表現を目にする。政治家の談話であったり、新聞の社説であったりするが、眉唾である。
なぜなら昨今、そこには死んだ人間の遺志は含まれていないからだ。
暇だったので久方ぶりに朝日新聞の社説を読んだ。あまりにも水準が低い文章なので目を通すこともなくなっていたのだが、あいかわらず性懲りもない。

皇室典範 ここは冷静な議論を (朝日新聞 2006.2.4)

憲法で国民統合の象徴とされた天皇には、政治的行為や発言に大きな制約がある。皇族もこれに準じると解釈すべきだろう。
発言に大きな制約? どこにそんな規定があるのだろう。憲法を読んでみたが見つからない。加えて政治のことに口を挟まないのは、近代国家としてスタートした戦前の日本からそうだったと思うのですが。
単に天皇制を自然消滅させたいのに、それにうまい代替案を示しつつ影響力を発揮した皇族が出てきたから、圧力かけたいだけでしょう。(寛仁さまの発言

60年以上も一般国民として過ごしてきた人びとである。皇族となることに多くの国民が納得するとは思えない。
そうかなあ。むしろGHQによって(いや「赤い」官僚が真犯人という説もあるが)行われたことなら、ようやく正しい制度に戻るなあという感覚しかないけど。たった60年だし、「国民」は納得すると思う。
繰り返すが、「国民」というときには、死者……この土地で生まれて死んでいったすべての国民を含めるべきだと考えるからだ。
歴史を学び、その上で想像をしてみればいい。
いま生きている人間だけの意見で、伝統的なものを推し量るな。
そんなものはならずものの流儀。アメリカを手本にした山賊の振る舞いである。

加えて朝日新聞は土曜版(be)で、皇室典範改正をテーマに「今国会で女性・女系天皇を認めるように皇室典範を改正すべきですか?」というアンケートもとっていた。いい加減この二つを並べて提示するの、やめましょう。
おそらく「女性天皇」について、すなわち敬宮内親王殿下が、皇太子殿下に継ぐ皇位の継承権を得る、これはおそらく国民の合意がとれる。前例もあるし、死者の合意もとれる。今後似たような状況があったとしても、問題ないだろう。今国会ではこの議論だけで十分だ。これにしたってさまざまな考えがあるだろうから、合意はたいへんなのだが。
再三に言うように問題は「女系天皇」であって、これは愛子さまの次の世代の問題なのだがら、議論に5年、10年をかけて構わないはずだ。
時間をかけるべきところにかけず、どうするつもりだ。

先のアンケートの結果は賛否両論で拮抗しているが、おもしろいのは「女性天皇に賛成ですか?」という質問に対して、「天皇制はないほうがよい」と答えた人が22%もいたこと。モニターはこの土曜版専属の2815人のようだが、意外と根強いんだなあ。サヨクの思い込み。
数人のコメントも載っているが、注目したのはこの意見。
生まれながらに尊い人など要らない。戦争責任からいっても後継ぎがいなくなったらなくすべき(福島、59歳女性)
……なんか、強硬な意見を持つ人ほど勉強不足を感じるのは、なぜだろう。