日本の製造業は、危機に瀕している。
産業別のGDP比で20%にすぎないとか、日本は外貨に依存していないとか、経済学上の分析はこの際どうでもいい。
リーマンショックによる北米の消費の落ち込みが製造業を痛めつけ、それに引きずられた日本経済がどれだけダメージを受けたかは、普通に働いている人間なら肌で感じたはずだ。
(もちろん、その中でも他社のシェアを奪うなどして、好調な企業があることも否定できないが。)
結局、製造業は、人件費の安いところに拠点を移し、量をつくって薄い収益をあげるしかない業種だ。
収益を求めて、国内の製造業(既にグローバル化を果たした大手企業)は、工場の海外移転をさらに加速させている。
それでも基幹部品や、特殊な技術を伴う部品などは国内の工場で生産し、輸出して現地で組み立てるという方式で国内の雇用を守る経営者もいたが、(民主党の無策を伴う)円高もあり、輸出入の為替リスクが存在しない現地生産が必然となり、その意欲も減退しつつある。
再来年くらいには日本から大手企業の工場が消えてなくなるかもしれない(決して大げさな表現ではない)。
グローバル化の最終段階である、人材のグローバル化も広がっている。
中国・インドの給与が半分で能力は3倍というような優秀な人材と、グローバル企業の社員の座を争わなければならない。
たとえば、生産している部品はニッチではあるものの、実は世界的なメーカーである中小企業の社長に聞いたのだが、次の社長は日本人ではないかもしれない、というのだ。
曰く、この会社は東南アジアに拠点を有しているが、そちらの拠点の人材が、かなり優秀である。
中国が今後世界のマーケットの主役になった際、日本に本社があるよりも、東南アジアにあったほうがよいから、社長をそちらの拠点から選んで、舵取りを委ねる可能性があるという。
大手企業の話ではない。
中小企業でも、だ。
こういう話を聞いていて浮かぶのは、「じゃあ今後日本人は、何で食べていけばいいのか?」という疑問である。
いまの日本は80年代のアメリカに似ているという。
しかし、アメリカにはその後ITという一大産業が生まれ、そちらに軸足を移した。
さらには金融産業(?)を発展させたり、せっせと戦争を起こしたりと、汚い稼ぎにも余念がなかった。
日本はどこに軸足を移せばいいのだろう。
明日がまったく見えない混迷の時代だ。
そこに一条の光をもたらす存在……それが“ゆとり”。
ゆとり教育を受けた、ゆとり世代のはずだったのである。
(2)に続く
産業別のGDP比で20%にすぎないとか、日本は外貨に依存していないとか、経済学上の分析はこの際どうでもいい。
リーマンショックによる北米の消費の落ち込みが製造業を痛めつけ、それに引きずられた日本経済がどれだけダメージを受けたかは、普通に働いている人間なら肌で感じたはずだ。
(もちろん、その中でも他社のシェアを奪うなどして、好調な企業があることも否定できないが。)
結局、製造業は、人件費の安いところに拠点を移し、量をつくって薄い収益をあげるしかない業種だ。
収益を求めて、国内の製造業(既にグローバル化を果たした大手企業)は、工場の海外移転をさらに加速させている。
それでも基幹部品や、特殊な技術を伴う部品などは国内の工場で生産し、輸出して現地で組み立てるという方式で国内の雇用を守る経営者もいたが、(民主党の無策を伴う)円高もあり、輸出入の為替リスクが存在しない現地生産が必然となり、その意欲も減退しつつある。
再来年くらいには日本から大手企業の工場が消えてなくなるかもしれない(決して大げさな表現ではない)。
グローバル化の最終段階である、人材のグローバル化も広がっている。
中国・インドの給与が半分で能力は3倍というような優秀な人材と、グローバル企業の社員の座を争わなければならない。
たとえば、生産している部品はニッチではあるものの、実は世界的なメーカーである中小企業の社長に聞いたのだが、次の社長は日本人ではないかもしれない、というのだ。
曰く、この会社は東南アジアに拠点を有しているが、そちらの拠点の人材が、かなり優秀である。
中国が今後世界のマーケットの主役になった際、日本に本社があるよりも、東南アジアにあったほうがよいから、社長をそちらの拠点から選んで、舵取りを委ねる可能性があるという。
大手企業の話ではない。
中小企業でも、だ。
こういう話を聞いていて浮かぶのは、「じゃあ今後日本人は、何で食べていけばいいのか?」という疑問である。
いまの日本は80年代のアメリカに似ているという。
しかし、アメリカにはその後ITという一大産業が生まれ、そちらに軸足を移した。
さらには金融産業(?)を発展させたり、せっせと戦争を起こしたりと、汚い稼ぎにも余念がなかった。
日本はどこに軸足を移せばいいのだろう。
明日がまったく見えない混迷の時代だ。
そこに一条の光をもたらす存在……それが“ゆとり”。
ゆとり教育を受けた、ゆとり世代のはずだったのである。
(2)に続く