ハンズオン＝高い投資パフォーマンスなのか？Ⅰ

ベンチャーキャピタル業界では、ハンズオン、という言葉を使うことがある。要はベンチャーキャピタル（VC）というのは、お金を出すだけでなく、ボードシートを獲得（社外取締役に就任）したりして、取締役会に参加したり、各種経営支援をしないといけない、ということである。

その背景としては、過去VCは投資収益でなく、投資の件数そのものを競ったり、投資したら放ったらかしだった、という議論の反動で、そういう言葉が出てきたように思う。

私自身、米国やイスラエルのハイテク投資に従事していたこともあり、米国の一流と言われるVCと比べると、日本のVCは経営の支援能力が足りない、などと勝手に考えていたことがあるし、メディア等でもそのような論調が多かったように思う。しかし、最近多くの日本のVCでも、ネット系の企業に投資し、自らリターンを得ると共に、きちんとファンドのリターンを出資者に返したところが現れてきた。

では、日本のVCもハンズオンして経営支援したから、それ故に高いパフォーマンスを出すVCが出始めたのだろうか?　このハンズオンという言葉を引き続き考えてみたい。

Ⅱに続く