Paul Graham氏のエッセー

Y Combinatorの創設者で、ハッカー兼投資家として有名なPaul Graham氏のエッセーは、ソフトウェア・ネット関連での起業を考えている人必見のものだと思う。Y Combinatorは、reddit.com、kiko.comへの投資で有名。

内容が非常に深く、テーマも大きいものが多い。彼はインキュベーターと呼ばれることも、VCと呼ばれることも嫌なようだが、VCとしては学ぶべきことが非常に多い。

まだ全部読みきれていないが、徐々に面白いものをピックアップしていきたい。

大人になってから読む伝記の面白さ

小学生の頃、家に歴史上の偉人の伝記集があり楽しく読んだ記憶があるが、残念ながら余り大きく心に残っているものがない。

ナイチンゲールとかリンカーンとかキュリー夫人とか、大体の内容は覚えていますが心に突き刺さる感じではなかった。

最近文庫本の、「フランクリン自伝」、「カーネギー自伝」を読む機会があり、それらが余りに面白いので驚いている。心に突き刺さる本である。

これら2冊を選んだのも、歴史上の事業家の成功や生き方、そして考え方が、今の仕事に少しでも生きるかな、と思ってのことであったが期待以上である。良書というのは100年の時を感じさせない。

フランクリンは、フィラデルフィアで印刷工場を始める際に、印刷業は金のかかる商売だから損をする、と反対されて半分憂鬱症になった、とか、

カーネギーは、ペンシルヴァニア鉄道で上司にかわいがられ、出世していたにも関わらず、大会社の社長になったところで、人間は自分の主人公となるのは至難である、と考え事業を起こした、とか、

今も昔も事業家の悩みや思考は変わらないのではないか、と思える内容である。

こういった本は大人になってからの方が、心にしっくりくる感じで、伝記や偉人伝は子供だけが読むものでもないな、と思う。

こういったものが500円、600円で手に入るなんて、これ以上ROIの高い教育は無いですね。

投資の勝率

先日、某大手プライベートエクイティファンドの方と話す機会があったのですが、その方曰く、そのファンドの勝率は7勝3敗だそうです。

何をもって勝ち・負けを言っているのかは厳密に定義していませんが、大まかには、取得コスト以上で売却したものを勝ち、取得コスト以下での売却を負け、と考えると、

うちのファンドは4勝6敗くらいですか。ざっくり。そのうちに10倍クラスのホームランが2つ既にありますので、そこは1勝の意味も違ってきますね。

昔の上司の言葉

先日、前職の大手VC・J時代のの上司で、現在自身で大手バイアウトファンド会社を立ち上げ、社長をやっている方と久しぶりに話す機会を得た。

業界の方で知らない人はいないという人であり、雲の上の人であるが、未だに声をかけて下さることに大手VC・Jのつながりの深さを感じる。

30代どう仕事をするかと相談したところ、

＊10年1区切りで、1つのことに一身腐乱に集中して取り組め。幅を広げようとか考えるな。そうすればどこかのタイミングで次の話が向こうから来る。その時にそれを掴め。

＊1つで何かを掴んでいる人は、次のフィールドでそれを応用できる。しかし掴んでいない人は次何をやっても伸びない。

＊年に1人でもコアな人脈を作れ。それが40、50歳になって生きてくる。

といった言葉をもらった。

迷いがちな30男には、特に幅を広げようとするなという点が、自分の心に刺さりました。