大文字屋の憲ちゃん (当面は 石巻 地震) 

RIP 親父 けんちゃん 石巻 地震

20190105 正月の散策 武者小路実篤記念館にて

2019-01-05 21:52:27 | 日記

謹賀新年。

調布にラーメンを食べに行った。一軒目から二軒目に向けて歩いていると、妙に緑の多い通り。学校があり、図書館もある。不審がったり感心したりしていると、「武者小路実篤記念館」の看板。せっかくだから寄ってみることに。入館料は大人200円。

武者小路実篤といえば、小学六年か中学一年あたりに、山西の享さんから何かの記念に本を一冊買ってやるとお金を渡され、それで耽書房で本を買ったことがあり、その時買ったのが武者小路実篤の「友情」だった。

記念館内には、彼の文学上の、そして生活上の諸資料が展示されている。旅、日向の新しき村、絵、講演、関東大震災、そして家族、転居。広くはないが、蔵書が豊富で、閲覧室も備えているので、じっくり落ち着いてみることができる。著書や彼の言葉と絵をかいた色紙等々買い求めることもできる。

色紙には彼のこんな言葉がある。


 共に咲く喜び

 勉強 勉強 勉強
 勉強のみよく奇蹟を生む

 君は君 我は我也 されど仲よき

 仲よき事は美くしき哉

 私と共に七十三年 その間に最も忠実に私のかきたいものをかいてくれた老いたる手よ お前に感謝する(手形レリーフ)

 天に星 地に花 人に愛

 雨が降った それもいいだろう 本が読める

 この道より 我を生かす道なし この道を歩く

記念館と旧邸宅は写真撮影禁止なので、くわしくはこちらから。

調布市武者小路実篤記念館

記念館は実篤が終の棲家にした仙川の家の敷地内にある。邸宅と庭も保存されている。無料で公開されている庭はかなり広大で、近隣の住人の散歩道にもなっているようだ。かつて断崖だったらしくアップダウンがある。池と水路も多い。池には魚も泳いでいる。蚊柱のように小さな虫があちこち群れ飛んでいた。そういえば記念館の受付に備えてあったデジタル時計には、気温14度、湿度35%と表示があった。

 

 

 「友情」は残念ながら少年時代の私には理解できず、そのままになってしまった。記念館で「友情」を買い、もう一度読んでみることにして、私は家路に就いた。

 

20190105 正月の散策 武者小路実篤記念館にて

 

付記1 2018年の映画

見る本数が多くなかったが、良作はいくつかあった。

①ベストは次の5本

「わたしを離さないで」(2010 英)…限られた生の意味を見出すことの幸い。(Never Let Me Go)。永久保存。
「24時簡の情事」(1959 日仏)…自分の目で見ていないものをどこまで想像し考えることができるか。原題は「Hiroshima mon amour ヒロシマわが愛」。永久保存。
「男と女」(1966 仏)…愛するには勇気が必要だ。永久保存。
「ネブラスカ」(2013 米)…人間のばかばかしさがいい。アメリカの荒野を優しく映し出す。永久保存。
「早春」(1956 日)…浮気は本気ではない。

②その他こんなものを見た。

「熊座の淡き星影」(1965 伊)…破壊された心の生。
「奇跡の丘」(1964 伊・仏)…言葉による革命家としてのイエス。
「何がジェーンに起こったか?」(1962 米)…悪魔は人間の写し絵。
「淵に立つ」(2016 日仏)…道徳的規範を持たない現代において人間はわけのわからないまま血を流し続ける。
「緑の光線」(1962 仏)…自分だけが人に好かれないという感覚。最後に素敵な人と出会えてよかった。
「突然炎のごとく」(1962 仏)…男とはマザーシップだという太宰の言葉を思い出した。
「ローズマリーの赤ちゃん。(1968 米)…静かな恐怖。
「「僕の戦争」を探して」(2013 西)…スペインで「僕の戦争」を撮影中のジョンに会った男の物語。
「恋せども、愛せども」(2008 日)…生きるとは愛すること。
「シェルブールの雨傘」(1964 仏)…愛することをやめることができる哀しみ。
「ロシュホールの恋人」(1967 仏)…可愛らしいミュージカル。
「わらの犬」(1971 米)…知性が暴力に侵食されるとき。
「火の山のマリア」(2015 グアテマラ)…科学が進んでも迷信は残る。
「ミルレッドピアーズ」(1945 米)…仕事では有能だが愛情は見つけられなかった母。
「さらば冬のカモメ」(1973 米)…古き良き野郎ども。
「ラスト・ショー」(1971 米)…人も町も時代も命を持っていていつか終わりを迎える。
「最高の花嫁」(2014 仏)…異人種間結婚ではポリティカルコレクトネスだけでなく本音をぶつけ合うことも大事だ。率直さ。割礼、ハラル。
「四月物語」(1998 日)…女性の密かな企ての可愛らしさ。
「いとこ同士」(1959 仏)…真面目人間と不真面目人間のどちらも幸せにならない。
「アフリカの女王」(1951 米・英) …ハンフリー・ボガードの野卑もキャサリン・ヘップバーンの理知もいい。
「山の音」(1954 日)…湖の底深くに沈む思慕。
「バルタザールどこへ行く」(1964 仏・典)…死とはものを感じる心を失うこと。

 

付記2

この日食べたラーメンは仙川の中華そばしば田とつつじが丘の柴崎亭である。どちらもまずまずの味であった。

 

付記3 正月につぶやいた曲。

HAPPY 2019! Getting Better - MonaLisa Twins (The Beatles Acoustic Cover)

こちらが元。
The Beatles - Getting Better

Getting Better (Remastered 2009)  (↑リンク切れにつき追加 20220823)

 

付記4 (20190105 22:45追記)

鰐陵(石巻高校)同窓生の高橋修くんよりメールをいただき、昨年12月の石巻かほくの記事に、昔の「まるみ屋」さんや「大文字屋」の映った写真が掲載されたとのことでお知らせいただきました。下記で見ることができます。大文字屋はかなり判別が難しいです(苦笑。高橋さん、いつも情報ありがとうございます。

米軍医が撮った1951、石巻地方<46> 大町3丁目通り (http://ishinomaki.kahoku.co.jp/news/2018/12/20181223t13010.htm)

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