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大文字屋の憲ちゃん (当面は 石巻 地震) 

RIP 親父 けんちゃん 石巻 地震

20240831-0905 奥入瀬・十和田湖への旅のまとめー 青い森への旅の記録12 エピローグ

2025-06-07 09:12:24 | 日記

 奥入瀬の滝と岸壁は約76万年前の八甲田カルデラからの噴出火砕流堆積物。

 十和田湖火山は約20万年前から活動を始め約1万5千年前にカルデラを形成。
 湖の決壊による大洪水で奥入瀬渓谷は生まれ最新の噴火は約1千年前の平安時代。

 地球の年齢は約46億年。
 地球の寿命は約50億年。

 ある科学者が小学生向けの本のあとがきに書いていた。
 地球の寿命は約50億年。
 でもみなさん心配することはありません。
 そのころ人類はとっくに滅亡しているでしょうからと。

 

 

 緑の「気」との出会い。思えばこれが奥入瀬とのファーストコンタクトだった。
 奥入瀬森のホテルの屋外喫煙所で喫煙していると急に息苦しくなった。 
 空気が澄みに澄んでいる。それだけではない。酸素だかマイナスイオンだかフィトンチッドだから知らないが透明で濃密な何かが押し寄せてきて苦しくなった。

 

 夜空。宝石箱をぶちまけたような星空。標高300メートルでこれほどまでに星を近くに感じられるとは。ここは宇宙だ。

 

 奥入瀬渓流を歩く。

 橋の上に佇むと白い花びら様のものが舞い降りる。風花のよう。はらはらと舞い落ちくる不思議。それがなんであったか。いまだ知らない。

 

 森の奥から揺蕩〔たゆた〕う流れ。見たことのない風景。見たとすれば夢の中。そうとしか思えない風景。夢の風景。

 

 視界の中に飛び込む暴れ水。のたうちまわりじだんだをふみあたりに激突しながら突き進む流れ。
 全く並行して流れる穏やかで淑〔しと〕やかな流れ。
 二つの流れが融け合い一つになる。

 

 流れの岩の上に生い立つのっぽの樹木。ここでは樹は大地に根を張るのではない。

 

 苔のおかげだ。
 十和田湖から流れ出る一定の水。緩やかな傾斜。酸素の少なさ。それゆえ清冽な水。みずみずしい苔。
 それが樹木の生を支える。

 奥入瀬渓流館で苔の展示を見た時には「苔なんて…」と思ったが奥入瀬のこの驚異の光景を生み出す存在と知り私は苔に大きな関心を持つようになった。

 

 朝の湖畔を散歩する。
 朝の光とそれを迎える樹々。
 光。水。緑。

 湖の夜明け。
 太陽。光。水。緑。打ち寄するさざ波。大気の清新。山の吐く息。鳥の声。
 音の世界を支配する静けさ。

 30年以上前。元日の上高地にいた。
 一面の新雪。白と青の世界。
 無音だった。雪踏む音と呼吸音。それすらも新雪の中に吸い込まれた。
 頭の中のすべてが吸い込まれた。
 静かだった。私自身が静けさだった。

 同じ静けさをこの湖畔で経験した。

 光。水音。緑。鳥の声。静けさ。その静けさに私は同期する。


 湖畔の石の模様から古(いにしえ)の人は何かを読み取らなかっただろうか。
 誰かからのメッセージを。何らかのメッセージを。

 

 なるほど古の時代に人は神無しでは自然の苛烈さを受け入れることができなかったであろう。

 人は神を必要とした。 

 私たちが科学を信ずるように人は神を信じたのだ。

 そして神無き時代にあっても人はメッセージを受け取り続ける。

 

 湖面の濃密な青。
 それは空の青。そして宇宙の青。
 清澄にして濃醇な大気。

 

 奥入瀬を訪れて天気が悪かったなら天気の良い日にまた訪れてほしい。
 奥入瀬を訪れたなら最低10分は渓流沿いを歩いてほしい。歩くのを止められなくなるだろうから。

 

 十和田湖を訪れたなら早朝に西の遊歩道を歩き東の山の端から昇る朝陽を見てほしい。そうして水辺で湖水に指を浸し石の模様を楽しみ緑に染まる国道を歩いてほしい。きっと歩くのを止められなくなるだろうから。

 

 

 奥入瀬十和田に何があったのか。
 人間と自然が存在する以前の世界。
 はじまりの世界があった。

 いまだ人の存在しない世界の予感。

 人が神を生み出さずにはおれなかった世界。

 奥入瀬十和田は地球の比喩である。
 人間の比喩である。
 だから人間が見える。
 私がどこにいるのかを教えてくれる。

 単純に驚きだった。

 世界の秘密を垣間見た。

 特別な旅だった。

 水への旅は一つの頂に達した。

 旅はいつもはじまりへの旅であり旅はいつもなにかへのはじまりだ。

 なにかはもうはじまっている……

 

 

 

 

 

付記1

 奥入瀬・十和田湖への旅の記事(青い森シリーズ)は暫定的に写真・動画のみを記事としてUPした後に時系列順の旅行記として記事としUPしております。旅行記としての記事は以下の通りです。(当記事を含む。)当地の詳細情報はこれを参照してください。

 20240831 奥入瀬 森のホテルへー青い森への旅の記録01ー

 20240901 奥入瀬渓流館ー青い森への旅の記録02ー

 20240901 奥入瀬渓流を歩く(その1)ー渓流館〜石ヶ戸ー青い森への旅の記録03

 20240901 奥入瀬渓流を歩く(その2)-石ヶ戸〜雲井の滝〜白糸の滝ー青い森への旅の記録04

 20240901 奥入瀬渓流を歩く(その3)ー白糸の滝~銚子大滝〜十和田湖子ノ口ー青い森への旅の記録05

 20240901 十和田湖畔の夕食難民ー青い森への旅の記録06

 20240902 十和田湖パワーボートクルーズと青森グルメー十和田湖の力(その1)―青い森への旅の記録07

 20240902 十和田神社と乙女の像―十和田湖の力(その2)―青い森への旅の記録08

 20240903 木のいのちの輝き 十和田ホテル ー青い森への旅の記録09

 20240904 光 水 緑 静けさー十和田湖 朝の散策ー青い森への旅の記録10

 20240905 帰路ーUFOとせんべい汁と味噌カレー牛乳ラーメン ー青い森への旅の記録11

 20240831-0905 奥入瀬・十和田湖のまとめー 青い森への旅の記録12 エピローグ(当記事)

 暫定的にUPした記事は以下の4本です。

 20240901 青い森を歩いてきた1 ―奥入瀬渓流―夢で見た風景

 20240904 青い森を歩いてきた2 ―十和田湖の朝―神秘の水

 20240902-5 青い森を歩いてきた3ー十和田ホテルー上質なる静けさ

 20240902 青い森を歩いてきた4ー十和田湖パワーボートクルーズー秘境巡りと十和田湖の表玄関

 

 

付記2

 前の記事でもふれたように奥入瀬渓流及び十和田湖周辺の宿泊施設の多くは冬季閉業となります(国道も通行禁止になる)。豪雪地帯にはよくあることのようで観光産業の難しさを感じます。また奥入瀬渓流と十和田湖の魅力は観光地化され陳腐化されることを拒む面があります。これも当地の観光業にとっては悩ましいことと思います。時節柄インバウンドに来訪してもらいたくさんお金を落としていってほしいところです。私が行った時にもそこそこ見かけましたが青森の奥地までやってくるインバウンドはまだまだ少なくそもそも観光客自体がそれほど多くないのが現状です。もっともっとこの地の魅力を多くの人に知ってほしいものです。

 

付記3

 2024年10月に「道の駅・十和田湖」が十和田の西湖畔にオープンしたようですが公式HPを見ても営業時間等の表示がなく営業状況が定かではありません。また「道の駅とわだ『とわだぴあ』」というのもありこれとの差別化も十分でないように思います。前者が秋田県鹿角郡小坂町にあり後者が青森県十和田市にあるため地域連携に壁があるのかもしれません。しかし外からくる観光客にとっては困ること以外の何物でもありません。インバウンドがインターネットを駆使して旅行先の情報を収集し旅行を計画している(地方のリーズナブルな良宿がリサーチされ一年以上予約が埋まっている例を見たことがある)ことを考えると情報発信・情報連携の問題は当地の観光地としての課題であると思います。(私のような夕食難民が発生しないためにも。)

 

付記4

 もし時間と体力と予算に余裕があるなら「十和田湖パワーボートクルーズ」を体験してみてほしいと思います。はじめて行った人でも十和田湖についてかなり知ることができるようになると思うからです。(キャプテンのガイドが素晴らしい。ただし非常にスリリングゆえ心臓の弱い人にはお勧めしません。)

 

付記5

 私が十和田湖にUFOを見たのも十和田湖がパワースポットであるからかもしれない。そのパワー(力)についていつか科学は説明するかもしれません。火山。マグマ。鉱物。地磁気。重力。湖の深さ。量子の運動。時空の歪み。等々。できることなら科学の力で説明してほしいものです。(ただし科学は人が何かを受け取り続けることについて説明するものではありません。大工と料理人ではする仕事が違うのです。)

 

付記6 

 青森への旅(奥入瀬・十和田への旅)シリーズの記事に付した曲を再生リストにまとめました。CMなしで楽しめます。

 S&G(サイモンとガーファンクル)が多くなったのは彼の地がクラシックな地であったからクラシックポップス(そんなジャンルがあるかどうかはわかりませんが)が合うと感じたから。そしておそらく彼らの音楽に「静けさ」を感じたからだと思います。

 

青い森の旅シリーズの再生リスト(26曲、約80分)

青い森の旅シリーズS&G関連を除く再生リスト(13曲、約40分)

青い森の旅シリーズS&G関連限定の再生リスト(13曲、約40分)

S&G BEST25(25曲、約90分)

 


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