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日々雑感「点ノ記」

備忘録(心の軌跡)

美空ひばり

2013年02月13日 | インポート
作業現場の澄み切った美しい空で、ひばりが心地よさそうにさえずっていた。

「美空ひばり」という歌手の名前は、「美しい空」でさえずっている「ひばり」というようなイメージでつけられたのかなと思ってしまった。

比較的穏やかで、暖かくなった一日だった。

大空高く舞い上がり、心地よさそうにさえずっているひばりは、何のためにさえずっているのだろうか。

求婚活動だろうか、なわばりの主張のためだろうか。

あるいは、さえずることそのものが、彼らの生業なのだろうか。

昔から、ひばりのさえずりを表現するのに、「ピーチクパーチクひばりの子」というのがあるが、外国人が聞いたならばどのように表現するのだろうか。

私の耳には、大空高くでさえずっているひばりの鳴き声は、「ピピチチピピチチピピチチピピチチ」とかいうふうにしか聞こえないが、その鳴き声を聞いていると、うきうきとして、心地良い春を感じてしまう。

「川の流れのように」という歌は、彼女の人生そのものを表現しているようで感動ものの歌詞とメロディーだと思う。

彼女の人生は、数多くの映像や歌として残されており、私たちの記憶の中にも残っているが、私たち庶民の人生はどうだろうか。

平凡に生きて、家族と極一部の周りの人たちの記憶の中に残り、死後の時間の経過と共にその記憶は薄れてゆくように思うが。

今年は祖父が死んでから満49年が経過し、50回忌の法事をやる年になる。

50年も経つと、思い出すこともまれになってしまっている。

訳あって一人暮らしをしていた祖父が倒れたということで、我が家に運び込まれて、家の座敷の布団の中で意識不明の状態で寝ていた姿を思い出す。

そして、丸一日もたたないうちに亡くなった。

身近な人の「死」を、生まれて初めて体験した10歳の頃の思い出。

自宅での葬式で、近所の人や大勢の弔問の人たちが訪れて、その中には生まれて初めて見る顔の人も多かった。

自分の人生の中では、父とふたりの伯母の分を合わせて合計3回の喪主を経験している。

先の事は分からないが、母親の喪主をつとめるまでは元気でいさせてもらいたいとは思う。

美空ひばりさんは、旅立った世の中の方でも、心地よく歌っているのだろうか。



豊田一喜