自然界の生き物たちの生態は示唆に富んでいる。
例えば「昆虫の王様」カブトムシ。オスの立派な角は“戦うための武器”と思っていたが、それだけではないらしい。
餌場で別のカブトムシと鉢合わせすると、角でつつき合い、互いの力量を探り合う。
大抵、すぐにどちらかが退散して決着がつく(本郷儀人著『カブトムシVS.クワガタムシ』講談社)。
つまり、あの角は“戦わないためのセンサー”でもある。
「鳥の中には、生存と繁殖をかけた“戦争”を、芸術的とも思える“競争”に進化させた種も多いんですよ」と鳥類学者の友人が言っていた。
クジャクのオスは鮮やかな羽を広げてステップを踏み、メスを引き付け、他のオスを圧倒する。
ダンスショーさながらの光景だ。ウグイスは美しい鳴き声を響かせて縄張りを守る。
まるで歌唱のように聞こえる。
戦いを“ダンス”や“歌唱”へと進化させた鳥たち。
それに比べ、「生物界の君主」を気取る人間は、あまりに野蛮で残酷で悲惨極まりない戦争を続けている。
人類を戦争へと退化させては絶対にならない。
同じ人間として、国家、民族、イデオロギーなど、あらゆる差異を超え、対立から協調へと転じゆく対話に全力を注ぐべきだ。
平和社会へ進化するために。
2023年8月9日 名字の言
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