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私の読書ノート(2) 「逆転の大中国史」

2016年09月28日 | 読書ノート

 

「逆転の大中国史」

 ジャーナリストの櫻井よしこ氏推薦になる楊 海英氏の著書は正に蒙を啓くものといえるでしょう。

 「中国」正しくは「シナ」4000年の歴史は私たちが暗記させられた「夏・殷・周・秦・漢・三国・南北朝・隋・唐・宋・元・明・淸」のつながりの中で漢(シナ)民族の王朝は前漢・後漢の405年間と明の276年の合計681年で、宋は地方政権に過ぎないといいます。
 
 現在の中国のかかえる深刻な民族問題や外交上のトラブルはの多くは、他民族、多文化、宗教への不寛容、および関心の低さのあらわれだといえる。そして、その背景にあるのは、「中国=漢民族を天下の中心とみなす」、いわゆる「中華思想」なのだと楊氏はいいます。

  その中華思想が端的に表れている例が尖閣や南シナ海などでしょう。 
  
 こころみに地図の表示をシナを含むユーラシア大陸を南を上にしてみると、中国=シナは南方の一地域に過ぎないことがわかります。そして日本の南側には茫洋と太平洋が広がっています。
 
 著者は内モンゴル出身の帰化日本人ですが、記述にバイアスがかかっているといわれますが、巻末の参考文献によると多くの日本人による文献を参考にしています。

  ユーラシア史研究にかくも多くの優れた日本人先達がいるということは十分に誇ってよいことでしょう。
 
 本書を通読して楽しかったのは著者自身の撮影による遺跡や風物の写真でした。
特に遺跡の写真の数々はユーラシア大陸にこのような遺跡が多数存在していること知り驚きを禁じ得ません。
 
 桜井よしこ氏は「中国の実態をよりよく知り、己を知るためにも楊氏の著書は必読であろう」と述べておいでです。正にその通りです。

 



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