建築士のたわごと!    ひとりごと!

ぶつぶつ独り言(いや!内容を復唱しながら?)を言いながら図面を描いてます。たまに近くにいる人が反応してます。(笑い)

そんなに違ってくるの?

2016-02-23 11:15:22 | 住宅

先日、確認申請の審査を受けてきました。(建物を建てる時、必ずしないといけない申請の事です) 今回は、木造2階建て住宅です。 私共は、住宅だからこそ丈夫に地震に負けないように作っていきたいが信念であり 木造住宅でも簡易的計算でなくて 大規模建物と同じ手法で計算(許容応力度計算といいます)をしていました。 なぜなら 簡易的計算と許容応力度計算とでは、実は答え(計算結果)が違うんです。 耐震金物 一つ とってみても取付ける位置や大きさに相違があって戸惑う時がよくあります。 書類を通すのを前提に行えば前者の方法が、簡単でありますが 実際 地震に遭遇した時を考えると 後者の方が安全と言えます。 しかも全体的に金物は、少なくなり経済的でもあります。               (ケ-スによっては、後者の方が不利になる場合もあります) そこでこの計算方法で行いましたから証明書類は、これで良いでしょうか? と 質問しました ところが、必要ないよ! と答えが・・・・  まぁ~ 4号特例(木造2階建て程度の建物を指します)だからいいのか 法令通りだし しかし 証明するものが無くて小さい金物を書いても決裁されてしまうんだ と感じて怖さも感じました。 つまりは、こう言う事になります。  審査側は、構造の審査(チェック)しないから ちゃんとやっておいて こちらには責任ないよ! これが、4号特例の実態です。 その代わり早く決裁をしてあげるから・・・ では、耐震性はどうなるの?  基準法(建築物を建てる時最低限守らなければならない法律のこと)では、 どうやら震度5程度(80ガル~250ガル)で壊れない という境界線にあります。  倒れないではありませんよ! しかし 適正に出来ていた場合の話しです。 自社計算ですけど簡易的計算で行った場合180ガル程度で 壊れてしまう(限界の傾きも超えてしまう) 一方 あるチェックを行う事で280ガル程度で壊れる可能性が 出てくる。実に1.5倍の差が出てくる事になります。 なぜ そんなに差が出てくるのでしょうか? 簡易的計算法(壁量計算法)は、前提というものがあります。 建物の想定重量や想定高さがあり 実際の建物に合っていない可能性があります。 それらを具体的に実情にあった計算 それが許容応力度設計法となります。 もちろん筋交いの発揮できる力から割り出していますので簡易的計算と同じ壁量でも不足となってきます。 筋交い以外にも梁や柱、基礎まで一貫して計算をしていきますので安心をお届けできると私なりに考えて 設計に役立てていたのです。 通る通らないよりも お客様の財産の保護(ある程度の地震には) を考えたら微力ながらも出来る事は全てやりたいのです。 だったら何故 みんな 構造計算をしないのか? ・それは先ほども書いたとおり法令で必要としていない事 ・ある程度のスキルと設備が必要となっている事 ・木造計算は、他の構造よりも少し複雑で面倒な事 時間的にも設備があれば早く判断できますが人力ですれば時間が掛かります。 『法令でも必要ない』 『かなり面倒な作業』 ではありますが 本当の意味での安全を提供できるようにがんばっています。