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かずさんの、ふらり日々是好日の記

ふっても てっても  日々是好日  泣いてもわらっても 私の一生の中の きょうが一番いい日だから

731 NACCSの普及状況は?

2010-02-25 | NACCS
 5~6年ぐらい前から、関係者で検討と作業が行われていた海・空のNACCSの更改作業が2月21日のAirの新システムの稼動で一応終了し、順調に稼動しているとのこと。関係者のご苦労に、ひとまずお疲れ様ですと申します。

 全国の輸出入申告の98%が、NACCSで申告し許可になっているとのこと、日本で唯一の貿易手続きシステムとして、港湾、空港の貨物処理のシステムとしてこれからも進化することを期待しています。

 そこで、今回はこのNACCSの普及状況を企業統計から見てみます。
 よく笑い話で、もっとも多い職業は、「社長さん」と言われます。

政府の事業所・企業統計調査によれば、わが国の会社企業(株式会社、有限会社、合名会社、合資会社、合同会社及び相互会社)の数は、2006年10月の調査では151万社ということです。すると成人日本人の、5~60人に一人は社長さんということになりそうで、盛り場を歩いている人をキャッチするのに「社長さん、社長さん」と呼ぶのは当たっている確率がそれなりにありそうで、「部長さん、部長さん」と声をかけるよりは、好感度もアップし営業用語としては良さそうです(笑)。

 ついでに、同じ統計の事業所数は、609万ですので、社長さんと所長さんの名刺は、成人日本人の10人か15人に一人くらいは持っている計算になりそうです。

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 脱線はさておき、NACCSの民間利用者は、輸出入・港湾関連情報処理センター(株)の資料によれば、2009年10月末現在で、海と空を合わせて2471社、5954事業所と発表されています。

先ほどの、日本中の会社や事業所の数から見れば微々たる比率ですが、日本のJRの駅の数が約4600で、
JR、私鉄、路面電車、地下鉄の数を全部合計すると約9800と言われていますから、NACCSを利用している事業場は、それなりの広がりと規模になっていることが明らかです。

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 NACCSの関連の話題をもう一つ取り上げると、昨24日の神戸税関のホームページで、「輸出入・港湾関連情報処理システム等に障害が生じた場合の税関手続について」というお知らせがアップされています。

 NACCSの更改作業が上手くいったからといって、システムの突然の不調で長時間、利用できないということは、銀行や他のシステムや、外国の税関システムの例を持ち出すまでもなく有りうることです。

 NACCSがシステムダウンしたからといって、24時間も輸出入が出来ないなんてことは許されません、不測の事態に備えての対応をあらかじめ示しておくというのは、適切な計らいのように感じています。



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この2・3日、コートでは汗ばむような気温となっています。花粉が飛び出して、この季節には沖縄で生活したいという方もいらっしゃるのでは。お察しします。

 数回前のブログでPCが不調と申しましたが、Windows7のノートを買いました。
サクサクではありますが、ユーザーインターフェイスがだいぶ変わり、目下習熟中です。

がんばれ、TOYOTA!! がんばれ NIPPON!!






728 税金で賄うのか、受益者負担か?

2010-02-03 | NACCS
 東京23区では、2年ぶりに雪化粧があったようですが、今日は節分、明日は立春と季節は着実に変わりつつあるようです。
 昨夜は、自宅近くの店でご主人と話していたら、近頃は、節分の豆まきは小さな子供がいる家庭は別にして、あまり盛んではなく、むしろ恵方巻きを食べるのが、よく行われるようです。ちなみに、今年の恵方は西南西とかですが、皆さんの節分はどんな習慣が行われていますか。

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 このブログの読者は、通関に限らず、輸出承認、検疫、食品衛生などの貿易手続きの大半は、NACCSを利用して行われていることをご存知ですが、そのNACCSのシステム更改が2月21日に行われます。

 NACCSは、海上貨物のSEA-NACCSと航空貨物のAIR-NACCSとの二つのシステムから構成されていますが、大体8年ごとに機能強化や、業務範囲の拡大・見直しなどのため、ハード及びソフトの全面的改良が行われます。

  SEA-NACCSは、2008年10月に前回の更改が終わり、今度のAIRの更改はこのSEAのシステムに統合する形で行われます。また、この統合では、これまでシステムが別になっていた、国土交通省の港湾EDI、法務省の乗員上陸許可支援システム、経済産業省のJETRAS,財務省のCuPESの、システムも、NACCSに統合されることになっています。
  これから、動物検疫(ANIPAS)、植物検疫(PQ-Network)、食品衛生(FAINS)というシステムも、システムライフが済めば順次、NACCSに統合されます。

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 このような事情は、日本関税協会が発行の月刊誌「貿易実務ダイジェスト2月号」で財務省関税局の水井事務管理室長が詳しく述べていますが、同氏の記事の中で、輸入申告一件あたりの税関や通関システム利用のために、申告者が負担する手数料の、国際比較が掲載されています。

 日本では、輸入申告のため税関に支払う手数料は無料で、NACCSを使っていわば申告書を作るための「事項登録」という業務の実費の手数料がSeaは40円/件、Airは20円/件で、(申告を税関に出すための手数料は無料です。)この金額は、世界的にも最低ラインのシステム利用料とのことです。

 アメリカの場合は、システムの利用料ではなく、どの輸入申告でも税関サービスを受けるための手数料が必要で、最低金額が$25/件(最高は$485/件)となっています。このような、税関サービスを利用するための一般的、包括的な手数料は、オーストラリアなどでも見られます。

 先ほどの水井氏は、「米国は受益者負担の考え方が徹底していて、貿易をする人のコストをなぜ国民一般が払わなければいけないのか、それは貿易をする人が払うのは当たり前という考えがあり、税関予算は全て手数料で賄っている・・」とされています。

 日本でも財政赤字が大きい中で、誰が行政コストを負担するのかという、非常に重要な問題を示唆しているといえます。

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写真は、京都壬生寺の狂言「節分」です。



677 使えそう!NACCSの輸出入者機能(^.^)(その2)

2009-06-19 | NACCS
前号に続いて、 NACCSについて輸出入者が使える業務についてです。

2 輸出入者が利用できる業務
(3) 海貨業者、通関業者との連携

  通常、輸出入者は複数の物流会社(海貨業者、通関業者、フォワーダーなど)とFAX、郵送、メールなどいろんな通信手段で連携したり、システムの接続をしています。

いわば、相手先ごとに連携の方法が違ったり、システムであれば企業ごとに接続手順やプロトコルなどを合意する必要があります。
ところが、この物流関係企業はNACCSと繋がっていますので、輸出入者と物流関係企業との連携をNACCSを介することで実現すれば、NACCSとの接続さえ実現すれば、物流企業と同一の連携基盤でつながることになります。

 NACCSには、インボイスやパッキングリスト情報の登録、輸入指示書登録、船積指図書(S/I)情報登録などの業務がありますので、輸出入者が物流業者に送付する基本的な文書はNACCSを経由して送信できます。

(4)汎用申請業務

  輸出入申告以外に、NACCSで申請できる税関手続きがいくつも用意されています。
 汎用申請業務(業務コードHYS)といわれるもので、評価申告、事前教示申請などですが、これらは輸出入者が自ら行うことが多いものですが、定型的な内容なら説明する必要も少ないでしょうから、毎回、税関までいかなくてもNACCSから手続きできれば、事務の合理化になります。

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昨年10月の海上システムの更改から、新しい納税方法が追加されました。ダイレクト方式と言われるもので、輸出入者等の一般の銀行口座から、自動的に輸入貨物の関税・消費税等を引落としてくれるものです。

NACCSが勝手に、輸入者の口座から引き落としは出来ませんので、あらかじめその申し込みをしておく必要がありますが、いちいち通関業者に送ったりなどの手間が不要ですので簡便です。2009年5月末でこのダイレクト方式による納税をするとして約680の口座が登録されています。

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21日は夏至です。
全国各地で「100万人のキャンドルナイト」が行なわれます。これは、夏至と冬至の年2回「でんきを消して、スローな夜を」を合言葉に、20時~22時の2時間を一斉に電気を消してキャンドルの明かりで過ごすことを促す運動です。
コーヒのスタバでは、これに関連する企画として照明の一部が消灯されるようですよ。





676 使えそう!NACCSの輸出入者用業務(^.^)(その1)

2009-06-18 | NACCS
 昨日、某研究会で、従来通関業者や保税業者が使うものと考えられていたNACCSについて、輸出入者が使える機能などの説明を聞く機会がありました。

 というのは、2008年10月にSEA-NACCSが更改され、利用業種に「輸出入者」が新設され、商社やメーカーなどが、自分では輸出入申告はしないもののNACCSの利用者になって、NACCSの荷主向け機能を利用するということが、広く行なわれるようになりました。

 また、来年2月にAIR-NACCSが更改される予定で、これにあわせNACCSによって申請できる税関手続きが広がりますので、NACCSユーザーになるメリットが大きくなりますので、このようなことも踏まえて、「輸出入者」としてのNACCSの利用策を考えようという趣旨です。

 ただし、輸出入者でそれぞれ社内システムやニーズが異なりますから、使いこなすためには、少しの工夫や努力は必要でしょう。何しろ、殆どタダで利用できるんですから。

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1 費用
輸出入者がNACCSの利用者になるには、輸出入・港湾関連情報処理センター(株)に申し込む必要がありますが、会社のパソコンがインターネットに繋がっていればnet NACCSの利用であれば、基本的に無料で利用することができます。

 国税の申告をネットからする時はICチップを読むカードリーダーが必要ですが、NACCSは電子認証を無料で利用できますので、リーダーは不要です。このため、専門の通関業者のように大量の処理をしない輸出入者であればインターネットを利用すれば追加の初期経費は必要ありません。

また、実際にNACCSを利用する場合は、業務によって1回10円とかの利用料が必要ですが、輸出入許可のデーターを送ってもらうとか、税関手続きの申告データを送るような時は無料です。

2 輸出入者が利用できる業務
(1) 貨物情報照会(ICG・・この3文字は業務コードといわれ、NACCSの業務には3桁又は4桁のコードがついています。通関業分野で働くと、このコードを使って関係者が議論している場面を目にしますよ!)

自分の輸出入貨物が、NACCSシステム上でどのような状態になっているのか、例えば保税倉庫に入って申告待ちか、進行して税関の許可待ちかなどのリアルの情報を照会できます。
この業務をする時は、一回10円の従量料金が必要です。いわば照会料ですね。

この照会をするためには、輸入はB/L番号、輸出は貨物管理番号(NACCSが輸出貨物ごとに払い出す番号です。)が必要ですので、この業務を利用するためには、これらの番号を輸出入者が承知する仕組みが必要です。

(2) 輸出入許可通知情報の受信
 自分の名義で税関に申告している全ての輸出入申告内容と許可がされたことのデータが、NACCSからリアルタイムで無料で配信されます。

 CSV形式の電子データですから、荷主側でデータベースにして、利用方法に応じて加工することが出来ます。大組織の輸出入者なら、本支店等細分が明らかなように税関発給コードを取得してNACCSの申告に使用すれば、輸出入申告状況の詳細なデータベースを入手できますよ(^.^)。

(つづく)

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衆議院で、脳死後の臓器提供の年齢制限を撤廃し、本人の意思表示がなくても家族の同意で提供を可能とする臓器移植法改正案が可決されました。

ドナーカードを名刺入れに入れている一人として、関心のある法案です。







585 電子インボイスとNACCSの現況

2009-01-23 | NACCS
輸出入申告の電子化(システム処理化)はほぼ100%、ブログ「578 港湾EDI化の進捗は、東高西低?」で紹介したように、船積み書類作成データのEDI化率は、NACCSの機能充実によって、まだまだ余地はあるもののかなり上がってきました。

船舶の入出港や、貿易に伴う税関以外の港湾局、防疫、食品衛生等の手続きもだいぶシステム開発が出来て、電子化が図られました。

このような港の電子化が進んだのは、税関・NACCSが中心になって、データ内容や送受信方法の統一化や標準化が図られEDI環境が整ったことに負うところが大きいものです。この意味から、NACCSが長年にわたって港湾の電子化に貢献してきたことは特筆される業績といえそうです。

 さて、貿易に関係する書面を、ざっと眺めてみると、荷主と海貨業者との船積指図書(S/I)の受け渡しや、荷主と通関業者とのインボイスやパッキングリストの受渡しのように、民~民間のデータ授受は、まだまだ紙によっていることが多く見られます。

もちろん、自動車や電機のような大手荷主と、関係の物流企業との間はそれぞれのオーダーメードによるシステムがあってEDIによるデータ交換が行なわれていますが、問題は、これら以外の多くの荷主と海貨、通関等関係者間のデータ交換のインフラ整備が進んでいないところです。

EDIやシステム処理の効果が最大に発揮できるのは、100%が処理対象となっていることで、一部でも在来型の紙や手による処理が残ると能率はがたんと下がってしまいます。

税関手続きでは、関税法第68条(輸出申告又は輸入申告に際しての提出書類)によって、仕入書の提出が求められています。このインボイス提出をわざわざ紙で行なうことは、データ化が進んでいる大手荷主にとってはかなりの負担でした。このため、CuPES(税関手続き申請システム)というNACCSとは別の税関システムで、インボイスデータにより提出する電子インボイスが認められていました。

2008年10月からは、 このCuPESに代わって、NACCSで、この電子インボイスを受けるようになりました。

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通関士試験の申告書作成の勉強をされている方はご存知ですが、荷主から送られたインボイスによって通関業者が申告を作るためには、インボイスに書いてある貨物のHS分類を行い、同じ番号のものは一緒にして申告価格を計算して税額計算を行なったり、減免税適用の指示を行なったり、20万以下の貨物については一つの欄に統合(小額合算といいます。)したりの準備作業を行います。

このような、仕分けといわれる前作業をして輸出入申告が完成されますが、電子インボイスになると、従来紙のインボイスに線を引いたりして行ってきた仕分け作業が出来なくなります。

このため、NACCSは、電子インボイスを受けるに当っては、このような仕分け作業がシステムの画面で出来るような工夫がされています。

なお、電子インボイス情報を登録できるのは輸出入者に限られており、荷主が指定した通関業者は登録時にNACCSが払出す「電子インボイス受付番号」によってそのインボイス情報を先ほどの仕分けや輸出入申告事項登録に活用できます。

大手荷主は、独自に自分のパートナーと自分仕様のシステムを開発して利用していますので、NACCSは単にデータを受けてくれれば良いと言う事かも知れませんが、多くのその他の荷主や関係者にとってはNACCSがデータフォーマットや機能を提供することでマルチに利用できる共通のEDI基盤が設定されるということになります。

このような機能は、NACCSセンターのような公的な色彩のあるところが低料金で提供しないと、なかなか普及しないでしょうね。

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このような電子インボイスのための標準化作業は、国連の下部機関であるUN/CEFACT(貿易簡易化と電子ビジネスのための国連センター)が世界的規模で活動しています。

CEFACTは、電子データ交換(EDI)標準として著名なUN/EDIFACTの国際的管理組織です。
なお、日本では(財)日本貿易手続簡易化協会(JASTPRO)がUN/CEFACTの窓口として活動しています。

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週末はぶるぶる~寒そうです。

写真は、1月から2月にかけて黄色い花を付ける落葉広葉低木のロウバイ(蝋梅)です。
唐の国から来たこともあり唐梅とも呼ばれ、中国名も蝋梅であったことにちなむとか、別の説では花被片が蝋細工(ろうざいく)のようであったことからとか・・。