今日は!きょうは関税制度の中では、古くからありますが余り知られていない制度を取り上げて見ます。
関税の重要な機能に国内産業の保護というものがありますが、その保護の仕方には色んな方法があります。
ある日本伝統の商品Aをイメージして、
① Aの国内産の価格は、外国産とほぼ同じです。
② Aについては国内需要の1%を供給する能力が国内に残っています。
③このため、残りの99%は輸入に依存しますが、Aを使って国内で加工する実需の産業向けには、低い負担で輸入を認めてAについての国内需要量を確保し、
④ 実需でもない、一般の輸入には高関税をかけたい
のような行政的な要請が有るとします。こういう場合によく使われるのが、「調整金」制度や「関税割当制度」です。
先ほどのAは、「生糸」が近いものです。生糸や絹製品はかって日本の伝統的な産業で、絹糸にして着物などにしていますが、今や絹製品のうち純国産の生糸を使っているのは1%に満たないようです。
私たち消費者は、高価な着物なら生糸から国産と思っていますが、ほとんどの絹製品の生糸は外国産と想像したほうがいいかもしれません。
生糸の輸入については日本の伝統的な産業を守るため、生糸の実需者輸入制度が取られていましたがこの4月から法律(生糸の輸入に係る調整等に関する法律)が廃止され、関税割当制度に移行しました。
では生糸の関税制度がどう変わったか見てみましょう。
(従来)
①(独)農畜産業振興機構による輸入 関税無税
②絹業の者や団体が輸入するもの 関税無税+畜産振興機構に190円・KGの調整金納付
③一般の輸入 関税3068円/KG+調整金3910円/KG
(現在の関税割当)
① 関税割当を受けた者の輸入 関税無税
② その他 関税6978円/KG
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関税割当制度は、一定の輸入数量の枠内については無税や低税率(一時税率)を適用して、需要者に安価な輸入品の供給を図り、他方この枠を超える輸入は高税率(二次税率)を適用して国内生産者の保護を図ろうとするもので、具体的には「関税割当制度に関する政令」に出ています。
ウルグアイ・ラウンドで関税化を進めたときに品目数が増えて、農水省所管の農水産品がほとんどで(19品目)、その他は経済産業省の所管物資である皮革と革靴の2品目だけになっています。
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2007年12月4日の関税外国為替等審議会関税分科会の資料を見ていると、小売で50万円の着物の加工工程の価格が出ていましたので紹介します。
一枚の着物が出来るまでは ①養蚕農家が繭5.5KGを製糸工場へ売り(販売価格550円) ②製糸工場で1KGの生糸にし(同3100円) ③ 織物工場で織り(同12000円) ④画き、染めなどの加工して一反の生地が出来(同150000円) ⑤集散地問屋の手を経て(同250000円) ⑥小売店の店頭へ(50万円)という流通経路のようです。織物まではかなり低い値段ですが、これ以降の付加価値が大きいんですね・。
関税の重要な機能に国内産業の保護というものがありますが、その保護の仕方には色んな方法があります。
ある日本伝統の商品Aをイメージして、
① Aの国内産の価格は、外国産とほぼ同じです。
② Aについては国内需要の1%を供給する能力が国内に残っています。
③このため、残りの99%は輸入に依存しますが、Aを使って国内で加工する実需の産業向けには、低い負担で輸入を認めてAについての国内需要量を確保し、
④ 実需でもない、一般の輸入には高関税をかけたい
のような行政的な要請が有るとします。こういう場合によく使われるのが、「調整金」制度や「関税割当制度」です。
先ほどのAは、「生糸」が近いものです。生糸や絹製品はかって日本の伝統的な産業で、絹糸にして着物などにしていますが、今や絹製品のうち純国産の生糸を使っているのは1%に満たないようです。
私たち消費者は、高価な着物なら生糸から国産と思っていますが、ほとんどの絹製品の生糸は外国産と想像したほうがいいかもしれません。
生糸の輸入については日本の伝統的な産業を守るため、生糸の実需者輸入制度が取られていましたがこの4月から法律(生糸の輸入に係る調整等に関する法律)が廃止され、関税割当制度に移行しました。
では生糸の関税制度がどう変わったか見てみましょう。
(従来)
①(独)農畜産業振興機構による輸入 関税無税
②絹業の者や団体が輸入するもの 関税無税+畜産振興機構に190円・KGの調整金納付
③一般の輸入 関税3068円/KG+調整金3910円/KG
(現在の関税割当)
① 関税割当を受けた者の輸入 関税無税
② その他 関税6978円/KG
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関税割当制度は、一定の輸入数量の枠内については無税や低税率(一時税率)を適用して、需要者に安価な輸入品の供給を図り、他方この枠を超える輸入は高税率(二次税率)を適用して国内生産者の保護を図ろうとするもので、具体的には「関税割当制度に関する政令」に出ています。
ウルグアイ・ラウンドで関税化を進めたときに品目数が増えて、農水省所管の農水産品がほとんどで(19品目)、その他は経済産業省の所管物資である皮革と革靴の2品目だけになっています。
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2007年12月4日の関税外国為替等審議会関税分科会の資料を見ていると、小売で50万円の着物の加工工程の価格が出ていましたので紹介します。
