だんだんカヤックにハマッテいった私だったが、肝心のカヤックはずっとレンタルだった。あんな大きな物、我が家にはしまう所もないし、運ぶこともできない(私には)。
もちろん、ひょいと車の屋根に載せてどこへでも行く人はたくさんいる。
が
私の日常生活の中にはそのマニュアルはなかった。だから「所有」することなど夢にも思わなかった。いや、夢見ていたが諦めていた。
ところが、しかし、
前の職場を退職した。少しだが退職金が入ったので、今まで頑張ってきた自分にご褒美をあげようと思った。
そんな折も折、「中古なんですが、どうですか?」と声をかけられた。「でも置く所が…」と躊躇する間もなく、「置き場所のことなら、組み立て式で、車のトランクにも入ります。 こちらで預かっておくこともできますよ」ときた。
夢が突然現実になりそうで、ググッときて、思わず(?)「買う!」と言ってシマッタ。
どうやら「私に退職金が入ったこと、私が何か自分にご褒美をあげたいと思っていること」などを感じる取る霊能者を抱えているらしい。
かくして 「おかいあげぇ~」 となった。
これがマイカッヤク!
これから大いに「非日常」と言う冒険をしていく相棒であり、命預けるパートナーである。単に「カヤック」では無愛想だろう。何かいい名前をつけてあげなくては。
画数からいくか。
中国の古典から取るか
はたまた風水で攻めるか…。
なかなかしゃれた名前が浮かばない。
××× イライラしてきた。 ×××
気がつくと缶ビールを手にしていた。「グバァ~」と流し込むと空きっ腹にポコポコと入っていくのがわかる。「あっ、今十二指腸を通過。おっ、胃の噴門に来た!」なんて事を考えるようではいい名前なんて到底思いつかない。
時々、何気ない時に、全く関係ない事をふと思い出したりするものである。 今も缶ビールに書いてある
『GOOD VALUE AND QUALITY』 なんて字を見ていると「QUALITY」 → 「QUEEN」 → 「THE AFRICAN QUEEN」 → 「アフリカの女王」と次々に思い浮かんだ。
「アフリカの女王」古い話だ。歳がバレそうだ。(いやいや今は500円で本屋で売っている) そう、ハンフリー・ボガードだ。
葦の生い茂る湖で、敵の大きな船に立ち向かっていった小さな船の話だ。そう言えば、私がブッシュに入りたがるのはあれを見てからだろうか。
「 ハッ! 」
そうだ、流れに、瀬に、そして茂みに、木陰に。ある時は大胆に、またある時は密やかに、大きな野望と愛を乗せていく「アフリカの女王号」にあやかって私のカヤックは
「 KIDUの女王号 」
と名づけよう。 ―木津川のほとりで生まれたから―
名前を冠し、かくしてマイカッヤクは「物」から「自」となり 私はオーナーとなった。
もちろん、ひょいと車の屋根に載せてどこへでも行く人はたくさんいる。
が
私の日常生活の中にはそのマニュアルはなかった。だから「所有」することなど夢にも思わなかった。いや、夢見ていたが諦めていた。
ところが、しかし、
前の職場を退職した。少しだが退職金が入ったので、今まで頑張ってきた自分にご褒美をあげようと思った。
そんな折も折、「中古なんですが、どうですか?」と声をかけられた。「でも置く所が…」と躊躇する間もなく、「置き場所のことなら、組み立て式で、車のトランクにも入ります。 こちらで預かっておくこともできますよ」ときた。
夢が突然現実になりそうで、ググッときて、思わず(?)「買う!」と言ってシマッタ。
どうやら「私に退職金が入ったこと、私が何か自分にご褒美をあげたいと思っていること」などを感じる取る霊能者を抱えているらしい。
かくして 「おかいあげぇ~」 となった。
これがマイカッヤク!
これから大いに「非日常」と言う冒険をしていく相棒であり、命預けるパートナーである。単に「カヤック」では無愛想だろう。何かいい名前をつけてあげなくては。
画数からいくか。
中国の古典から取るか
はたまた風水で攻めるか…。
なかなかしゃれた名前が浮かばない。
××× イライラしてきた。 ×××
気がつくと缶ビールを手にしていた。「グバァ~」と流し込むと空きっ腹にポコポコと入っていくのがわかる。「あっ、今十二指腸を通過。おっ、胃の噴門に来た!」なんて事を考えるようではいい名前なんて到底思いつかない。
時々、何気ない時に、全く関係ない事をふと思い出したりするものである。 今も缶ビールに書いてある
『GOOD VALUE AND QUALITY』 なんて字を見ていると「QUALITY」 → 「QUEEN」 → 「THE AFRICAN QUEEN」 → 「アフリカの女王」と次々に思い浮かんだ。
「アフリカの女王」古い話だ。歳がバレそうだ。(いやいや今は500円で本屋で売っている) そう、ハンフリー・ボガードだ。
葦の生い茂る湖で、敵の大きな船に立ち向かっていった小さな船の話だ。そう言えば、私がブッシュに入りたがるのはあれを見てからだろうか。
「 ハッ! 」
そうだ、流れに、瀬に、そして茂みに、木陰に。ある時は大胆に、またある時は密やかに、大きな野望と愛を乗せていく「アフリカの女王号」にあやかって私のカヤックは
「 KIDUの女王号 」
と名づけよう。 ―木津川のほとりで生まれたから―
名前を冠し、かくしてマイカッヤクは「物」から「自」となり 私はオーナーとなった。